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火星に住むつもりかい? 伊坂幸太郎 光文社

オススメ度:⭐️⭐️⭐️ ※4星が満点

3星の理由:個人的に同著者のゴールデンスランバーと比較してしまうから。ただ、本書最後の、ぼくのりりっくのぼうよみさんの解説は好き。

ストーリー

相互監視と密告。「平和警察」によりとつぜん危険人物になり公開処刑にかけられる。追いつめられる人々。

そこに現れた全身黒ずくめのヒーロー。謎の武器を操り平和警察に挑む。

なぜ彼は戦うのか?この世界に救いはあるのか?

逃避し、火星に住むしかないのか?

こんな気持ちになったときは読み応えあり

相互監視社会ってなにやら危険かも、でもテロとか巨大な悪を倒すためなら仕方ない!正義のためだ、と思ったら読んで欲しい。

その先の未来はもしかすると不快感や閉塞感が蔓延する未来になるかもしれない。

それを予感させてくれる読後感です。

赤線ポイント

組織の方針を変えさせたいなら、ボスを挿げ替えればいい。

ただ、何がどう変わろうと、別に、世の中が正しい状態になるわけじゃない。 

という会話があり、赤線ポイントに続く。

「どうすることもできないよ。振り子の揺れを真ん中で止めることはできないから。大事なのは、行ったり来たりのバランスだよ。(以下省略)」p491

無力感や敗北感が襲う場面。でもしばらくすると、だから多様性が必要で、絶対はない分、自分という個人が主体性を持つという希望に辿り着く。

コメント

正義が行きすぎると、正義でなくなる。そのときにはまた新たな正義が叫ばれ、正義と正義が衝突する。そんな構図を表現したんだろうなぁ。

それにしても最後の ぼくのりりっくのぼうよみさんの解説いいなぁ…名前長いよ( ̄◇ ̄;)

ぼくのりりっくぼうよみ さん

正直、誰なのか知らなかったので調べてみたら、バカくそカッコイイ音楽やった。すみません。




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