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【モノクロ写真ドキュメンタリ 2021 東京】瓦解する夏

こんにちは。UMA(ゆま)です。note投稿7回目になりました。まだまだ不慣れ感がいっぱいですが、写真が多くても見てもらいやすいのかな?と思ったので、今回は写真多めでいってみます。よろしくお願いします。


「記録 東京 2021夏」

昨年の夏を覚えていますか? ついこの間のことのようにも、もう遠いことのようにも思える一年前。コロナ禍が始まってから時間の感覚がどこか変なのは私だけではないと思うのですが。

昨年の夏。それは、そのコロナが猛威をふるう中で、オリンピックが開催された夏でした。私が住む東京は、異様な雰囲気に包まれていました。解消されない不安と行き場のない怒りに押しつぶされそうになるなか、「バブル」に包まれて行われるオリンピックはあまりにも非現実的でした。

狂気じみた空気が渦を巻くのに自分自身も取り込まれるのを感じながら、私はカメラを持っているならば、今、撮っておかなければと思いました。そうせずにはいられませんでしたし、そうしないのは無責任だとさえ思いました。

こうして私は、第4次非常事態宣言が発出された7月12日からオリンピックが閉幕した8月8日までの東京を記録しました。

とはいえ、非常事態宣言が出ていましたし、のんきに撮るのもなんだか違うなと思ったので、自分でルールを決めました。

「1日1カ所、1時間、フィルム1本(16カット)」

この期間に撮った写真をまとめて、のちに「記録 東京 2021夏」という2分冊の写真集を作り、vol.1は「Amid Pandemic (パンデミックの最中で)」vol.2は「Unprecedented Olympics(異例のオリンピック)」というタイトルをつけました。今日はその中からご紹介します。

vol.1 Amid Pandemic (パンデミックの最中で)

新宿。第4回緊急事態宣言が発出されても、人出は変わらなかった。
大手町駅。大規模ワクチン接種会場に至る出口
渋谷スクランブル交差点
銀座
巣鴨の商店街には、子ども時代によく見た商品を売る店が並んでいた。店頭の「メリヤス」という言葉ひとつで。底面に近い記憶の引き出しが勢いよく開く。折しもJCII フォトサロンで開催されていた春日昌昭さんの作品展「東京・1964年」を拝見したところだったが、そこに写っていた50年前の光景がそのまま目の前に立ち現れたような錯覚に陥った。
深川、富岡八幡宮。疫病退散を祈願する巨大な絵馬
浅草。隅田川沿いで風にあたっていると、一人の女性が自転車であらわれた。その途端、まさにその途端、どこからともなく何十羽ものハトが凄まじい勢いで飛んできて、その後を追いかけはじめた。女性は自転車を降り、何かの容器を持って小さな茂みに入っていった。ハトに餌? 最初はそう思ったが、実は茂みのかげにはネコがいた。どうやら容器の中身はネコのごはんらしい。そして、おそらくは仕方なく始めたことなのだろうが、ネコがごはんを食べている間、その邪魔をしないように、ハトにもパンくずのようなものをやっているようだった。ネコのごはんが終わると、女性はまた自転車で去り、ハトもいなくなった。
新宿東口に登場した3Dネコ
新宿歌舞伎町
新大久保コリアンタウン。全品テイクアウトできるレストラン。外にメニューを貼り出している
新大久保。デリバリーの自転車が走り回っていた
新宿ゴールデン街。すべてが「密」
新宿。喫茶店の看板ネコ。お店の外のベンチで夕涼み中
原宿。東京あるいはこの世という迷宮


vol.2  Unprecedented Olympics(異例のオリンピック)

新国立競技場。中の様子はテレビやネットで知るのみ
オリンピック開幕の日を迎えても都庁前ではデモが行われていた
都庁前。オリンピック開幕日
開幕日のブルーインパルス飛行
国立競技場前の五輪モニュメント。写真を撮るのは1時間待ち
お台場の聖火台
都内はどこも厳しい交通規制が敷かれていた
普段と変わらない様子の秋葉原
池袋
フェンスで隔てられた選手村
日本橋に設置された五輪モニュメント
華やかな企業パビリオンやショップが立ち並び、さまざまなスポーツイベントが開かれるはずだった「ファンパーク」
八丁堀。ビル脇の小さな神社
雨の新宿。早朝

最後までご覧いただき、ありがとうございました。少しでも引っかかるところを感じていただければうれしいです。

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