本当は身近にあるという幸福

A-VOCEさん
今ね、コメント制限中
黙って借りてごめんなさい
いつもありがとうございます

あなたの目線はいつも私と違う
あなたの方が背が高いからかな

あなたは遠くを見ながら
目を細めたり宙を眺め入る

「ちょっとだけシーっね」
私の唇に指を乗せたまま
何かを聴いている
私には潮の満ち引きを繰り返す音しか聞こえない

「見てごらん」
地面には季節の野花が咲き競う
その上を蝶が舞遊ぶ

「こんな穏やかな時間って久しぶり?」
やや上目遣いで微笑むと
「いつも笑ってるな」
今日は珍しい
あなたは私の身体を引き寄せた

気のせいかな
あなたは私を見てなかったような
心ここに在らずと
何かに急かされるかの如く
遠くの街に憧れを抱いていた

何かを語れば
空回りするような地に足がついてない夢物語

焦りは時に切歯扼腕し
顔色が悪いあなたを慰めるセリフさえ
見つからず
見守るしかないのかな
迷うばかり

「ほら 肩の上に蝶が止まったよ」
どうする? って顔で覗き込む

「そっとしておこう」
手の甲に別の手の重み
伝播する体温と僅かな脈拍

「ずっと ぎゅっと して」
少しぐらい いいよね
甘えたいから体の重みを密やかに委ねた



この記事が参加している募集

#振り返りnote

85,359件