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元注文住宅営業の視点 【自分らしい家】を叶える住宅会社の選び方 -前編-

「インスタで見るようなおしゃれで機能的な家って、みんなどうやって選んでるの?」
そう悩むご家族は少なくありません。

家づくりは、ほとんどの方が最良のものを望みながら、ほとんどの方が迷子になる、難しい買い物です。

自分にとってベストな家を発注する方法が知りたい方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

私は、会社員時代、未経験から飛び込んで入社した地域工務店と、インテリアコーディネーター資格取得後に転職したデザイン注文住宅工務店で、それぞれ数年ずつ営業職を務めました。
結婚出産を機に退職し、現在は住宅や不動産関連のwebライターとして活動しています。

このnoteでは、私が考える【自分らしい家を建てられる住宅会社】の選び方をお伝えします。
あくまで私個人の考えですが、これからマイホームを考えている方の参考になりましたら光栄です。

依頼先のカテゴリで考えない選び方をしよう

私は、【自分らしい家】を建てるために大切なことのひとつが、余計な情報に振り回されないことだとと考えています。
便利なインターネットのおかげで、家づくりの情報が多すぎ、本当に欲しい家のイメージがわからなくなってしまうことがあるためです。

例えば、「注文住宅 依頼先」などと検索すると、なぜか、住宅会社をカテゴリ分けする記事が上位記事でヒットします。

多くの記事で、注文住宅の依頼先の選択肢は、下記のような3つのカテゴリに分けられます。

〈一般論上の住宅依頼先3つのカテゴリ〉
ハウスメーカー
設計事務所
工務店

私は、まずこのカテゴリ分け自体が、無用な先入観を生み、本当に良い家が欲しいと望む消費者を惑わしているように思えてなりません。
知識をつけることは良いことですが、住宅会社の種類や特徴は覚えなくとも、理想のマイホーム作りは可能です。

はじめに、カテゴリ分け思考を考えなくてもよい理由をお話します。

◆カテゴリ分けを覚える必要はない

私がカテゴリ分けに意味を感じない最大の理由は、この3つに明確な分別がないためです。

ハウスメーカーと名乗る定義を誰かが決めているわけではありません。
ハウスメーカーのような工務店もありますし、工務店と名がつくハウスメーカーもありますよね。

例えば、多くの記事では、
「ハウスメーカーは価格が高くデザインが優秀」
「工務店は設計力は劣るものの価格がリーズナブル」
と各カテゴリの説明がされています。

これらも、あくまで”傾向”であり、正確ではありません。
実際に、ローコストが売りのハウスメーカーもたくさんもあります。
デザインが売りの工務店はむしろ近年のトレンドです。

このように、各カテゴリの特徴を下調べしたとしても、実際に見に行ってみると全く違う可能性があるのです。

◆住宅会社の特徴は各企業ごとに違う

カテゴリ毎に特徴の傾向はあるものの、その特徴を覚える前に住宅会社を見に行くことがおすすめです。
なぜなら、住宅会社の特徴は、各企業ごとに違います。

それぞれの企業の体制や強みは、実際の建物を見て、詳しい話を聞かなければ分かりません。

だからこそ、先入観を持たずに「この会社はどうだろう」とフラットな視点で自分に合う企業を見極めることが大切です。

家づくりに大切な2つのポイント

では、家づくりは何を基準に考えていけば良いのでしょうか。
私なら、自分らしい注文住宅を建てたい方に、下記の2つを満たす依頼先を選ぶことをおすすめします。

1. 工事監理ができること
2. 設計力があること

この2点を満たしていることが、安心してマイホーム作りを任せられる、且つ、自分らしさをカタチにできる条件と考えています。
2つの条件について、次の章からそれぞれ詳しくお話ししましょう。

工事監理ができること

私は、設計デザインと工事監理をどちらも同じ会社に依頼できることが、マイホーム作りに大切な要素だと考えています。

◆設計者と工事監理者が同じ企業とは限らない

そもそも、発注先と違う会社が工事監理をするケース自体を知らない人もいるかもしれませんよね。
「設計の打ち合せをするのは〇〇ハウスですが、工事は下請けの△△工務店が監理します」というケースは、実は珍しくありません。

なお、この「監理」という言葉は、日常的に使う「管理」とは意味が異なります。
監理とは、監督と管理のことで、事前の取り決め通りに物事が進行しているかを取り締まるという意味の言葉です。

例えば、住宅工事では、
・スケジュール通りに物品を発注する
・施工業者(大工さんや各部材の取り付け業者など)を手配する
・打ち合せ通りに仕上がっているかを確認する
といった作業が、工事監理の仕事です。
「計画に沿った家を完成させるためのマネジメント」と考えるとイメージしやすいでしょう。

建築の発注方法は、法人・個人の目的毎にあらゆるパターンがあるため、場合によっては設計者と工事監理者が異なる方がメリットがあります。
そのため、一部のハウスメーカーや設計事務所では、設計デザインと施工監理が別企業になってしまうこともあるのです。

