資金調達はベンチャーゲーム会社にとっては難しすぎるのか!?①-ベンチャーゲーム会社の資本政策事情
イザナギゲームズ の累計調達額7億9860万円
イザナギゲームズ は、2022年1月の本ラウンドによりビリビリ・コロプラ・アカツキから4億2980万円の出資を受けて、累計資金調達額が7億9860万円になりました。また、イザナギゲームズ はnetease、Makers fundからも出資を受けているので国内外のファンドや事業会社から出資を受けている日本のゲームベンチャーということになります。
資金調達は手段であり大事なのはヒットさせること
エンタメ・ゲーム会社にとっては、面白いゲーム・面白いエンタメを創りヒットさせることこそに意味があると思っていますし、それ以外は全て方法・手段だと思っています。(資金調達とかいっぱしの会社みたいな事言ってないで面白いもの作れよ!って言う人の気持ちもなんとなく分かります。)ヒット作品を出すことこそがエンタメ企業にとっては目指すべきところですし、お金をいくら集めてもヒット作が出せないままではもちろんジリ貧になっていきます。
ただ、プロジェクトの資金がなければ作品を創り出すことができません。(当たり前なことですが・・・。)そして市場に自分たちの作品を出すことがヒット作を生み出すためにまず大事なことです。
打席に立ちフルスイングをするということは、そこまででもかなり大変なことなんですよね。そして、フルスイングしてアウトになり、それでも、もう一度打席に立ち、懲りもせずフルスイングするのもまた大変なことですがそれを繰り返していくことが大事だと私は思っています。
ちょっといろいろ言いましたが・・・・・、
パブリッシャーのプロデューサーはヒットを生み出す打席に立つために、企画、座組み、お金を揃えないといけないのです。
イザナギゲームズはパブリッシャー
ゲーム会社には、大きく主体として出版・販売をしていくパブリッシャーと開発をメインで受託していくデベロッパーがあります。ベンチャーゲーム会社としては、まずはデベロッパーとなりパブリッシャーから開発受託したり、コラボレーションをしながら資金と開発力を培い徐々に自社のパブリッシングを増やしたり、協業における自己負担金額を増やし売れた時の収益配分を増やしていくというのは一つ比較的着実な方法としてありますし、それができている会社は素晴らしいと思います。
一方、イザナギゲームズ は資金調達をしながら、クリエイターやデベロッパーとチームを組んで開発したゲームを全世界に向けてパブリッシングするというベンチャーゲーム会社にはハードルが高いことに挑戦してきましたが、この記事のタイトルにもなっているゲーム会社にとって資金調達が難しい理由を個人的経験も踏まえてまず考えてみました。
ベンチャーゲーム会社の資金調達が難しい理由
・ボラティリティが高い
ゲーム、エンタメ事業は他の事業と比べて、かなりボラティリティ(収益変動性)の高い事業です。ヒットをすると大幅な利益が出ますが、その確率というのは他の事業に比べて一般的にはかなり低いです。そして、かなりひどい結果の時も普通にあります。
・膨大な開発コスト
ゲーム開発は、もちろん規模によりますが3年〜5年の開発期間がかかり、開発予算は2億〜50億、海外のAAA作品では100億円以上の開発コストをかけるものもめずらしく無くなってきております。
・ヒットするかどうか説明しづらい
エンタメにおいて100発100中でヒットするということはないです。そして、ヒットの理由はなかなか説明しづらいし、ヒットしたものを真似してもヒットにはなりづらいです。にもかかわらず、例えば金融機関などだと、これから作るプロジェクトがヒットする理由を一般的な事業と同じ方法論で考えられたり、説明を求められることがあります。
・変化が激しい
コンシューマープラットフォームは新たなゲーム機を開発しつづけますし、VRのような新しい技術に基づくマーケットが生またり、ミドルウェアの進歩により今まで難しかったことが比較的簡単になったりということも、物凄いスピードで起こります。また大袈裟ではなく法律の変化など国による規制が入ることすら普通にあります。
ざっと考えてもいろいろあるんですが、一般的なゲームベンチャーとして資金調達をするのはなかなかハードルが高いと言えます。ただ、ゲームベンチャーとして資本による資金調達に成功している企業もあります。
資本による資金調達に成功しているゲームベンチャー企業例
1) メタバース(VR)、ブロックチェーン (NFT)などの新規技術をベースにした新たなマーケットが生まれるところにいるゲーム企業
イザナギゲームズ ともディスクロニアという新しいゲームプロジェクトで業務提携し共同開発・パブリッシュを進めているMyDearestさん。(累計調達金額12億円)
MyDearestさんは、VRにおけるストーリー性の高いゲームを作ると言うところで強みがあり、東京クロノス、アルトデウス というゲームで実績も積んでいます。アルトデウス は、ファミ通・電撃ゲームアワード2020のアドベンチャー部門で最優秀賞を獲得しています。
2)ゲーム開発において既に大きな実績があるクリエイターが独立したゲーム企業
『GRAVITY DAZE』の外山圭一郎氏らによる新会社Bokeh Game Studioさんや
『龍が如く』シリーズや『ジャッジアイズ』シリーズを生みだした名越稔洋氏らによる名越スタジオさん
などが資本を設立当初から集めることに成功しています。
では、イザナギゲームズ はそのどちらにあてはまるかというと
イザナギゲームズ は上記の資金調達に成功しているゲームベンチャー企業例に当てはまらない
のです・・・・!
