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地方高級ホテル旅館(宿泊済)解説20選+行ってみたい宿3選

2022年はアフターコロナで旅行に出かける人も増えるかと思います。

私は国内だけですが、ここ数年で色々と気になるホテルにお出かけして泊まってきました。ホテルレビューのコンテンツは少ない気がしますが、ディープなホテルレビューの記事を読んで参考にしたこともあるので、私も微力ながら書いてみたいと思います。

1記事1つのホテルを書くほどの熱量はないので、この記事に地方で宿泊した(or耳にした)ホテル情報を網羅的に紹介する、永久保存版的なものにします。

注.東京・海外のホテルは本記事では扱いません

最初の目次を置いておきますので、字数が多いため、気になるホテルがあればクリックして読んでみることをお勧めします。


はじめに:そのホテルを訪れる目的は?


各ホテルの紹介の前に、まずホテル巡りにおける目的を整理します。

前提として、そのホテル自体が目的地であるか(雑誌などでは「ディスティネーション・ホテル(目的地となるホテル)」とカッコつけた呼び方をされる)、もしくは他の主目的があり、あくまで「泊まるため」のホテルか。のどちらか。

この2つのいずれかで、選ぶホテルは変わってきます。

本記事では主に、ディスティネーション・ホテルになり得るホテルを多く紹介します。

ディスティネーション・ホテルも「何が目的になり得るか」を分解すると、満足度を高めるためのキーワードとして「唯一無二の体験」が挙げられるかと思います。

これを具体的に表すと、経験したことのない「(自然の)景色」「(建築的な)空間」「アクティビティ」の3つがあるかと思います。

「空間」の話を分解すると「占有部(宿泊する部屋)」「(アートを含む)共有部」「温泉・風呂・プール」「外観」などです。

私が色々と泊まってみた結果として、満足度が高いのは唯一無二の既視感のない体験ができるか。中でも、その町の景色やそのホテルの空間が好みか。が占める割合が高いと感じました。アクティビティは、外資系ホテルなら取り扱う場合が多いので後述しますが、ここはさほど決め手にはならない。

ホテルや旅館を構成するもう一つ大きな要素として「食事」が挙げられますが、結論としては私はホテルの食事に期待しません。本当に美味しいものを食べたければ、レストランに行く方が良いでしょう。

よって、京都など美味しいレストランが多いエリアでは、ホテルで食事をすることはほぼなく、辺境の地ではホテル食を食べなければならないことが少し苦痛に感じることもあります。

既視感のない、唯一無二を体験したいのか。

そのエリアに他の用事があり、ホテルには様々なバランスを求めるのか。

目的によって、選ぶべきホテルは変わってくるでしょう。

▶︎1.ディスティネーション・ホテル:5選

ディスティネーション・ホテルは「ここならではの体験」と言えそうな、記憶に残りやすいホテルを選出。

竹ふえ(熊本)

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筆者撮影:1時間貸切風呂

1999年開業。竹ふえは写真の「貸切風呂」がインスタグラマーのインスタ映えスポットとして有名らしい。この貸切風呂だけで、熊本の山奥にも関わらず、たしか総工費2億とのこと。

熊本空港から車で2時間程度、阿蘇山をグルグルしながら向かう交通の便はかなり悪く、アクセスは今回紹介する中で最悪の部類に入る。

しかし、一番広い部屋である「古久庵」は無駄に7部屋くらいあり、かつ上記の1時間貸切風呂がサービスとして付く。部屋にも別途露天風呂付きですが、翌日雨で入らなかったw 正直、2人でこの部屋に泊まると相当持て余すことになるので、この部屋に泊まるなら大人数が良い。私はたまたま4人で行きました。大人の修学旅行感ありますね。

食事は熊本ということで馬刺しに期待がかかりますが、量が多く、皆食べ残していましたw 特段すごい美味しいというわけでもなく、馬刺しを楽しみつつ、量は6掛けくらいで良い印象。

リピーターも多いらしく、旅館としての独創性は群を抜いている。アクセスも悪いことから、ディスティネーション・ホテルとしてしか成立し得ない。

リトリート青凪(松山)

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筆者撮影:青凪スイート

2015年12月開業。安藤忠雄設計で元々は美術館だった施設を開業。松山空港から車で50分だが、なんとか許容できる距離。アルファードは片道6,600円と、後述のベラビスタの方が30分程度で8,000円であり、ベラビスタ、ぼったくり感ある。

