元注文住宅営業の視点 【自分らしい家】を叶える住宅会社の選び方 -後編-
「インスタで見るようなおしゃれで機能的な家って、みんなどうやって選んでるの?」
そう悩むご家族は少なくありません。
家づくりは、ほとんどの方が最良のものを望みながら、ほとんどの方が迷子になる、難しい買い物です。
自分に最適な家を発注する方法を知りたい方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
私は、会社員時代、未経験から飛び込んで入社した地域工務店と、インテリアコーディネーター資格取得後に転職したデザイン注文住宅の工務店で、それぞれ数年ずつ営業職を務めました。
結婚出産を機に退職し、現在は住宅や不動産関連のwebライターとして活動しています。
このnoteでは、私が考える【自分らしい家を建てられる住宅会社】の選び方をお伝えします。
あくまで私個人の考えですが、これからマイホームを考えている方の参考になりましたら光栄です。
大切な2つのポイントのおさらい
私は、自分らしい家を建ててもらうために、「工事監理ができる」「設計力がある」の2つの条件を満たす依頼先を選ぶことをおすすめしています。
こちらの内容は、先日公開した前編で詳細をお話ししていますので、ぜひご覧になってみてください。
後編の今回は、「設計力のある」企業の見極め方にフォーカスし、自分らしい家を建てるための具体策についてお話していきます。
自分らしい家を建ててもらえる会社を選ぶ 2つのステップ
【自分らしい家を建ててもらえる会社】の選び方では、そのステップが大切だと考えています。
やみくもに進んでしまうと、途中で方向性が分からなくなってしまうことがあるためです。
私のおすすめする2ステップは、以下の通りです。
それぞれ、詳しく解説していきましょう。
ステップ①:大切にしたいことを考える
自分らしい家づくりを叶えるために、最初に進むべきステップとして、家族にとって最も大切にしたいのは何かを考えることをおすすめします。
なぜなら、家づくりに関する情報量が、あまりにも世間に溢れすぎているためです。
大切にしたい軸が決まっていないと、疲れてしまったり、遠回りになったりして、家づくり自体を楽しめない事態にもなりかねません。
◆情報収集は疲弊に陥りがち
例えば、家が欲しいなと考えたときに、真っ先にどんな行動をとりますか。
「とりあえず住宅展示場に行ってみる」
「おしゃれな家のSNSをクリップしていく」
こんな方が多いのではないでしょうか。
実は、多くの人が進むこのステップで、家づくりに疲弊してしまう人は少なくありません。
理由は、あまりに情報量が多すぎ、何をすべきかを見失ってしまいやすいためです。
住宅展示場には、たくさんの企業が自社をアピールしています。
モデルハウスは、オプションと最新技術をゴリゴリに詰め込んだ、豪華で非現実的な家です。
最初にコレをみてしまうと、
「あれもこれも考えなくちゃダメなんだ...」
「どれくらいお金かかっちゃうんだろう...」
と、パンク状態になったうえ、手応えがなく、結局何をすべきかも分からなくなってしまいます。
SNSも、おしゃれでハイレベルな設計事例が溢れていながら、次の行動の指針が示されておらず、迷子になりやすい傾向があります。
気に入ったアカウントからサジェストまでテンションに任せてじゃんじゃんフォローして、情報疲れした経験はありませんか。
私は、何回もあります。
さらに、運悪く、それまで興味もなかった「耐震」「断熱」「無添加」などを熱く語られてしまったら最後、沼です。
こだわりはじめれば無限に予算がかかり、本当に重要視すべきだったことを妥協してしまう可能性があります。
このような理由から、私は、初めに住宅展示場やSNSなどから情報を集めることはおすすめしていません。
◆大切にしたいことを考えるメリット
家族の大切にしたいことを初めに考えるメリットは、次の行動の指針が決めやすくなることです。
溢れる情報の中から、大切にしたいかどうかを軸に取捨選択ができるので、自分らしい家づくりにダイレクトにたどり着くことができます。
どんな情報にフォーカスして集めるべきか
どんな企業から絞り混むべきか
このようなことが明確になれば、次にとるべき行動がおのずと見えてきます。
ステップ②: 大切にしたいことを叶える設計力を見極める
家族が大切にしたいことが見えてきたら、それを叶える設計力がある企業を見極める必要があります。
「設計力を見極める」と聞くと、建築の勉強をしなきゃと感じてしまう方もいるかもしれませんが、そんな必要はありません。
ステップ①で考えた軸があれば、自ずと進むべき道がはっきりします。
この章では、大切にしたいことをいくつか例に挙げ、それぞれのパターンの設計力の見極め方について解説します。
◆おしゃれな家にしたい!
⇒見学会に参加しよう!