ですので、有名クリエイターとして既に成功実績がなくても、VR、ブロックチェーンなどの新規技術領域のゲーム分野に軸をおかなくても、なんとかやる方法はあります・・・そう、あるんです!
(ただ、メタバースやブロックチェーン という新しいマーケットがこれから生まれていく領域にチャレンジすることはベンチャーの醍醐味でもありますし、ベンチャーとして早くその領域に強みを持つことは大きく企業の価値を上げることにつながるチャンスになりますので、やらないのは単純にもったいないと思います。イザナギゲームズ としても一気にアクセルを踏む可能性はあります。)
イザナギゲームズ = オリジナルIPを創り出すゲーム会社
では、
イザナギゲームズ は何を評価してもらっているのか?
それは、会社として新規IPを自社もしくはパートナー企業とともに創り出すゲーム会社としてやっているところであると言えます。
ダンガンロンパの小高和剛氏やゼロエスケープシリーズの打越鋼太郎氏のToo Kyo Gamesさんとのコラボレーション作品であるワールズエンドクラブやデスカムトゥルー
賭ケグルイの河本ほむらさんが原作、武野光さんがシナリオを担当、そしてシューティングパートをグレフさんが開発する冤罪執行遊戯ユルキル
イザナギゲームズ では、他にも複数のプロジェクトを進めています。
独特な世界観のIPを生み出し続けことがイザナギゲームズの大きな強みがあると言えます。
エクイティ以外の資金調達とプロジェクトのリスク・コストのコントロール
一つのゲームプロジェクトに対して大きな資金が必要にもかかわらず、イザナギゲームズはなぜ自社プロジェクトを立ち上げてリリースすることができているのか?
その理由は、
エクイティ以外の資金調達とプロジェクトごとのリスク・コスト&リターンのコントロールの戦略
です。
ちなみにエクイティ以外の資金調達が銀行借入だと普通すぎるし、ゲーム会社の信用でかつまだ実績がないと大した金額が借りられなかったりもしますので「銀行借入です(キリッ!)」とドヤ顔で言うつもりはありませんw
ではエクイティ以外の資金調達って言うのは何かというと
一つ大きいのは・・・・プロジェクトファイナンスです。
エクイティファイナンスとプロジェクトファイナンス
エクイティ以外の資金調達でここ数年でゲームプロジェクトにおいても可能になってきたのがプロジェクトファイナンスです。
ゲームプロジェクトに対してプロジェクトファイナンスをしているファンドとしてKowloon Nightsなどがあります。
今回の記事ではここまで
ちょっと長くなってきたので今回の記事ではここまでとします。
プロジェクトファイナンスとプロジェクトごとのリスク・コスト&リターンのコントロールの戦略についてはまた別の記事で詳しく書いていきます。
なのでこの辺りのことにご興味ある方はフォローしておいてもらえると幸いです!カジュアルな内容の記事も書いていくと思います。イザナギゲームズ では色々な取り組みをいろいろな社員や会社さんと進めていますので、そのあたりいろいろお伝えしていこうかと!
イザナギゲームズ では大規模人材募集中です!
ということで
イザナギゲームズ は今回の資金調達もあり、自社での開発チームの強化をしております。複数のポジションで一緒に新規のIPを作っていく仲間を募集しております。
一緒に面白いものを作って、世界中の人に楽しんでもらいませんか?
情熱がある人にチャンスがあるゲーム会社です!コンシューマーゲームにチャレンジしたい方も是非ご応募ください。
ご興味ある方には、結構、梅田がカジュアルにZOOMでお話伺ってます。(全員ではないですが・・・。)
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