ティモレオン・ヴィエッタ ダン・ローズ 訳:金原瑞人 石田文子
オススメ度:⭐️⭐️⭐️ ※4星評価
3星の理由:ティモレオンを思うと、4星はつけられません(-。-;
物語
ティモレオン・ヴィエッタは犬の中で最高の種、雑種犬だ。少女の瞳のように愛らしい目をしている。初老の飼い主と暮らしていたが、ボスニア人を名乗る不審な男があらわれ、街角に捨てられてしまう。
世界中で繰り広げられる残酷で不条理な愛の物語を横切りながら、ティモレオンはひたむきに家路を急ぐ…。
読まない方がいいかもしれない方
・大の犬好き!ペットを家族として大切にしている方。
・世の中には救いがあり、不条理なことばかりじゃないはず、と信じている方。
・感情移入するキャラクターがないとダメな方。
これらはこの一冊と対極にあります。
赤線ポイント
ティモレオン・ヴィエッタは犬の中で最高の種、雑種犬だ。 書き出し文章
雑種犬。これがこの物語を暗示してます!
読後感
もやもや感が残るなぁ。
笑えたり、幸せな気分にはなれないのに読み進めてしまう。どこかでは救いがあるでしょって。
でも、著者はことごとく読み手の甘い期待を裏切る。
著者は最初に警告しているのを見落とした僕が悪いんだ。
…犬は人間に飼われ、
人間は運命にむち打たれる。
小説の全編を貫いているのは、生と死の不条理、残酷な現実、愛の欺瞞だ。
つまるところ人間のエゴを純粋に冷徹に叩きつけてくる。
人間て、そんな綺麗なもんじゃないでしょ。ウソはやめよろよ、と頭をハンマーでかち割ろうとする。
だから読み終ったあと、僕は身体中の空気を入れ替えるように息をして、自分をとりもどそうとした。
たぶん読んだあと、そうしたくなります。(゚∀゚)
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