リトリート青凪は部屋数が少なく、売りはとにかく写真の「青凪スイート」。外資系ホテルでも滅多に見られないであろう、贅沢な開放感ある部屋の設計に、眼前にはホテルのプールと遠くに瀬戸内海、そして緑豊富な絶景が見渡せる。非常に気分が良い。部屋単体の満足度でいうと、1,2を争う。

食事は正直、可もなく不可もなしで期待しない方が良い。みかんジュースは美味しいし、お土産にも売っている。

とにかく、青凪スイートは唯一無二の体験である。

ベラビスタ(尾道)

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筆者撮影

2007年開業。多分、今回挙げる5つの中では知名度が一番高いかもしれないし、訪れたことがある人も多いかもしれない。

造船会社の迎賓館を改装した作りで、大浴場や露天風呂はそこそこ大きい。しかし、ジムにランニングマシーンがないとか、食事がイマイチとか、多分、世間のイメージほどは実態はないと思う。食事はラウンジで出る「尾道ラーメン」が一番美味しく感じましたw

家具も、特に共用部は海風が強いことを前提としてか、結構ちゃっちいソファーとかが多い。

ベラビスタのスペシャリティは、SPAトリートメント付きの部屋であり、そこに泊まったのですが、下記のアメニティが全て貰えて郵送してくれる。

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ちょっと意味不明なアメニティの量であり、多分これだけで10万円くらいするかもという説が。女性からすると大歓喜の部屋でしょうが、男性の私としては別に...w的な感じ。

SPA好きな女性であれば、大変喜ばれるでしょう。このSPA付きの部屋は大きめの半露天風呂もありますが、普通の部屋はかなりしょぼそうでした。ベラビスタに泊まるなら、SPA付きの部屋じゃないと意味なし。という意見があるのは納得です。

あさば(修善寺)

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筆者撮影

開業1480〜1490年くらい?(500年以上前)

東日本最高の旅館と呼び声が高いあさば。正直、私はホテルより旅館の方が経験が少ないので、旅館のレビューは難しい。ですが、私が今まで泊まったホテル旅館の中では、食事は群を抜いて美味しいですね。食事が美味しいで有名な旅館とも言えます。

しかし、それはあくまでも「ホテル旅館の中での相対的な美味しさ」であり、食べログでいえばゴールドクラスではなく、シルバークラスの中盤程度の美味しさと感じます。冒頭でも述べた通り、美味しいご飯を食べたいなら、美味しい和食屋に行くほうが全然良いでしょう。

あさばの他に良かった点は、野天風呂の風情があること。敷地内の真ん中に能の舞台があり、これは外国人ウケ良さそう。あと、布団が異様なボリューミーさがあり、外販もしていたはず。あさばの布団が好き。というファンがいるようです。

サッカーの長谷部選手もお気に入りの宿として自著で紹介しており、修善寺という立地も、都内から程よい近さ(ただし、新幹線三島駅〜修善寺はボロい電車で35分)で、サクッと1泊リフレッシュ旅行には良い宿だと思う。あえて梅雨時期とかに行き、雨の修善寺を味わう方が趣がありそう。

Bijuu(京都)

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HPより引用:501Room

2013年開業。かなり昔に訪れたのですが、高瀬川沿いの3部屋しかないスモールホテル。この501しか知らないのですが、部屋の真ん中にこの大きなお風呂がどーん!とあるのですよ。

これだけ独創的な専有部は、まだ他に見たことがないですね。お風呂が真ん中で、それを囲んでテーブルと椅子ってどういうこと?という。

食事は付いてないし(朝食付けれた気はする)3部屋しかないので、共用部で楽しめるものはない。しかし、専有部のこのインパクトはなんともエロい。下手な露天風呂より、全然エロいではないですか...!

そして桜時期は、高瀬川沿いの桜も窓から鑑賞できるという、借景付き。これほどロマンティックなホテルもないのではないでしょうか。

京都なので食事は他ですれば良く、京都を最大限楽しみつつも、泊まる部屋はここにしても、部屋だけを楽しむと考えると、案外バランスが良いかも。

調べると、なんと運営は老舗漬物店「村上重本店」だそうで、随分と洒落た漬物屋さんですね。

▶︎2.外資系ホテル:6選

「ディスティネーション・ホテル」と「外資系ホテル」をあえて分けて紹介することにしました。

厳密には「ディスティネーション・ホテルたる外資系ホテル」も存在しますが、外資系ホテルはどのエリアにおいてもそのチェーンの一貫性あるクオリティが存在しますので、ピュアなディスティネーション・ホテルと比べると唯一無二感を醸し出しづらいというのがあります。

