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【イタリア旅日記12】旅の言葉:「みんな」ではなく「あなた」がハッピーであるように

2022年イタリアに旅して思ったことあれこれ 〈第12回〉

 イタリア滞在中、トレヴィーゾで行われたトークイベントでは、これまで撮ってきた写真のことや手製写真集を作ることについて、たくさん話せて本当によかった。誰もが「面白かった」という満足げな顔をしてくれていた。"Complimenti!" (素晴らしい)というあたたかい言葉が今でも耳に残っている。

 翌日、ミケーレが "Are you happy?" と聞く。だが、ここで「みんなが喜んでくれてよかった」と答えると、ミケーレは激しく怒り出した。

「みんなじゃなくて、君がハッピーかと聞いているんだ!」

 はっとした。

 いつのまにか、自分がハッピーであるかどうかさえ、他人を基準にするようになっている。

 気恥ずかしさや照れもあるだろう、遠慮もあるだろう。あるいは、自己犠牲の美学みたいなものも奥深くにはあるのかもしれない。

 でも、最近よく思うのは「機嫌がいい人っていいな」ということ。そういう人といると、自分も楽しくなってくる。「ご機嫌力」は偉大だ。

 自分がハッピーであることに、なんの迷いもなくていい。素直にハッピーになること。簡単そうで難しいのかもしれないけれど、時々思い返してみよう……!

 "Are you happy?" ミケーレはまだしつこく聞いてくる。 

「うん」と返事をすると、ミケーレは「本当に?」としつこい。「本当だよ、しつこいよ!」と言うと、ようやくミケーレは納得する。

 トークショーで、この旅をして、私は本当にハッピーだった。

*トップ画像はポー川の夕暮れです。


2022年11月にイタリアとドイツに旅をして時のことをnoteに書いてきました。誰かが読むかもしれない体で記録をつけるのは、自分のことを書くとはいっても、多少は客観的に自分を見ることができてとてもよかったと思います。どんなに印象的なこともすぐに忘れる「もの忘れ力」向上中のお年ごろ、noteっていいかも(笑)
読んでくださったみなさま、ありがとうございました!


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