ちいかわのあの子とわたし
捨てないでほしかった。
小さな幸せを大切に大切にして、たとえ消え入りそうでも消してしまわないで、あの子にはあの子のままで、いてほしかった。
ちいかわと過ごした時間をもっと大切に思って、顔を合わせる度に話しをしたりおやつを交換したり、そんな未来を捨てないでほしかった。
あの子のことを考える度に、どうしてか私が見捨てられたような気持ちになるのだ。
こんな(わけのわからない)感傷に浸りながらも、本当は私こそでかつよになりたいと願ってやまない。ものすごい力をもって、誰彼構わずひれ伏させなぎ倒してやりたい。正当性なんて必要ない。もう苦しまなくていいように。もう怯えなくていいように。もう、傷つかなくていいように。ただそれだけのために、今の幸せを手放したっていいような。
そう考えて、やっぱり泣き出したくなってしまうのだ。
わたしにとってのハチワレもうさぎもいるから、最終的にはちいかわと同じ選択をすると思うけれど、願ったまま、憧れたまま、やっぱりわたしはでかつよになりたい。
理不尽にそれ以上の理不尽で返してやりたいんだよ。
頂いた梨。
もはや「わたしはちいかわ隠れファンです」のメッセージにしか見えないシールが貼ってあった。もちろん大切にとっておく。
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