アマン京都

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筆者撮影︎:iPadのホーム画面にしてるアマン京都の石畳

まずはアマンから。アマン京都も後述のアマネムも、結論的にはディスティネーション・ホテルと言えます。

どちらが好きか。は好みの問題であり、好みの差が出るのは「移動時間」(アマネムは伊勢志摩なので遠い)と「サーマルスプリングの質」(アマネムは良く、アマン京都は普通の小さい温泉」と「景色」かと思います。

個人的には、アマン京都の景色が好きで、訪れたのは10月ですが、雨上がりの苔の美しさを感じました。

室内の雰囲気はアマンはどこもさほど変わりませんが、余計な装飾のない削ぎ落とされた感じが雑念を消してくれる錯覚に陥ることができるのも好きです。

食事は朝しかいただいていませんが、ホテルの朝食という部類では美味しい部類でした。

難点としては、京都の中ではアクセスが悪い点。金閣寺近くの鷹峯という「京都の奥座敷」と呼ばれるロケーションで、祇園などからはタクシーで30分かかるかも。食事を取るなら丸太町付近までにするか、いっそ比良山荘とかまで足を伸ばしても良いかと思います。純粋な京都巡りには不便な立地であり、逆説的ですが、それゆえのディスティネーション・ホテルでもある。

2019年11月開業当初は他京都の外資系ホテルと比べて抜きん出た価格設定だった気がしますが、外国人客がコロナ禍でほぼ全滅したからから、近年では価格が下がってきており、他外資系ホテルより若干高い程度に落ち着いている気がします。アマン京都はぜひ再訪したいホテルですね。

アマネム(伊勢志摩)

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筆者撮影:サーマル・スプリング

アマネムは2016年3月開業。2015年3月開業のアマン東京に次ぐ国内2つ目のアマン。

正直いうと、伊勢志摩というアクセスの悪さが最大の難点です。名古屋から最寄りの賢島まで2時間ちょっとかかります。品川からの所要時間は4時間半であり、沖縄に行く方が時間的には近いですね。

VIP向けにはヘリコプターもありますので、アマネム好きな超富裕層はヘリコプターで良いかもしれません。とはいえ、都内からだと伊勢志摩までは105分かかるのですが。

アマネムは伊勢志摩の温暖な気候と、敷地内を自転車で駆け回ることができる点が魅力。厳密には三井系の「ネムリゾート」の敷地内に位置するため「アマン+ネム」で「アマネム」となった由来があるそうです。

大きいプールもあるので、夏場はプールも良いでしょうし、サーマルスプリングは冬でも暖かいので、1年中楽しめます。ジムもしっかりしたジムがあり、トレーニングもできます。

蛇足ですが、外資系ホテルの場合はジムは大抵しっかりしていますが、ディスティネーション・ホテルのジムはしょぼいケースが多々あります。

食事は立地上、ここで食べる以外の選択肢はなく、正直さほどでした。部屋に設置された、おかきが一番美味しいw 食事に期待すべきではないです。

1月などの冬でも穏やかで温暖な気候なので、開放感あふれるすごく大きな自然公園の中で過ごしたい方にはおすすめ。星も綺麗に見えます。しつこいですが、最大の難点は立地。遠いw

リッツ日光

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HPから引用

2020年7月開業。大阪、東京、沖縄、京都に次ぐ国内5つ目。6つ目は2021年1月開業のニセコのリザーブ。

リッツ日光もまた立地問題ですね。伊勢志摩ほど遠くないですが、日光は色々乗り換えて都内から2時間ほど。乗り換えなし新幹線で品川京都2時間ですから、快適さは京都が勝る。

そして、リッツ日光は中禅寺湖辺りに位置し、日光駅から車で30分程度。その道中のいろは坂の紅葉は見事なのですが、車線が少なく、紅葉時期は平日でも大渋滞にはまるリスクもあり。

とはいえ、リッツ日光のピークシーズンは紅葉時期であり、紅葉の価値が高いため、行くなら紅葉時期以外ない気もします。通常の二倍くらいの部屋料金ですね。下記は一休より引用。

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私は昨年、紅葉時期を狙って11月頭に伺ったのですが、「先週、紅葉終わりました」と言われました😭

厳密にいうと、日光駅周辺やいろは坂の紅葉はありましたが、中禅寺湖は山の上であり、日光駅周辺よりも紅葉が早いようです。紅葉時期のニアミスには最大の注意を払いたい。

室内やサービスは安定のリッツという感じで、他リッツとの違いは特に感じません。BARがカッコ良かったりします。あとは、中禅寺湖が眼前に開ける大きめの温泉があるのが良いですね。景色以外の最大の売りとしては、この温泉かと思います。

