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ワーママへの対応、実はドライにするのが正解では?

 転職して、今の上司が超絶ドライである。多分ちょっとコミュ障。会えば普通だが、リモートでのコミュニケーションがドライすぎる。しかし回り回って、このドライなコミュニケーションがワーママにはちょうど良いのでは? と思い始めた。もちろん職種や人間関係による部分が大きいと思うが、極端なケーススタディとして紹介してみる。


 前職は逆にウェットなコミュニケーションをしていた。えるぼし・くるみん認定を受けていたこともあり、小さい子どもがいる社員にはとても気を遣い配慮してくれていた。

「しばらくは育児優先でやってくれたらいいよ」
「復帰後も無理せずにね」
「お子さんが熱出して休んでも代わるから大丈夫ですよ」

 そして、工数のかかる仕事や責任が伴う仕事は厳しかろうと、工数はかからないが頭を使う仕事をし、責任ある立場からは外されることが多かった。具体的にはチームで動くプロジェクトでアドバイザーやサブメンバーという立ち位置になることが多かった。
 私はその待遇を望んでいた。復帰後は時短なので工数かかる仕事できないです、と伝えていた。急に休んで困るポジションには入れない、と思い込んでいた。結局そのせいで自分のモチベーションが下がってしまったが、それも仕方ないと思っていた。


 今の職場は6人チームで、3人が乳幼児を抱えている。子どもが発熱し急に休むとか日常茶飯事で、毎週のようにチームのslackにそういう報告が上がっている。その時に、上司は
「了解です」
 としか言わない。まじでそれ以外言わない。社員本人が体調を崩している時は
「了解です。お大事に」
 となるが、本当にそれだけ。
 メンバー側(子持ち先輩社員)も、すみませんとか言うことなく
「長女が発熱したため終業します」
 としか言わない。私が同じ状況になった時だったら
「すみません、子どもが発熱しお迎え要請が来たので14時で切り上げます。この後連絡がつきづらくなると思いますがご了承のほどお願いします。明日の勤務についてはまた別途ご相談させてください」
 とかなんやらかんやら付け足している。これが悪いわけでは全くないと思うが、先輩のように本当に最低限の情報共有でも問題ないらしい。


 チームに6人しかいないので、誰かの仕事を他の人が代わるということは基本的にない。それぞれが自分の仕事に責任を持ちつつ、急に休むようなことがあってもそれが当然かの如く仕事が回っている。前職との違いは何なのか? 表面的な違いは上司がドライなことだが、その裏に何があるか考えてみた。
 

①自分の仕事は自分で決めろ
 子どもが熱を出した時、完全に休みにしてもいいし、子どもが寝てる間仕事してもいいし、子どもと一緒に打ち合わせに出てもいい。とにかく自分で決めろ。他人(上司)がとやかく言うことはない。なので「了解です」としか言わない。子どもと一緒に打ち合わせに出ても「無理しなくていいよ」とか言われることもない。自分で決めたならそうするんでしょ、というスタンス。


②仕事に期限がない
 これは業務内容にとても依存するが、なんと仕事に明確な期限がない。前職はコンサルでクライアント=上、コンサル=下という上下関係がはっきりしていて、クライアントの都合で期限が決まっていた。世の中のほとんどの仕事はクライアントワークだと思うが、クライアントがいない世界というのもあるのだ。ある意味、意思決定の上層部にいるとも言える。
 仕事に期限がないから、急に休んでもアウトプットが出る時期が伸びるだけ。もちろん評価は単位時間当たりのアウトプット(1年間の実績)で行われるので、締め切りを永遠に伸ばすことはできないが、子どもが熱を出して1週間潰れて当初想定の締め切りより遅くなってもあまり問題にならない。遅くなっても後でやればいい、という雰囲気。


③評価が減点方式ではなく、加点方式
 ①で自分の仕事を自分で決めると書いたが、決めたことが反故になっても、特に何も言われない。育児や体調が理由の場合はマイナス評価にならない。
 ハラスメント系の事案は減点方式だが、基本的に加点方式で評価が決まる。もちろん独身の人に比べたら加点できる分が少なくなるが、自分のできた分だけ評価されるという安心感がある。

 他にも、裁量労働制だったりコアタイムがなかったり、いろいろと助かっている面がある。転職して最初はドライなコミュニケーションに戸惑ったが、実は育児中でも安心して仕事をできる体制が整っているからこそ、ドライなコミュニケーションで成り立っているのかもしれない。逆説的なワーママへの対処法。

 明日からまた1週間。子どもが元気に保育園行ってくれますようにと祈りながら、しっかり仕事しよう。

≪終わり≫ 

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