アフリカのチャイナタウンは今日も大盛況
(ケニアのチャイナスクエアの新店舗、ABP撮影)
「世界の工場」中国で製造した雑貨や生活用品は、日本だけでなく、アフリカにも流れ込んでいます。
ケニアのナイロビではこのたび、チャイナ・スクエアの2号店がオープンしました。
大盛況でした。
なにがすごいって、このチャイナ・スクエア、今年1月に1号店を開店してすぐに人々が殺到し、同時に政治家を巻き込んだ大論争になったのです。
あまりにもの人気に、雑貨を昔から扱っている市場の商人たちが抗議し、ロビー活動をして政治家が動き、商品が豊富で安すぎるとして不正を疑われ、模倣品対策局に商品を没収され、国外追放を示唆され、事業閉鎖に追い込まれました。さらに中国外務省や中国商工会がこれに抗議して大騒ぎになったのに、半年ちょっとで見事に2号店を開店するまでに復活です。
実店舗だけでなく、インスタやTikTokでも盛り上がっています。
倉庫風の簡易なつくりの広い店舗には、棚がずらりと並び、嬉しそうに買い物をする人たちが溢れていました。
この感じ、私は知っています。日本に100円ショップができた頃。もの珍しい商品や、ニッチな商品がずらりと並ぶ店舗にわくわくした感じ。それが手頃な価格で手に入る喜び。
「ねぇ見てみて!」「これなに??」
人々のカートをみると、子どものおもちゃや文具、バケツや日用雑貨を買い込んでいました。
かなり賑わっていた場所のひとつが、美容品売り場。ネイルストーンやシール、つけまつげやアイプチ、あらゆるプチプラコスメが並んでいます。
こういうの、いままでケニアになかったんですよね。というか、あっても高かったです。「わぁこれどうやって使うの」「こんなのあるんだ」という声が聞こえていました。
それにしても、ケニアの人の肌色をまったく考慮しない色味がずらりと並ぶ様子、以前からMINISOに訪れるたびに思っていたのですが、相変わらず需要をまったく考慮しない振り切った品揃えです。絵画コーナーにはブッダの絵も売られていましたが、誰が買うんでしょうか。
懐かしいものにも遭遇しました。
とっとこハム太郎かちいかわかキティちゃんかわからないけど、なんか見覚えある感じ。
日本には溢れているビニール傘!アフリカで初めての遭遇!1000円だったけど。
孫の手?その名も「itching(かゆみ)」。110円でした。ケニアのお客さん、不思議なものを見るような目で見ていましたが、これがなにかわかっていたのは広い店内でも私を含む東アジア人のみでしょう。
新たにケニアに赴任する日本人の人は、ここに来れば生活雑貨はほぼ揃います。爪楊枝も綿棒もたくさんあったので、もう日本からもってくる必要はありません。
価格帯は、ケニアの最安値の市場と比べると、物によっては高く、物によっては安いといった感じですが、スーパーマーケットの雑貨と比べると確実に安い。
立地は、公共交通機関よりもUberや自家用車で来るような場所であり、そのこともあって顧客層は中間層です。実際、1号店への抗議活動が行われたあと、比較的所得が低い層を対象とする市場とは顧客を住み分け、チャイナ・スクエアは中間層を対象にするような立地に出店するというのを、双方の落としどころにしたようです。
安かろう悪かろうだろうが、安い物をいろいろ買いたくなるのは、全世界で、もちろんアフリカでも、もう止められないのだなと思いました。
政府から国外追放されそうになっても事業を続けるタフさ、政府が悪いケニア人が悪いと愚痴らずに、あるもの・できることで商売を進めるマインドセット(愚痴っていたかもしれないけど)は、見習いたいところですね。
中国企業は、インフラや資源だけでなく、消費財ビジネスでも積極果敢にアフリカに出てきています。日本企業は、ライバルを知り、ライバルを超える動きをせねばなりません。とくに消費財は産業材と違って、購買要因は品質のみではないですから、売る努力が必要です。
アフリカの消費財ビジネスの成功のための方法については、こちらで取り上げています。
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