食事はディナーは軽食にしたので特に可もなく不可もなく、朝食は美味しい部類だった気がします。

あとは、アクティビティとして中禅寺湖をボートで泳げるというのがあり、挑戦してみましたが、夜17時開始でもかなり暗く、ぶっちゃけ相当怖かったですw サイクリングなどもあるので、朝にサイクリングとか気持ち良さそう。

リッツ日光のおすすめ活用法としては、紅葉時期(10月下旬)のディスティネーション・ホテル使いですね。それ以外の時期は魅力が半減しそう。

リッツ京都

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HPから引用

2014年2月開業。実は私が一番リピート回数が多いのが、リッツ京都です。

リッツ京都をリピートしてる理由は2つの立地の良さにあります。1つは三条にあるということで、比較的京都の中心部であり、祇園などからアクセスが良い。2つは大好きな鴨川沿いに位置する中で最上級ホテルであること。

私は鴨川大好きで、鴨川散歩のためだけに京都に行くほどです。水も景色も綺麗で、東京で汚れた心が洗われる気がするのですよね。

リッツ京都は町屋ビューと鴨川ビューがあり、鴨川ビューの方が一番ランク低い部屋(8-10万円程度)だと2万円程度高い傾向にあります。

食事をすることはないので食事のレビューはできませんが、ラウンジとBARがあり、昼はラウンジでお茶しながら暇つぶし(散歩の休憩)に使うこともあります。

地下には割と大きめのプールもありますね。フィットネスジムもあり、アクティビティをやったことないですが、豊富にあります。

京都は街自体がディスティネーションであり、ホテルは添え物と捉えるのがよく、京都を訪れながら、リッツでのみ時間を過ごすのはもったいなさすぎます。

リッツ京都は外資系ホテルとして標準スタイルでストレスフリーで過ごせるのと、朝から鴨川を眺めたい、散歩したいという方であればこれに勝る選択はないはずです。

リッツシリーズは大阪は泊まったことありますが、老舗ホテルで風格があり「コンラッドより安いよね」以外の魅力は感じないので割愛。大阪ならコンラッドとANAインターコンチにも泊まりましたが、北新地や梅田に用事があればコンラッドで良いと思います。プールやサウナも綺麗。

沖縄、ニセコは泊まったことないので割愛。

パークハイアット京都

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一休より引用

2019年10月開業。パークハイアットシリーズは新宿に次ぐ国内2つ目。2020年1月にニセコにも開業。

ハイアットシリーズは地方だと福岡グランドハイアット、金沢ハイアットセントリックがありますが、共にしょぼくてディスティネーション・ホテルとしての価値はなく、あくまで福岡金沢に用事があり、やむなく泊まる場合の選択肢となります。

パークハイアット京都は高台寺に隣接し、清水寺からも近い。ゆえに、八坂神社や祇園も徒歩圏内であり、京都外資系ホテルとしては祇園からのアクセスの良さは一番良い。

しかし、正直これといったウリがないのです。

最大のウリは、写真にある「BARから五重塔や夜景が見えるよ」という程度のものであり、京都の夜景といえば近隣のHOTEL SEIRYUのK36のルーフトップバーに勝るものはありません。しかもあちらの方が宿泊料は安いし、宿泊しなくても行ける。

かといって、特段弱点もありません。アマン京都のように、立地が中心部から遠すぎる。ということもありません。

景色のスペシャル感がないだけであり、ハードスペックは他外資系ホテルと大差ないでしょう。

祇園から近い。という程度のアドバンテージで選ばれるようになるとは思えませんね。

フォーシーズンズホテル京都

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HPより引用

2016年10月開業。5周年ですね。2回泊まりました。

パークハイアットよりは景色に特徴ありますね。平安時代末期の庭園遺構「積翠園(しゃくすいえん)」を受け継ぐ日本庭園を取り込んでいる。とのこと。たしかに、ラウンジから眺める庭園は癒されました。

そのラウンジを2階から見下ろす風景がすごく開放感があって好きだったのですが、その写真は公式にも一休にもないですねw 

ジムもあるし、プールもある。この辺は外資系の安定感。部屋はなんとなくですが、フォーシーズンズ大手町より誂のグレードが高い気がしました。定価はさほど変わらないはずですが。

