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投資#233 戦争とビジネスの共通点



書籍の情報


タイトル: 世界最強だった日本陸軍 スターリンを震え上がらせた軍隊
著者:福井 雄三
発行所:PHP研究所
発行日:2013年2月24日

書籍の抜粋


石原莞爾はこの当時から次のように喝破していた。一九四二年八月、ガダルカナル島で苦戦を強いられている日本軍の戦況を憂慮した高松宮海軍大佐が、石原莞爾に意見を求めると石原は即座に次のように答えた。
「戦争の勝敗は初めからわかっております。わがほうの作戦はすべて、攻勢終末点を超えています。戦力は根拠地と戦場の距離の二乗に反比例するのが原則です。日本の本土では一〇〇の力が、島まで行けば一〇から五の力しかない。ところが敵は根拠地に近いから、我が軍より力が大きいのは当然です。持久戦においては攻勢の終末点をどこにするかが、最初から確立されていなければなりません。
しかるにシナ事変も今度の戦争も、まったくこれを考えていない。攻勢の終末点を超えれば叩かれるのは当然で、負けることはわかっているところへ兵を送る馬鹿はいません。近時の戦争では、制空権のないところに制海権はあり得ません。制空権がすでに敵の手中に陥った以上は、即刻ガダルカナル島を撤退すべきです。陸軍もまた同様で、ソロモン・ビスマルク・ニューギニアの諸島を早急に放棄することです」
だが軍部は石原の戦略を取り入れようとはせず。そのあとも太平洋上で同様の失敗を繰り返していった。
石原莞爾は戦後になってから一九四七年五月、東京裁判の出張所たる酒田臨時法廷に証人喚問で召され、裁きの場に立たされた。この法廷で彼は、もしも自分が戦争を指導していたら、日本は断じて敗戦にはいたらなかったと主張し、その理由を次のように述べた。
「私が戦争指導をやったら、補給線を確保するため、ソロモン・ビスマルク・ニューギニアの諸島を早急に放棄し、戦略資源地帯防衛に転じ、西はビルマ国境からシンガポール、スマトラ中心の防衛線を構築し、中部はフィリピンの線に退却する。他方、本土周辺、およびサイパン・テニアン・グアムの南洋諸島をいっさい難攻不落の要塞化し、何年でもがんばり得る姿勢をとるとともに、外交的にはシナ事変解決に努力を傾注する。
とくにサイパンの防御には万全を期し、この拠点は断じて確保する。日本が真にサイパンの防衛に万全を期していたら、米軍の侵入は防ぐことができた。米軍はサイパンを奪取できなければ、日本本土爆撃は困難であった。それゆえサイパンさえ守り得ていたら、レイテを守り、当然五分五分の持久戦で断じて負けてはいない。蒋介石がその態度を明確にしたのは、サイパンが陥落してからである。サイパンさえ守り得たなら、日本は東亜の内乱を政治的に解決し、シナに心から謝罪してシナ事変を解決し、次に民族の結束力を利用して東亜は一丸となることができたであろう」
まさにあっと驚くような発想の転換である。このような戦況判断は誰にもできる、などという人がいたら、それはとんでもない思い違いというものだ。陸士・陸大と石原の時で親友だった横山臣平陸軍中将が喝破したごとく、これができなかったからこそ日本は負けたのだ。必要にも満たない金文体を、サイパン・テニアン・レイテに分散して、もろくも敗れたのである。
サイパンが日本本土防衛の最重要視点である、と早くから着眼していたのはただ一人、石原莞爾だけだったのである。左遷され予備役となり、隠棲していた石原のたび重なる献策を、軍の上層部は採用しようとしなかった。

攻勢終末点

感想

抜粋した理由

戦時中にこんな戦況判断が
出来た人がいたとは。

歴史を見れば、予言とも
捉えられるものかなと
思いました。

本文

―――1―――

現代の日本には幸いにも
戦争がありませんが、

戦略ときたらお手本は戦争です。
ビジネスも戦略の塊ですから、
よく参考にされると思います。

サイパン島が重要だとは
よく言い当てられたものですね。

天才とよばれていたようで、
さすが、なんですね。

―――2―――

意見を求められて、発言しても
なんで採用されなかったのか。

疑問はあります。

才能をねたまれて、意見が採用
されなかったのか。

変わり者との評価があったみたい
ですので、性格が問題で採用され
なかったのか。

どちらにしても、もったいない
感じがします。

意見を求められても、意見が採用
されないのは、仕事レベルでも
同じです。

悲しいですね。

―――3―――

戦力は根拠地と戦場の距離の二乗に反比例するのが原則です。

なんか似たことを学んだなと
思いました。

店舗の立地に関してですが、
ライリーの法則というのがあります。

都市Aで買い物される金額と
都市Bで買い物される金額の比は、

2つの都市の人口に比例し、
2つの都市の距離の二乗に反比例する
というものです。

戦力は根拠地と戦場の距離の二乗に反比例し、
購買金額の比も2つの都市の距離の二乗に
反比例する。

似ていると思いませんか?!

また、ライリー・コンバースの法則
というのがあり、ライリーの法則を受け、

都市Aに吸収される販売額/都市Bに吸収される販売額=1

となる点が都市Aと都市Bの商圏を分ける
商圏分岐点であるとしたものです。

商圏分岐点は、攻勢終末点と似たような
ものですかね。

戦争とビジネスの共通点でしょうか。
戦略と名のついたものだけでなく、
共通点はいろいろとありそうです。

まとめ

戦争とビジネスの共通点、いろいろありそう


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