推し短歌(フリーズこと梅ヶ香夕吾という男編)
幾千の夢から覚めてもまた会おう忘れないからきみの本名
本名で付き合ってきた親友が夢を叶えて芸名の方で有名になり、たくさんの人にたくさんの夢を見せている。いつか、もしその夢が終わってしまったとしても、きみの人生は終わらないのだから、ここにきみの戻れる居場所を残しておくよ。
というエモい歌かと思いきや、私の推しの梅ヶ香夕吾(注:2014年にフリュー株式会社から発売された3DSゲーム『ハマトラ Look at Smoking World』に登場するキャラクター)について詠んだ歌です。
梅ヶ香夕吾、かっこいい名前すぎるし実際芸能活動(後述)もしているのでマジで芸名っぽいのですが、紛れもなく彼の本名です。
梅ヶ香夕吾はゲーム中盤、敵として本名で登場します。しかしその後主人公達の仲間になり、彼の「凍結のミニマム(超能力)」にちなんで「フリーズ」というニックネームで呼ばれるようになります。
というかむしろフリーズの方がメインの名前なので、フリーズと呼ばれるようになってからは、梅ヶ香夕吾という本名では一切呼ばれません。そんなに仲良さそうに見えない仲間からもニックネームで呼ばれています。
この歌の結句を「きみの真名」ではなく「きみの本名」にしたのもそれが理由で、梅ヶ香夕吾の真の名前はむしろフリーズの方なのだろうけど、それでも私はッ……! 本名で敵役やってた頃の梅ヶ香夕吾のこともッ……!! めちゃくちゃ好きッ……!!! 忘れたくないッ……!!!! という歌です。
敵として登場した梅ヶ香夕吾の語る独特の人生観が私にめちゃくちゃ刺さったんですよね。(まあフリーズになってからも時々語ってくれますが……)
初句〜四句の
「幾千の夢から覚めてもまた会おう忘れないから」
は、「街の人々が次々に原因不明の記憶喪失になり仲間も記憶を失っていく中で、主人公達が夢の世界で怪物と戦いみんなの記憶を取り戻していく」というゲーム本編のストーリーが元ネタです。
最終的に主人公達は全ての記憶を取り戻し、夢を終わらせ、自分達の夢(的なもの)にも区切りをつけます。いい話です。
しかし、ここで話は最初に戻ります。
フリーズ(梅ヶ香夕吾)の公式説明文をご覧ください。
なんということでしょう、彼は芸人(を目指す高校三年生)なので、なんと最初のエモい歌としての解釈も成立しうるのです。
これは梅ヶ香夕吾が芸人として大成した未来で、主人公が彼のことを想っているifです。梅ヶ香夕吾が芸人として大成する未来があり得るかどうかはゲームをプレイした方によってかなり解釈が分かれると思いますが、ひとまずifがあると思ってください。つまり梅ヶ香夕吾には無限の可能性があるのです。これで全ての解釈が成立するでしょう。いえ、するはずです。します。梅ヶ香夕吾は素晴らしいです。梅ヶ香夕吾は完璧なのです。唯一欠点があるとすれば、公式サイトに彼の本名が載っていないことだけです。フリーズの本名が本当に梅ヶ香夕吾なのかどうか、あなたもぜひゲームをプレイして確かめてください。フリーズこと梅ヶ香夕吾という男をどうかよろしくお願いいたします。
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