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映画感想文「記憶にございません!」三谷幸喜監督

「記憶にございません!」三谷幸喜監督について

2019年9月公開。
監督・脚本は三谷幸喜。
フジテレビ開局60周年記念作品。
主演の中井貴一は、第43回日本アカデミー賞優秀主演男優賞、第44回報知映画賞主演男優賞、第62回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞。

中井貴一演じる架空の総理大臣である黒田啓介は、史上最悪となる内閣支持率の横暴なダメ総理だったのだが、一般人の投じた石が頭に当たり記憶喪失になる。
三谷作品らしく、次から次へと出てくるクセのあるキャラ達が記憶喪失の総理を巻き込んでいくコメディ。

「天気の子」と同じなのか、2019年が遠い昔に感じる。

この映画を観た理由

フジテレビ系列の土曜プレミアムにて地上波放送されたのを観た。
公開当初、劇場で1人で観に行った記憶があるが、もさほどおもしくなかった印象なので、正直別に観なくてもよかったのだが、なんとなく観た流れ。
でも再視聴で、違った印象があった。

ココに刺さった

劇場で観たときより、爽快感があった。

ということは、今の政治に不満があるのかもしれない。
「この映画くらい、今の政治家も潔く変わってくれよ」と、2019年より強く感じたのだろう。

具体的にどこに爽快感を感じたのかというと、かなり後半、総理が釈明会見をするシーンだったと思う。
強行採決ばかりでごめんなさいとかフィリピン・パブに行ってごめんなさいとかいう場面。
もちろん三谷的には、適当な笑いのシーンの一つという位置づけなんだろうが、「正直に伝える」ということが、特にコロナ禍において政治家達ができていないことだと思っていたため、刺さった。

ここ数年(というか大昔からかもしれないが)、「誤魔化して逃げる」「うやむやにして無かったことにする」ことが、政治家の常套手段として痛感してたため、作中の総理に対して「正直って好感持てるな」と強く反応してしまったのだろう。

ちなみに2019年公開当時、本物の総理は、森友問題に続き、桜を見る会問題が明るみに出てきた時期だったので、まあ酷いといえば酷い時期だったのだが。

この映画を観終えた後

社会人になってから知った言葉に「しがらみ」というのがある。
「格好だけのつきあい」とか「断れないつきあい」という意味と解釈しているのだが、当初、自分にはほぼ関係ないし使うことも実感することもないだろうと思っていたが、年を増すにしたがって「しがらみ」を感じることが増えている。
幸い自分自身にはまだ「しがらみ」で継続している事柄って無いのだが、特に自分より年上の人達のビジネスの世界は「しがらみ」で溢れているように感じる。

政治でもビジネスでも「しがらみ」だらけになってしまっていることが、日本の成長の足を引っ張っている一番の要因なのは間違いないだろう。
記憶を失くすまでもいかなくても、「しがらみ」をリセットする方法って何かないのだろうかね。


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