◆マイホーム作りは設計と工事監理を同企業に

上記のようなケースはあるものの、一生に一度のマイホームを建てる場合に限っては、設計デザインと工事監理をどちらもを同じ発注先に依頼できることが大切だと考えています。
なぜなら、「打ち合せを行う担当者」と「工事を監理する監督」が同じ企業に在籍していることは、マイホームを建てる施主の安心感に直結するためです。

もしも、現場でトラブルを見つけてしまった場合、対応するのが別の会社であれば、打ち合せ担当に連絡しても、実際の解決までにタイムラグが生じる可能性があります。
さらに、住み始めてから、何か不具合に気付く場合もあるでしょう。
設計担当と監理担当が別企業の場合、「どちらの責任か」「どちらが対応するのか」「言った言わない」など、先に明確に確認した上でようやく対応が始まります。

上記の例のようにならないよう、「打ち合せを行う担当者」と「工事を監理する監督」が同じ企業に在籍していることが理想です。
その方が、安心してマイホームの完成を待つことができますよね。

安心してマイホームの完成を待てると、完成後に気持ちよく住み始められます。
安心して気持ちよく住むこと以外に、マイホームの目的はありません。

◆工事監理できる企業とは

ちなみに、私が以前務めていた企業は、2社とも「工務店」です。
転職の際にも、ハウスメーカーでも設計事務所でもなく、工務店であることを条件に企業を選びました。
その理由は、工務店なら、お施主様の家の工事監理ができるからです。

そもそも工務店とは、建築工事を「監理」する企業のことです。
個人向けの住宅企業でも、〇〇工務店と名がつけば、大抵、施工監理も行ってもらえるでしょう。

これは、働いた経験がある私個人の意見ですが、工事監理できる企業のなかから依頼先を選ぶために、「工務店」という条件で企業選びを始めることもおすすめです。

また、もし、設計を気に入った企業が監理を協力企業に任せる体制であったら、打ち合わせと実物で相違があった場合の対応について必ず確認し、記録を残すようにしてくださいね。

〈工事監理ができることのまとめ〉
●設計と施工監理をどちらも同じ企業に依頼することが大切
●安心して気持ちよく住めてこそマイホーム
●大抵の工務店は、設計と施工監理をどちらも依頼できる

設計力があること

続いて、「設計力がある」というポイントについてお話しします。

数ある住宅会社のなかから、自分らしい家を叶えてくれる依頼先を選ぶためには、その企業の「設計力」を見極めなければならないためです。

◆設計力は「自分らしさ」を叶える

「自分らしい家」を叶えるためには、企業の設計力が重要です。
設計力とは、依頼者の希望を図面に変換できるチカラのことだとイメージしてください。

設計力がない住宅会社は、どんなに希望を伝えても、全くピンと来ない提案を持ってきます。
依頼者からすると、無駄な時間になってしまいますよね。
設計力のある住宅会社なら、住む人が家に求めていることを想像し、心地よく暮らすための知識を提案できます。

そのため、ベストな依頼先を選定するには、設計力の見極めが大切なのです。

◆設計力を見極めるには「比較」がカギ

残念ながら、設計デザインができる=設計力がある、とは限りません。
施主自ら、企業の設計力を見極めることが大切です。

しかし、建築のプロではない一般の施主にとって、設計力が高いとはどういうことかは、分かりづらいですよね。
私は、設計力を見極めるために、複数の企業を比較することをおすすめしています。

具体的には、良いなと感じた何社かの企業に、それぞれ提案を作ってもらってください。
提案は、下記の4点が揃ったものが望ましいでしょう。
・間取り図面
・設備の設定
・見積もり
・資金計画

提案があると、どこまで細やかに配慮してくれるか、家族のイメージを理解してくれているかが分かりやすくなります。
さらに、複数の企業から提案を受けると、それぞれ受ける印象が違うでしょう。

「この企業は、丁寧な説明をしてくれるな」
「この担当者は、伝えた要望を理解してくれているな」
というように、直感的に心地よい印象を受ける企業であれば、自分らしい住まいに近づいているサインです。

「設計力がある」についてのまとめ
●設計力がないと、施主の希望を具現化できない
●設計力の見極めには、複数社の比較検討がおすすめ

まとめ

注文住宅の発注先を選ぶときは、工事監理ができる、 設計力があるという2点の条件を満たす住宅会社がおすすめです。

〈工事監理ができることのメリット〉
設計者と工事監理者が同じ企業にいるため、安心して住み始めることができる。

〈設計力があることのメリット〉
住む人の希望をしっかり具現化できるため、「自分らしい家」を叶えられる

「設計力のある企業の見極め方」については、後編でさらに深掘りしてお話しします。

自分らしい家づくりを叶えたい方のお力になれましたら嬉しいです。

執筆者:うむる(【住】系webライター)
☑ 元注文住宅工務店の営業職
☑ 出産後に産休復帰できず、やむなく工務店を退職
☑ 3人の子どもを育てるママ
☑ 2019年9月から住宅不動産関連コラムの在宅ライターとして活動
在宅ワーカーでも住宅業界に貢献したいがモットー

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