立地は七条にあり、リッツやパークハイアットと比べると中心部から遠いですが、京都駅からは近い。すぐ駅に向かって帰りたい際には便利。

価格は一休で見る限りは、リッツより最低価格が1万円程度安いです。ハイシーズンじゃなければ、今なら一休ダイヤモンドだと朝食付き2名6.6万円程度で泊まれるので、その価格ならばクオリティに対して割安に感じます。やはり、ここでも立地で差がついている気がしますね。

パークハイアットと二択なら、私はフォーシーズンズを取ります。パークハイアットはなぜか今一休で予約受け付けてませんが、フォーシーズンズよりは明らかに高いにもか関わらず、ウリが特にない。

外資系ホテル、というとこの程度でしょうか。

全体的に、ジムとプールはきっちり付いている。という点と、ハードもソフトもクオリティが一貫してる(チェーンだから当然と言えば当然)という点が、良い点ですね。安心感あります。

▶︎3.その他:8選

ディスティネーション、外資系、という括りに入らなかったけど、ピックアップすべきホテルをご紹介。

THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田

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筆者撮影

2021年3月開業。軽井沢のホテルの中では最上級か。しかし立地は軽井沢ではなく、あくまで御代田であり、軽井沢駅からは遠い。

軽井沢といえば夏の避暑地であり、夏と平時では宿泊価格が2倍以上異なるようだ。夏以外に行く価値を軽井沢には感じず、せいぜい5〜9月までだろう。

ひらまつといえばレストランもあることから、食事が期待できるというのが一般論だが、結論としてはさほど美味しいとも思わなかった。他レストランと比べて相対的に多少は美味しいかなくらいであり、食事目当てで泊まる価値はないと思う。唯一良かったのは、牛乳アイス。これはおかわりするほどに美味であった。

良い部屋だと温泉っぽい室内の仕様もあるが、ハード面ではジムやスパもなく、お土産屋も特にない。本当に、夏に避暑にくるくらいしか、意義を感じなかった。

軽井沢でいうと、私は万平ホテルが好きで、歴史ある風合いや、ビーフカレー。軽井沢駅から頑張れば歩ける。旧軽井沢銀座も散歩できる。そういう点が好きである。星のやに関しては酷評を後述。

ひらまつグループは他に賢島、京都、宜野湾などにあるが、取り立てて訪れる価値があるようには感じない。いずれの立地も、ひらまつより良いホテルはある。よほどの機会がない限りは訪れないだろう。

HOTEL THE MITSUI KYOTO

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HPより引用

2020年11月開業。三井の最上級ホテルということで、このシリーズは京都以外にはありません。立地は二条城近くということで、祇園からは遠いですが、四条や丸太町からは近めなので、ディナーはその辺のエリアで良いかなと。

価格は私はオープン直後の11月というハイシーズンに行ったので高く感じましたが、今は最安値6万円台ということで、6万円台と考えると妥当なクオリティと感じます。

室内や共用部のインテリアセンスが結構好きでしたが、やや重厚感に欠けるのも事実。サーマルスプリングが自慢のようですが、このサーマルスプリングも、あくまで訪れた時ですが、大衆浴場をアップグレードした感が強く、アマネムのサーマルスプリングの差は雲泥と感じます。

言い方が非常に厳しいですが、三井感と言いますか。パークコート感と言いますか。三井住友銀行とゴールドマンサックスにはやはり差がありますよね感と言いますか。外資系との差を感じますね。

ジムのしょぼさとかに、如実に表れていますね。

スイートルームは二条城ビューだそうで、二条城ビューを楽しみたい方はどうぞという感じ。

HOTEL THE SEIRYU(京都清水)

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HPより引用

2020年3月開業。廃校を改装してホテルにしたという点がユニーク。外資系でもなければ、三井のような大資本でもなく、NTT都市開発とプリンスのタッグ。

プールやジムはないですが、4万円台で宿泊でき、部屋もそれ相応のクオリティであることを考えると、初夏〜初秋ならば祇園でご飯を食べて、二軒目にここのK36という京都の夜景を一望できるBARという手はとても良い。K36だけで、泊まる価値ありと言えます。

ホテルステイをチェックイン15時からチェックアウト12時まで存分に楽しむつもりがなく、あくまで京都観光の宿泊地。として最低限の機能を求めるのであれば、立地も清水五条ですし、オークラやウェスティン的なビジネスホテル感もなく、清潔なベッドと部屋で休めるので、リピートの選択肢にも入るホテルです。

滞在時間が短ければ、ジムもSPAも必要なく、その分のコストが宿泊費に含まれるのは納得いかないと思いませんか?(私がケチすぎるだけ?w)

