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心理学の歴史②

だいぶ時間が空いてしまいましたが、【心理学の歴史②】についてお話していきたいと思います。
さて前回は、心理学の始まりから19世紀までの歴史を見ていきました。
そして今回は、20世紀以降の歴史を見ていきたいと思います。

行動主義心理学の挑戦

ここからの話は、聞いたことがあるワードも沢山出てくると思います。

さて、20世紀に入ると、現代の科学的な心理学の基礎となる行動主義心理学ゲシュタルト心理学精神分析学が登場します。

まず、今までの意識こそ心理学の本質としてきた通年に対して、真っ向から対立する意見が登場します。
それが、ワトソンによって提唱された「行動主義心理学

ワトソンは心理学を【行動の科学】と定義し

「科学としての心理学を追求するには、主観的な内観による意識の分析だけではダメで、科学的測定に耐えうる行動の分析がなければならない」と述べ、ヴントの築いた心理学を否定しました。

実はワトソンは、後のノーベル賞受賞者であるパブロフに大きな影響を与えています。
パブロフの条件反射】をご存知ですか?

“パブロフの犬”の方が聞いたことあるかもしれませんね。

これは何かというと、パブロフが犬の消化機能に関する大脳生理学を研究している中で、犬がエサを見たり、エサを運ぶ人の足音を聞いただけでも唾液が分泌されることに気がついて発見されたものです。
この条件反射説は、後に古典的条件づけの考え方を生み出しました。

ヴントの構成心理学からの派生を表した図

構成心理学からの流れ

条件反射でなんでもできるって本当?

ワトソンは、条件反射を利用すれば、どんな行動でも身につけることができるとして、

「私に12人の子どもを与えてくれれば、先生にも、弁護士にも、医者にも、泥棒にも育てることができる」とまで公言していたそうです。
しかし、ワトソンの行動主義心理学は、外部にあらわれる行動を極端に限定し、刺激に対して、あらわれる反射だけを取り上げたため、後に批判されることとなり、個人的なスキャンダルも相まって学会を去りました。

その後、登場してきた、トルーマンハルスキナーらは、行動の主体(人や動物)の関わりも含めた視点から研究したので、ワトソンの行動主義と区別して新行動主義心理学と呼ばれています。

中でもスキナーは、スキナーボックスと呼ばれる実験装置を使って、ネズミの能動的な行動を利用したオペラント条件づけを発表しています。

ここまでで長かったので、少し読むのを休憩してください(笑)

ゲシュタルト心理学の台頭

ワトソンが行動主義心理学を提唱した時期と同じ頃、ドイツのケーラーコフカヴェルトハイマーらによって主張されたのが、ゲシュタルト心理学。
ゲシュタルトとは、「形態」「全体」を意味するドイツ語です。

ゲシュタルト心理学は、ヴントの構成主義を批判し、心の動きはいくつもの事象による相乗効果の影響を受けているという全体性を重視しました。

例えば、人が景色を見るにも、木一本とか葉一枚を見るのではなく、全体としての木とか山を見るという考えです。
つまり、全体は単なる要素の集合体ではなく、それ自体がなんらかの法則性を持った構造となっており、ひとつひとつの部分は全体によって規定されているという考えです。

フロイトの登場〜精神分析学〜

フロイトによって精神分析学が唱えられたのも同じ頃でした。彼は、神経症患者の治療を行う過程で「無意識こそ心理学が扱うべきテーマだ」と考えました。フロイトは、それまで注目されることがなかった人間の無意識に注目し、夢などによって表現される無意識を体系的に理論化しました。

また彼は、人の心をエス自我超自我によって構成されていると考え、本能的衝動理論(リビドー理論)や性の発達理論、自我防衛機能を提唱しています。こうしたフロイトの理論は、ユングやアドラーの理論に多大なる影響を及ぼしていきました。

その後、アメリカでは、フロイトの精神分析理論に影響を受けたホーナイフロムなどによる新フロイト派が台頭していきました。

また、1960年代以降、心理学はもっと真の人間らしさの追求に貢献するべきであるという考えからアメリカを中心に人間性心理学が広がりを見せていきました。人間性心理学者として知られているのは、自己実現理論を提唱したマズロー、クライエント中心療法のロジャーズ、ゲシュタルト心理療法のパールズなどです。

日本の心理学の歴史

日本における心理学の研究は、明治以後に行われた欧米の心理学の紹介から始まります。1889年、我が国で最初の心理学教授として元良勇次郎が東京帝国大学哲学科で心理・倫理・論理の講座を開きました。

その後、松本亦太郎が2代目の心理学教授となり、東京大学と京都大学に日本初の心理学実験室を設立しています。
第二次世界大戦以降、日本でも様々な現場で心理学専攻者が必要とされるようになり、日本でも急速に広がっていきました。

さていかがでしたか?
(ちょっと固かったかな...?と反省してます)
次回からは「人間の感覚」と心理学にはどのような関係性があるか話していこうと思います!
なるべく分かりやすく簡単に説明できるように頑張ります!




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