23卒、入社直前に内定辞退

2023年2月末、今月最後の出勤日だった。あることでずっと頭を悩まし続けて、ここ一週間ずっとお腹が痛い。この日は午後からの出勤で、到着したらみんなオフィスで休憩をしていた。近くにいた人に挨拶して、すぐさま社長を見つける。おはよう!とあちらからいつもの元気な挨拶が奥の方から聞こえた。「おはようございます」と返し、私は荷物を置きながらずっと社長を目で追いかけ、話しかけるタイミングを待っていた。

勇気を振り絞って声を掛ける。「今日仕事のあとお時間ありますか?」と聞くと、「このあと出ちゃうから今ならあるよ?」と返ってきた。まずい。仕事終わりに話す予定だったのに、今から話す心の準備をしていない。明日に話を持ち越すメンタルを持ち合わせていなかったので、そのまま来客室に社長と入った。すぐ隣の部屋にはみんながいつも通り仕事をしている。私はみんなには聞こえないような声で話し始めた。「あの、結論からは話すと、内定を辞退しようと思っています。」誠心誠意の気持ちで目だけはそらさないように、ただこの緊迫した空気で涙を流さないようにだけこらえた。え、困るよ!?と社長は目を丸くして言った。本当にその通りだ。あと一か月で新年度、前に私が入社する前提で仕事を進めているとも耳にしていた。本当に心が痛い。理由は?なんか嫌だったかな?事前に誤解を生まずに説明できるように準備していた文章の記憶を辿りながら話す。ここの職場環境も事業も本当に素敵だと思っています。でもクリエイターになりたくて。自分の意志で人生の選択をしたのはこれが何回目なんだろう。今まで流されて生きてきたからこそ、今自分のしている事を客観的に見て心臓がバクバクしている。いつも目立たないように普通のふりをしているけど、入社直前に内定を辞退してクリエイターになるやつなんて普通じゃない。

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