ホテルに何を求めるか?を考えた上で、ホテルを選択することの大切さを、書きながら改めて感じました。

ウザテラス/ブセナテラス(沖縄)

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HPより引用

ブセナは1997年、ウザは2016年開業。系列なのでまとめました。ザ・テラスクラブ アット ブセナなどもありますが、私が行ったことあるのはブセナテラスとウザテラスのみ。

ブセナは400部屋あることから、大衆向けから部屋にプール付きのコテージまで幅広くあります。ウザは48部屋ですが、基本全部屋プール付きなはずで、ラグジュアリーラインと言えます。

沖縄のホテルといえば、ウリはプールと海!以上です。食事は期待しない方が良い。初めて訪れたのは20代の頃でしたが、「プール付きの部屋とか、すごい!」と庶民感覚で驚いた記憶がありますね。

ウザテラスの方が部屋数が少ないがゆえに人が少ないので、敷地内のプールとかも人が少なく、快適に過ごしやすい印象。

沖縄はシーズンでかなり価格変動がありますが、ウザテラスでも1BEDルームなら15万円未満(朝夕食付き)で泊まれるシーズンもあるので、他の同価格帯と比べると、今現在はお得感あるかもしれません。

シギラ・ミラージュ(宮古島)

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筆者撮影

2019年7月開業。

海が沖縄より美しいといわれる宮古島。宮古島の利点は、空港からこのシギラ系のホテル群が車で15分程度と、那覇空港と沖縄のホテルが大抵1時間以上かかることから、飛行機の所要時間は若干長いものの、アクセスは悪くない。

宮古島ではシギラ系が強く、グレードの高い順に「ザ・シギラ」「シギラ・ミラージュ」「アラマンダ」の3つがあり、グレードの高い順に海から近い。

しかし、ミラージュは2019年7月開業の割には、共用部が15 年前くらいの雰囲気である。室内自体は悪くはないが、ハードのグレードは外資系より全然劣るし、外観のピンクの壁はなんともいえぬチープさが漂う。

シギラの最大の特徴は、免許証を携帯しないと運転できない?らしいゴーカート的な乗り物で移動して、ビーチやプールにお出かけできる点。宮古島の海は、たしかに噂通り非常に綺麗。ミラージュ自体のしょぼさには目を瞑って、この海だけを楽しむ価値はあると言える。

ザ・シギラの方がグレードが高いのでしょぼさが緩和されそうだが、部屋数は少ない。宮古島だとイラフSUIが2018年11月に開業。白い内装でインスタ映えスポット的な感じだが、宿泊経験者に聞くと、見掛け倒しのしょぼさ感は否めなかったそうだ。

宮古島はいっそ、グレードを落としてアラマンダに安めに泊まって、ホテルに期待せず、ビーチをエンジョイするのが最適解なのかもしれない。ちなみに私は熱射病にかかったので、夏は暑さに要注意。

アルカナイズ(伊豆)

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HPより引用

2007年開業。オーベルジュということで、フレンチがそれなりに美味しかった気がします(しつこいようですが、あくまでホテル食の中での相対的なものであり、食べログシルバークラス以上のフレンチの方が美味しい)

訪れたのはかなり昔ですが、客室露天風呂がセクシーだった記憶。部屋自体は結構年季を感じてしまいましたが、客室露天風呂のセクシーさは、同じ修善寺エリアならあさばよりアルカナイズが上です。セクシーな展開を楽しみたい時に、そのどちらかで悩むなら、アルカナイズが良いかも。

乳頭温泉・鶴の湯(秋田)

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HPより引用

1700年前後開業。ここで一気に系統が変わりますが、白濁なお湯で有名であり、ブルータス掲載率が異様に高いと感じる秋田・田沢湖付近の旅館。白濁湯の写真が映える場合があり、雑誌に重宝されるのか。田沢湖からバスで移動ですが、途中、携帯の電波がなくなる恐ろしさを体験w

なんか不思議と印象に残っています。1人1泊1万円前後で泊まれますが、秋田のきりたんぽ鍋とかも素朴な味わいで、これはこれで風情がある旅で良いなと。むしろ、下手な外資系ホテルとかより、よほど非日常感があり、雪化粧の温泉は格別の良さがあります。

里山十帖(越後湯沢)

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HPから引用

2014年開業。こちらも雑誌掲載率が異様に高く、雑誌「自遊人」がプロデュース。里山十帖を皮切りに、松本本箱など、信州エリアにいくつか展開。雑誌社プロデュースなだけあり、企画力がある印象。ただの不便な土地でも「秘境」というマジックワードで魅力的に魅せる術をうまく活かしている。