おしゃれな家にしたいと考える方は、住宅会社の開催する「完成見学会」などに参加することがおすすめです。
目的は、家族の理想とする「おしゃれ」のカタチをイメージすることです。
モデルハウスがかっこよくても、実際に工務店が設計した家も素敵とは限りません。
いくつか見学会を経験すると、心が動く家とちょっと違うなと感じる家があるはずです。
住宅企業の現実的な設計を体感し、「この家おしゃれだなー!」と感じれば、その企業の設計者と相性がいいかもしれませんね。
◆予算きっちり守りたい!
⇒3社以上の相見積りを取ろう!
予算感を最優先にするのであれば、ローコストが得意な住宅企業を中心に、しっかり打ち合せをしてみることがおすすめです。
可能であれば、3社以上の企業から「図面」「見積り」「総資金計画シミュレーション」を一式作ってもらいましょう。
目的は、どこまで丁寧に予算に寄り添ってくれるかを見極めることです。
限られた予算のなかで、住む人の希望をいかに図面に反映できるかにこそ、設計力が問われます。
3社ほどからお金の説明をうけると、どの企業でも必要になる費用がどんな項目かわかってくるばすです。
「こっちの企業は丁寧に説明してくれたけど、こっちはざっくりだな」
など、印象の違いも感じるでしょう。
見積もりの金額が最も小さい企業がよいとは限りません。
誠実に丁寧に説明してもらえる企業を選ぶことが、予算を守るための近道です。
◆家事ラク導線が欲しい!
⇒スタッフ体制をチェックしよう!
家事の負担を軽減させられるような家にしたいと考える場合は、設計打ち合せの体制を確認することがおすすめです。
なぜなら、暮らしやすい導線を考えるには、おしゃれに魅せる以上にハイレベルな設計力が求められるためです。
目的は、実力と実績のある設計者を探すことです。
例えば、営業マンが設計も兼任する工務店などの場合、設計力がそれなりでも営業力のある担当が受注を伸ばせてしまう傾向があります。
一方、1組の施主に、営業、設計、内装コーディネーターそれぞれの担当がつく企業は、それぞれの分野で評価が磨かれます。
最近は、営業マンはおらず、設計デザイナーが全て担当しますというスタイルの企業も増えていますよね。
そのような企業も、「設計力」を武器にしているので、導線に配慮した提案が期待できるでしょう。
◆天然素材にこだわりたい!
⇒地元の住宅系雑誌を読んでみよう!
家族の健康のために、住まいの素材にこだわりたいという方も多いですよね。
そんな方は、地域の住宅情報雑誌からの情報収集がおすすめです。
目的は、天然素材を得意とする住宅企業から複数の候補を探すことです。
住宅展示場に出店している企業と、天然素材などに特化した企業との違いは、「ターゲットの広さ」です。
前者は、どんな趣向の方にもあてはまる商品展開をそろえ、マジョリティを受け入れています。
後者は、本物志向の方にピンポイントにターゲットを絞るために、あえて広く宣伝せずに経営されています。
住宅情報雑誌には、地域毎に特化し、企業規模を問わず多くの住宅企業が掲載されています。
大々的に広告していなくても、地域向けの住宅雑誌では必ず名前を載せている企業は意外と多いんです。
企業の設計力を見極めるには、複数社比較して検討することが非常に重要です。
特定の分野を得意とする企業をいくつか見つけるためには、住宅情報雑誌をチェックしてみてください。
◆どれも大事でしょ!
⇒心地よい担当者で選ぼう!
おしゃれさも、家事動線も、予算も、素材も、全部大事です。と思う方もいますよね。
おっしゃる通りです。全部大事です。
そういう場合は、最終的に営業さんや設計さんと話していてストレスがない企業をおすすめします。
担当者と話していて心地よいのは、伝えた希望をしっかり受け止めてもらうことができていて、家づくり自体を楽しめている証拠です。
後悔のない家づくりができる可能性が高いと思います。
この人にお願いしたら大丈夫だな、と思えたら、その直感を信じてください。
まとめ
【自分らしい家を建ててもらえる会社】の選び方では、そのステップが大切だと考えています。
正しいステップを踏めば、遠回りしたり迷子になったりせず、「自分らしい」にたどり着くことができます。
「設計力を見極める」ときに大切なのは、建築の知識ではありません。
大切にしたい軸を決めて、その軸を基準に、いくつかの企業に絞り混んで比較してみましょう。
比較すると、「こっちがいいな」「これは違うな」と感覚的に振り分けをしていくことができます。
その感覚こそ、「自分らしい」に近づくための最重要アイテムです。
正しく感覚を持てるように、最初に大切にしたい軸を決めましょう。
余計な情報に振り回されず、楽しいと感じる家づくりができれば、あなたらしい家が必ず完成します。
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