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【代替食品業界必見】世界一周出張を終えて振り返る「欧米と日本」のギャップ

こんにちは!植物性卵を開発しているUMAMI UNITED JAPAN CEOの山﨑です。

前回の投稿からやや(かなり)日にちが経過してしまいましたが...UMAMI UNITEDの社内広報活動の一環として、NOTEの投稿を再開していきたいと思います!(月1~2回の更新頻度で続けていく予定なので、宜しければ、フォロー頂けますと幸いです!)

今回は1ヶ月程前のことになりますが、世界一周の提案行脚に行ってきて感じた「代替食品業界における欧米と日本のギャップ」というテーマで書いていきたいと思います。

ちなみに今回は日本を出発し、ドバイ経由で、イスラエル、ドイツ ベルリン/ハンブルグ、イギリス ロンドン、アメリカ カリフォルニアという経路で訪問してきました。文字通りの世界一周提案の旅になりましたが、今回は主に欧米圏との比較となりますので、その点はご了承頂けますと幸いです

CTOの大場とドバイの研究者達!朝7時から砂漠を背景に試作提案したのも中々オモロい記憶
イギリスからアメリカに移動する際に初めてグリーンランド上空を通過(めっちゃ雪山)

① ビアガーデンにも学校の食堂にも!マジでどこにでもある○○オプション

東京都内でカフェやスーパーでプラントベースやグルテンフリーのオプションを見つけると「お!ここもやっているんだ!」と驚くことの方が多いのですが、ドイツ・イギリス・アメリカでは、オプションがなかった時に「あ、ここはないんだ」と感じてしまうという、日本とは逆の現象が起きていました。

ドイツといえば1にビアガーデン、2にビアガーデンだと思いますが、ビアガーデンで欠かせないビールの相棒ことソーセージ。ソーセージもプラントベースオプションが用意されており、選べる世界の素晴らしさを再認識させられました。

食感は少し柔らかいものの、味、ジューシーは肉そのもの。美味しかったです。

驚くべきはスーパー。見てください、この陳列棚。これ、全てプラントベース商品ということに驚いたのは私だけでしょうか?

REWEというドイツのスーパーでのワンショット
創業当初からお世話になっているドイツ フードテックアクセラ ProVegのオフィスにて

また、大学食堂の様子も衝撃です。アメリカ カリファルニアにあるUCアーバインの食堂の様子ですが、ヴィーガンやグルテンフリー対応メニューは完全に溶け込んでおり、「Diversity&Inclusion(多様性の受け入れ)」の世界観が体現されていました。

一部抜粋ですがあたり一面こんな感じ

後に調べて分かったことですが、アメリカの大学/企業食堂を運営する大手ケータリング会社「Sodexo」では、2025年までにメニューの半分をプラントベースに切り替える方針を発表しています。少し引いて見てみると、大学や教育機関の取り組みということは、今後10年、20年先の社会・経済を担う人財に向けた取り組みということ。今後の世の中全体の流れに大きな影響を与える動きとも言えそうです。

② プラントベースは安い?スーパーチェーンの驚きの価格戦略

日本では「プラントベースって高いよね?」というイメージが先行しているのではないでしょうか?企業努力もあり、モスバーガーやバーガーキングでは、通常(肉使用)メニューと同一価格での提供価格となっていますが、「安い」というイメージはないはずです。ところが、ドイツのスーパーではそのまさか、「プラントベースの方が安い」という逆転現象が起きていました。

肉 - 1.99〜2.39ユーロ
代替肉 - 1.59ユーロ

それもそのはず、ドイツ 小売店大手LIDLでは、自社ブランドのプラントベースミートを肉よりも低価格で販売していく方針を発表しました

先に述べた通り、陳列棚におけるプラントベースの占有率といい、動物性製品に負けない価格戦略といい、「プラントベースの一般化」の動きが加速していることが伺えます。日本では、インバウンド対応やイベント・キャンペーンの一環としてのプラントベースであり、なかなか「特別食」の域を抜けきりません。悲しいかな(悔しいかな)欧米諸国と日本におけるプラントベースに対する認識と位置付けの差を痛感させられました。

③ 消費者には浸透しているが投資家は静観モード?

ここで消費者目線から投資家目線に視点を変えてみましょう。ドイツ、イギリス、サンフランシスコと、フードテック界隈の投資家とも話す機会を頂きましたが、総じて静観モードという印象でした。ビヨンド・ミート社の株価は2021年を皮切りに悪化の一途を辿っており、ピーク時から94%下落というニュースまででている状況です(話題のビヨンド・ミート(BYND)は買えるのか?ピーク時から94%も株価が下落!植物性代替肉は投資家の夢をかなえてくれるのか)。

ビヨンド・ミート社の株価推移

代替タンパク質のシンクタンク "Good Food Institute" 主催の「Good Food Conference」でも、プラントベースに比べて、培養技術や精密発酵技術に注目が集まっている状態でした。ビヨンド社がプラントベースの市場性(技術/マーケティング含む)を証明しきれなかったが故、一歩先の技術やアプローチに対して、投資家達の期待が集まっているように感じました。(こちらは私個人の所感です)

④ プラントベースの中でもクリーンを目指す動き

先のビヨンド・ミートの話にも繋がる話ですが、消費者の中でもプラントベース製品に対する意見が別れ、塩分や添加物の多さを疑問視する声が増えているように感じました。

そこで、消費者にとって馴染みがあり、かつ厳選された原材料を使用した製品開発を目指す動きが加速していました。数多あるプラントベースブランドとの差別化だけでなく、消費者に対するバリューアップ提案にもなる為、今後は欧米を中心に「クリーンラベル」の提案が加速していくと予想しています。

他社ブランドより原材料の少なさや栄養素の高さを訴える様子

⑤ 意外に代替卵は少ない?まだまだ隙間だらけで日本にも商機あり

最後に一つ希望のある話をして終わりたいと思います。欧米視察提案をしていて感じたこと。それは「代替卵市場がガラ空き過ぎる」という事実。既存プレーヤーはいるにはいるものの、技術的にはまだまだ発展途上の段階でした。加えて、リテール、フードサービス事業者からヒアリングしていても、代替肉・代替乳製品に対して、代替卵のプレーヤーが明らかに限られているということを再認識できました。これ以上は差し控えますが、どんな発展市場にも隙間は絶対にある、と感じた欧米視察提案でした。

最後になりますが、私たちの取り組みに興味を持って頂けた方・共感を頂けた方は、是非ともこのNOTEにいいね・シェアを頂けると嬉しいです!少しでも多くの方に情報を届けたく、ご協力頂けますと幸いです。また、メンバー募集の宣伝ですが、UMAMI UNITEDでは未来の食を共に創るメンバーを募集中です。こちらも併せてご覧くださいませ〜^^

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