地産地消的なコンセプトで、食事は全て?かほとんど?新潟産の素材。お米はやはり美味しい。ホテル食にシビアな私でも、下手なものより、こういう方が全然良いと感じます。トータルで美味しいかは別ですが、新潟の米が美味いだけで十分。

こちらも越後湯沢という立地上、冬の雪景色での露天風呂が良かったですね。ブックライブラリーで何かの本を読み耽った記憶もあります。ホテルのブックライブラリーは、大抵はインテリアとして映える本ばかり置いてあり、実際に読みたいと思える本はほぼありません。ここはそうではなく、あくまで読むに際して興味を持てる本を揃えていた印象。

HPのアクセスを見ると「東京からだと伊豆より早い!?」と謳っており、伊豆を競合視していると伺えます。ユーザー視点だと厳密には、冬は越後湯沢、初夏は伊豆に軍配が上がり、他の季節はイーブンな気がします。

雑誌露出がかなり多いので、無意識に期待値が上がり過ぎてしまう場合もありますが、期待値を上げすぎなければ、悪くない旅館です。1人で食事付き4万円程度で十分満足でした。2021年7月にはスイート的な別棟、「THE HOUSE」が出来たそうです。1泊4名まで16万円。

▶︎4.唯一無二の家感:俵屋旅館

2021/1/2追記

初稿では「今後訪れたい」と記載しましたが、12月に訪れたので別途レビュー書きました。一言で言うと「別宅的といえるほど実家感がある」という居心地であり、非日常の追求と真逆にあると感じたのが俵屋旅館でした。

▶︎5.今後訪れたいホテル旅館:3選

ここからはレビューではなく、未訪問のホテル旅館の紹介を。

坐忘林(ニセコ)

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HPから引用

2015年6月開業。道産子なのに、いやそれゆえか、ニセコに実は行ったことがありません。ニセコで一番評判が良いのがこちら。最近できたリッツでもパークハイアットでもなく、こちらに泊まってみたいですね。名前の響きも惹かれます。

私はスキーをしないのでニセコの優先順位がどうしても下がるのですが、スキーする人にとってはニセコはパラダイスと聞きますね。今後アマンもできますし、土地の上昇率も異様。軽井沢の地位を代替する存在ともいわれており、ニセコという街自体を体験することには意味がありそうです。

あらや滔々庵(加賀温泉)

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HPより引用

創業800年。こちらは、北大路魯山人ゆかりの地であり、魯山人の器を楽しめるとのこと。冬は蟹コースがあり、旅館の食事はホテルよりは期待できるとはいえ、金沢であればやはり片折やめくみには敵わないだろうと思いつつ、予約困難店ほどではなくても、それなりに蟹が美味しいことを期待したい。

加賀温泉といえば、昭和3年創業で私の好きなデザイナーである原研哉氏が携わるべにや無何有にも泊まってみたいが、友人が「暖房が弱く寒い」といっていたので、まずはあらや滔々庵からw

2021/1/2追記:壱岐リトリート 海里村上

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HPから引用

最近調べていて辿り着いたのですが、「リトリート系」は瀬戸内リトリート青凪も含めて、okcsというリゾートホテルブランドを提供する会社が運営しているようです。

壱岐リトリート 海里村上は2020年3月に「リニューアルオープン」したらしく、最近はホテル旅館の雑誌でも掲載を見かけるようになりました。

壱岐は長崎の離島ですが、福岡港から早い船だと1時間で行けて、海の幸が豊富とのこと。中でも、夏は赤ウニがあり、赤ウニが食べられる季節(6-9月くらいかな)に伺いたいなと思いました。

アクティビティも豊富にあるようです。リトリートシリーズ、センス良さそうなので気になりますね。


行きたいのはこの3つだが、他に本記事で触れてない有名どころの紹介をいくつか。

国内で一番高い宿は実は車中泊である。TRAIN SUITE四季島という3泊4日の列車ツアー。最安でも80万円程度。九州にもこの手の列車ツアーはある。

2泊3日だと尾道のベラビスタが手がけるクルージングのガンツウ。こちらは2泊3日最安で80万円程度から。ガンツウはかなり興味があったが、ベラビスタと同程度の食事クオリティではないだろうか?と想像すると、ガン萎えしてきたので、行きたい意欲がなくなったw ガンツウの食事は全然めっちゃ美味しい!という意見があれば是非聞かせてください。

