育休/育業+家族会議のご提案
東京都が育休の代わりに「育業」という言葉を作ったという。まだ慣れなくてしっくりこないけど、意図はとても共感する。
今回、POLAの企画で #育休から育業へ というハッシュタグをつけ、作品を募集するとある。
> 「育業を取ってよかったこと」についての投稿を募集します。
ほぇー、おもしろい企画やん。ちょっと乗っかってみようと思います。
弊家ではエン様が生まれてから、私は8ヶ月、夫は1ヶ月育休を取った。育休を取っていた間「全然休んでないんだが!? むしろ24時間言葉の通じない謎の生命体相手に働いてるんだが!?」
と思っていた。
◆会社員
勤務時間 7.5時間+残業
給与 100%
クライアント 言葉の通じる大人
コミュニケーション 言葉
教育研修 OJT、座学
責任 会社が負う
◆育児
勤務時間 24時間
給与 66%
クライアント 言葉の通じない赤ちゃん
コミュニケーション 泣き喚く
教育研修 ほぼゼロでいきない現場投入
責任 100%親
育児、ハードすぎる。お金もらってやりたいくらい。
女性の育休は割と当たり前になっている。産休(産後8週)のみで復帰する人は、激務職が多い印象。
男性の育休は、まだ一般的になっていない。ここ2-3年でイノベーター〜アーリーアダプターのような人が育休を取得するようになり、社会的にも男性育休が語られるようになった。
これから、育業してない男性、育業を取らせない会社はダサい、という時代になっていくと思う。
日本は男性の育休取得が遅れているという印象を持っている人が多いけど、実は育休制度自体は世界1位と言われている。しかし利用率(アクセス)が悪く、総合的な評価が低い。要するに、制度は良いけど使われていない。これには文化的な影響が大きいのだろう。
しかしこれから着々と、男性育休/育業が当たり前になっていく。今の祖父母世代が子育てしていた頃は父親がベビーカー押しているなんてあり得なかったが、今は当たり前。同じように、私たちが祖父母になる頃、父親の育業は当たり前、むしろ育業してなかったらダサい、という世界になると思う。
私の周りでは男性育休を取得した人が多い。短い人だと1週間、長い人だと1年(私より育休期間が長い)。
noteを見ても、パパが「育休中、頑張ってます」「育休取ってよかった!」「育休を周りにも勧めたい」系の記事がたくさん出てくる。
しかしまぁ、一度経験したらわかるけど、どの家庭でも「100%スムーズに行きました」とはならない。もしそう思っているとしたらパートナーが何か我慢していると思った方がいい。私の友人(母親)でパートナー(父親)が育休した人は、全員
「夫にはとても感謝してる。ただ……」
の、「ただ……」の部分があった。それは当人の夫がいたり私の夫がいたりすると言いにくいので、サシで会ってる時やLINEで打ち明けられた。
・夜赤ちゃんが泣いてても起きない
・パパイヤでギャン泣き時戦力にならない
・衛生観念がズレている
・赤ちゃんの保湿が雑
・赤ちゃんに無理をさせる(長時間外出など)
・自分が少し体調崩すと何もしない(こちらは満身創痍なのに)
・病院連れて行ってくれたことがない
・結局育休後はママ側に負担が偏ってる
などなど。いっぱい聞きましたわよ。
誤解してほしくないのは、ベースとして夫に感謝していること。それでも細かい不満はたくさん出てくる。noteで「育休頑張ってるよ!」系の記事を投稿してるパパはママと心の奥底レベルで合意形成できてるか一度胸に手を当ててみてほしい。
初めましての赤ちゃんのお世話と家族の運営を軌道に乗せるのは難しい。どこにも正解はなく、家族のできる・できない、得意・苦手、時間的制約、物理的制約などで各家庭のベストを探る必要がある。
育休期間はまさにベストを探るために設定されていて、一旦会社での仕事をストップし、家の仕事を軌道に乗せる。うまく回ったと思っても、赤ちゃんは成長し生活はどんどん変化していくので、常に大人側もアップデートが必要となる。しかも子育て、考えないといけないことがいっぱいあって、夫婦で話そうと思っていてもいろんなことが流れていってしまう。
そこで、家族会議だ。家族会議を提案したい。
弊家は週に一回家族会議をするようになって、小さいモヤを抱えることがなくなった。家族会議というと仰々しいけど、土曜の夕飯を食べながら話すだけ。始めた頃は簡単な議事メモを作って共有していたけど、今はそこまでしなくても大丈夫になってきている。
家族によって、週一でも月一でも逐次でもいいと思う。大事なのは家庭を軌道に乗せること。線路に石があったら取り除くように、小さなつまづきを減らしていく。その積み重ねで大事故を防ぐ。
例えば、弊家の最近の家族会議ネタはこんな感じ。
・卒哺乳瓶(寝る時だけまだ使ってる)
・エン様のアウター
・年末年始の予定
・クリスマスプレゼント
・教育資金
・夫婦のキャリア
・家事代行の予定
一度話し合ったものの決まらず、何度もペンディングになっている件も多数。でも会話する機会を作るのが大事だと思う。
そして私は、家族会議の時間に夫に感謝を伝えるようにしている。料理してくれたり、換気扇のフィルター掃除してくれたり、エン様とおでかけしてくれたり、どれも当たり前と思わず感謝、感謝。
育休/育業を取っただけでは、その先の安泰はない。2人で話し合って、家族運営を軌道に乗せ、長く走らせていく……できればそこを目指したい。
#育休から育業へ
育休は休みじゃない。れっきとした仕事、と捉えてうまく家族運営できる家が増えてほしい。
そして雇用側も、社員が育休/育業取って終わりではなく、社員それぞれの持続可能な家族運営+働き方を考える必要がある。経営者はとっくにそんなこと気づいているだろうけど。
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≪終わり≫