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【US旅日記01】ロードアイランドで、紙を作る人、紙を作品にする人の展示に参加しました

こんにちは、UMA(ゆま)です。10月19日から22日までロードアイランド州プロビデンスで開催されたNorth American Hand Papermakers の年次総会に参加しました。名前のとおり、紙を手で作る人たち、それを作品にする人たちの集まり。やはり紙が好きな人はどこにでもいるのですね!

会場になったRISD (Rhode Island School of Design)の図書館。元は銀行だった建物。 

以下のページに、参加アーティストの作品が掲載されているので、ぜひ見てみてください。作りたいものを実現するために紙を選ぶのではなく、紙ありきで、紙を活かすために考えられた作品はとても面白いです。

私は、手漉き和紙を使ったアートブック2点を出展しました。1冊は「記憶の方舟」という、震災後の福島を撮った作品の中でも最も新しいシリーズ。オリジナルプリントを綴じたもので、福島県二本松市で作られる上川崎和紙に乳剤を塗ってプリントしたものを、自分で漉いた紙に重ねています。

オリジナルプリントコレクションブック「記憶の方舟」

(この本についてはこちらに詳しく書いています。よろしければどうぞ)

もう1冊は「木から紙ができるまで」という、文字通り、楮を育てることろから和紙ができるまでのプロセスを写真と文章で追った蛇腹本。紙は表紙、本文紙、ケースとも、私の紙漉きの師匠、本間千絵さんの手によるもの。表紙とケース裏に貼った葉っぱは、プランターに植えたトロロアオイ(根っこから紙を漉く時のネリを取ります)を間引きした時に間引かれちゃったコたち。かわいかったので、そのまま押葉にしていました。枝は冬に刈り取りを手伝わせてもらった楮の残り。なにげに取っておいたものが使えると地味にうれしい。

「木から紙ができるまで」

アメリカでも和紙に対する敬意に近い関心は非常に高く、"kozo" "tororo" "neri" という言葉が参加者の間からぽんぽん飛び出していました。紙のふちの耳や紙を乾かした時に残る松の板目なども目をひいたようです。完全性には興味はない、不完全性に美しさがある、という言葉が印象的でした。

そんなやりとりから次第に仲良くなる人も出てきて、カンファレンスの合間には地元のアーティストのスタジオに招いてもらったりもしました。あるスタジオは古い製糸工場を改装した中にありました。すっかり忘れていましたが、ロードアイランドは産業革命が始まった地。最近はこのように多くの工場が改装されて、アーティストが活動の拠点にしているそうです(それにしてもこの広さはうらやましい……)

製糸工場跡
かつての製糸工場内のアトリエ

久しぶりのアメリカで、緊張したり、失敗したりもありましたが、また何かを得た気はします。これから、アメリカ旅日記を少し続けたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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