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初めて詩集を買った話~どこからか言葉が/谷川俊太郎著~

初めまして、お久しぶりです。 くま子です。

今日は初めて詩集を買ったお話。

一番最初に谷川先生の本を楽しんだのは、言葉が読める年齢になった頃、母親が読んでくれた“ことばあそびうた”という本がきっかけでした。

動物が出てくる軽快な言葉あそびにはまり、この言葉あそびの本が大好きで、何度も読んでもらったり、自分で口に出したりして楽しみました。

そんな中、ふと見たAmazonのおすすめに出てきたのが“どこからか言葉が”の詩集でした。

あっ、谷川先生の新作だ!これは買うしかない!と気軽な気持ちで買ってみました。

詩集というと、何となく穏やかな抽象的な、想像力を膨らませるような印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

私もそうでした。

しかし、この詩集を読んで印象がガラリと変わりました。

まず、たった一行で言葉の力がダイレクトに伝わってくるのです。

短い言葉の集まりだからこそ、一編の詩を何度も繰り返し読み、その一行の言葉の力が脳みそに直接アタックしてくるような衝撃でした。

読書する中で、こんなに言葉を繰り返し読んだ事があるだろうかと思うほどに。

それは付箋は貼って覚えておきたい言葉の数々でした。

“谷川先生すげー”とただそれだけを感じ、読むたびに目から鱗、脳からアドレナリン放出中な状態が続いていました。

そして、意外だったのが作者の思考がしっかりと伝わってくることでした。

作者が何を大事にしており、何を問題提起したいのか。

そんなことが漠然ではあるが、伝わってくるのです。

先生が自分が想像するより過酷な環境・過去を生きて、見つけた大事なことを教えてもらっている様な気持ちでした。

きっと何回も読み返す度にまた違った受け取り方をするかも知れない。

読めば読むほど違う面が見えてくる。時間が経って読み返した未来の自分はどんな事を思うのだろう。

そしてタイトルになっている、“どこからか言葉が”

きっと先生の言葉は、先生の生きざまから降りてくる言葉なのだろう。

そして、その言葉を伝えるだけ力が生命力がある。

初めて買った詩集、未来の自分に託す詩集。そんな詩集も悪くないと感じた一冊でした。


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