とある「本好き」の場合【#本好きの30問】
たとえば、本屋で待ち合わせを指定されても嫌とは思わない。
そこで二時間くらい待たされたとしても、酷い目にあったという感覚はあまりない。
本のある場所に喜びを見出すのが得意で、本さえあれば余裕で時間を潰せる人たち。
それが「本好き」である。
noteで小説などの優れた創作物を発表している闇夜のカラスさんが、「本好き」のためのアンケートとして、30問の質問を考案してして下さった。
自分の読書歴とその変遷を振り返るいい機会になると考えた私は、過去の記憶を掘り起こし、これから先、あと何冊読めるのか、と未来のことも考えながらこのアンケートを楽しませて頂いた。カラスさん、ありがとうございました。
【#本好きの30問】
回答 海亀湾館長
◆いま現在、読んでいる本
『黒い時計の旅』スティーヴ・エリクソン
『イギリス人の患者』マイケル・オンダーチェ
『鳥がぼくらは祈り、』島口大樹
◆次に読む予定の本
『それは誠』乗代雄介
◆積ん読のなかで1年後くらいに読むんじゃないかな?という本
『八月の光』ウィリアム・フォークナー
◆手元にないけど近いうちに入手する予定の本
『滅ぼす』ミシェル・ウエルベック
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』アンディ・ウィアー
◆いつか絶対読んでやる予定、しかし予定は未定…の長編シリーズ
『アレクサンドリア四重奏』(全四巻)ロレンス・ダレル
『レ・ミゼラブル』(全五冊)ヴィクトール・ユゴー ちくま文庫
『荒涼館』(全四冊)チャールズ・ディケンズ 岩波文庫
『重力の虹』(全二冊)トマス・ピンチョン 新潮社・国書刊行会
(『レ・ミゼラブル』と『荒涼館』と『重力の虹』は持っている。『アレクサンドリア四重奏』……河出文庫で出してくれないものだろうか)
◆今の私を作っている基礎だと思う本、または作家
『にぎやかな未来』筒井康隆
『狂気の沙汰も金次第』筒井康隆
『エンペラー・オブ・ジ・エア』イーサン・ケイニン
◆大人になって読んで、これ子供の頃に読みたかったなあと感じた本
『銀河鉄道の夜』宮沢賢治
(子供の頃、「二、活版所」から先に読み進むことができなかった。大人になってようやく読めるようになった。なんて美しい話なんだと思った)
◆子供の頃に読んでおいて良かったなあと思う本
青少年向けに書かれた性教育、性体験の本
(おかげで自意識過剰のむっつりスケベな少年になったが、間違いは起こさずに済んだ)
◆子供(1〜12歳)のころ特に好きだった本/シリーズ
小学館入門百科シリーズ
学研ジュニアチャンピオンコース
ジャガーバックス
(特定の世代に刺さるラインナップ。いずれも叢書で、その中でも妖怪、心霊、ミステリー、超常現象、UFOなどを好んで読んでいた)
◆思春期のころ特に好きだった本/シリーズ
横溝正史の作品
筒井康隆の作品
◆16〜20代前半のころ特に好きだった本/シリーズ
正本ノンのコバルト文庫作品
菊地秀行の『妖魔シリーズ』『トレジャー・ハンターシリーズ』
村上春樹の羊三部作および初期短編
司馬遼太郎『竜馬がゆく』
◆30代以降、特に好きな本/シリーズ
松村栄子
吉田修一
松浦寿輝
堀江敏幸
(純文学の乱読、海外SF小説のつまみ食い、ミステリーのシリーズ読みは現在もしているが、作品を抜き出すときりがないので、特に心酔している現役の純文学作家を挙げた。ミステリー、漫画、海外SFなどは別記事で書いたことがあるので、よかったら覗いて下さると嬉しいです)
■ミステリー
■漫画
■海外SF小説
◆現在、最も気になっている作家
ミシェル・ウエルベック
鴻池留衣
乗代雄介
◆ぜったいに読みたい本
『百年の孤独』G・ガルシア・マルケス
『悪童日記』アゴタ・クリストフ
◆持ってることが自慢できる(?)お宝本
著者に対面し、直接書いて頂いたサイン本
(自分の名前を書いてもらえるとさらに愛着が湧き、お宝度が増す)
◆実際に会って話をしてみたい作家はいますか?
(既に亡くなった作家も含む/外国語の言葉の壁はないものとする)
本城美智子さん
(第10回すばる文学賞を受賞した作家。生前にお会いして創作のこと、作品のことをいろいろお訊ねしたかった)
◆今までに読んだことがあるもので「これ自分がプロになって書き(描き)たかったやつ!」と強烈に感じた作品
『続戦争と一人の女』坂口安吾
『ぼくの惨憺たる一週間』本城美智子
◆生まれ変われたらなってみたい既存の作家
選べなかった
(誰に生まれ変わっても小説を書くのはたいへんなので、そう思うと選べなかった)
◆定期的に読み返す本
『夢境の花』本城美智子
『あすなろ物語』井上靖
◆一度読んで、これ以上はいいかなと感じた本/作家
具体的な作品名は思い出せないが、心当たりはある
(内容もスカスカ、文章もスカスカ、組版さえもスカスカな本だと感じるとがっかりしてしまい、次はないな、と思う。
それとは別に、一冊も読まないうちから、この人の本は買わない、と決めている著者が何人かいる。理由は○○がまるっきり自分と合わないから)
◆ぶっちゃけ苦手な分野の本/作家
「哲学書」のガチなもの
(本当は憧れている。じっくりと読んで理解したい。だが頭が追い付かない。数ページも進まないまま積ん読の棚へ)
◆ぜひ映像化してほしい本/作品
『スタータイド・ライジング』デイヴィッド・ブリン
◆ぜったいに映像化して欲しくない本/作品
思い浮かばなかった
◆「巨匠」という言葉からイメージする作家
ナボコフとかクンデラとか
◆「偏愛」という言葉からイメージする作品/作家
江戸川乱歩とか谷崎潤一郎とかミルハウザーとか
◆ 一週間入院する自分と同年代の友人に差し入れるならこれって本/シリーズ
『本格小説』水村美苗
(入院中に読み切れなくても構わない。退院したあとも、きっと続きを読みたくなるだろう。読み終わったら、元気になったその友人とこの本について語り合いたい。友人も、この本のことで、誰かと語り合いたくなっているはずだから)
◆ 外国に移住する自分と同年代の友達へプレゼントするならこれって本/シリーズ
思い浮かばなかった
(国際結婚したバイト先の同僚が、バイトを辞めて夫の住むモンゴルへ旅立つとき、太宰治の『斜陽』と川上弘美の『センセイの鞄』を差し上げたことはある)
◆元気を出したい時に読む本/作家/ジャンル
思い浮かばなかった
(そういう本に出会いたい)
◆もし自分がオーナーになったらこんな店にする!という妄想の本屋
本を探している読書家が最後に行き着く場所、と言われており、「小さい本屋なんだけど、あそこに行くと探していた本が必ず置いてあるんだよな」とマニアたちの間で噂されている本屋。
◆いま思いつく「オールタイムベスト10冊」
(お題/ジャンルは自由でかまいません)
【わが生涯のベスト十冊】
『ガープの世界』ジョン・アーヴィング
『本格小説』水村美苗
『素粒子』ミシェル・ウエルベック
(今のところ、まだこの三冊だけ)
以上、退屈にならず、最後まで回答を読んで下さったすべての方に、心よりお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
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