鹿児島の天空の森も有名。こちらは一番良い部屋(といっても3部屋しかない)で1泊食事付き50万円。天空の森は、ぶっちゃけ経験者でも賛否両論意見が分かれ、どちらかというと高価格にも関わらず設備のしょぼさなどで否定的な意見を聞く。しかし、「ドレスコードは裸」という森との一体感は唯一無二であり、ディスティネーション・ホテルであることに間違いはない。一部のコアなファンは確実にいるだろう。

沖縄では、ハレクラニに泊まっていないが、個人的には特に興味がない。クリフヴィラという一番大きな部屋に泊まりたいというインスタ女子が多いようだ。

あとは、ふふグループに泊まったことないのですが、「スモールラグジュアリー」をコンセプトとしていますが、雑誌などを見た限りでは特に際立つ特徴もなく、魅力に欠ける印象です。熱海、河口湖、日光、京都などにありますが、同エリアに強力な他ホテルがあるケースが多いですね。

変わりどころとしては最近知りましたが、長野のZenagiも気になりますね。1日1組限定。森や川でのアクティビティが豊富そう。名古屋から電車で1時間の南木曽駅から車で10分とのことで、竹ふえよりは全然マシなロケーションですね。

▶︎5.アンチ星のやについて

一番最後に、星のやについて述べておきます。

私は、軽井沢、大手町、沖縄に泊まったことがあり、京都、竹富島に泊まったことはありません。

結論、星のやはその価格に対して、相応のハード・ソフトスペックを擁しているとは言えず、広告費をかけまくって、ラグジュアリーホテル初心者層を焼畑農業のように開拓している印象を持っています。

スペックに対しての割高な宿泊価格は、ユーザーが広告費を負担しているからです。映え写真を何度も見せられると、「いいかも...」と思ってうっかりコンバージョンしてしまうと、全然割りに合わないじゃないか!という体験が待っています。食事は例外なく美味しくないです。可もなく不可もなく。ではありません。美味しくないです。

沖縄はプールだけは良かったです。軽井沢は写真の映えに対して、室内の老朽化などボロさが目立ちます。大手町の部屋は価格の割に狭い。

星のや系は、全力でオススメしません。

まとめ

高級ホテル旅館巡りは、レストランと比較して安くない投資です。交通費も合わせると、2名1泊で20〜30万円程度かかる場合が多いでしょう。場合によっては、50万円前後になることも。

ゆえに、デューデリした上で、意思決定できると、納得感のある旅行になりやすいかと思いますので、その一助になれればと思い、執筆してみました。

最後に、ここに記載したホテル全てではないですが、13宿について、数値化して総合点が高い順に一覧表を置いておきます。

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レビューの基準としては下記の通り。

S=スペシャリティを感じる、4点
A=良い、2点
B=可もなく不可もなく、1点
C=懸念点、マイナス1点
D=大いなる懸念点、マイナス2点

バランスの良さと総合点は比例しやすく、個人的にはリッツ京都やアマン京都はリピートしない理由がないです。そのうちリピートする機会があるでしょう。あさばも、大きな欠点がなく、全体的な満足度は高い。

一方で、ディスティネーション系は多くはアクセスが悪いことが多く、アクセスの悪さを2億円貸切風呂とか、絶景スイートルームとか、海が綺麗とか。アクセスの悪さが気にならず、スペシャリティを追求したい派なら、竹ふえやリトリート青凪は全然リピートしていくと思います。

私は未訪問ですが、鹿児島の天空の森は、空港から車で25分程度なので、スペシャル感がある割には、アクセスが悪くないという点で、一部の人に刺さっている可能性があります。

多くのホテルに実際に泊まってみると「アクセスの悪さ」を「スペシャリティの追求」で相殺している。言い換えると、アクセスが悪い立地は、特別なものがないとお客さんが来ない。立地さえ良ければ、平均点以上のものを出せば、それなりにリピートされる。という感じ。不動産業の基本といった感じ。

感性的な観点からは、スペシャリティがあるホテル旅館に泊まる方が、「なるほど!」という発見があり、自身のアイディアの引き出しの一つになりますね。なので、アクセスが悪くとも、気になるホテル旅館は一度は行ってみるべし。というのが私の持論です。

以上です。

他にこんなホテル旅館おすすめですよ!というのがあれば、コメントやTwitterでぜひ教えてくださいね^^

補足:普段noteで書いてる記事

この記事は普段私のフォロワーではない方も多数見る可能性がありますので、こんなマガジンや記事を書いてますよというのを貼っておきますので、ご参考までに。株式投資、スタートアップ関連のマガジンが本業です。


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