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1日125km歩いたら人生観が変わった話【富士山一周ウルトラウォーキング体験記】

富士山を歩いて一周するイベント「第6回 富士山一周ウルトラウォーキング」が、2022年6月11日〜12日に開催されました。これに参加してなんとか完歩できたので、そのときのことを記録に残しておければと筆を取りました。

富士山一周ウルトラウォーキングについて事前にネットを調べてもあまり情報が出てこなかったので、この記事が少しでも後続の方々の参考になったら嬉しいです。

コース概要

コースは単純。富士山を時計回りに一周する。日本一高い山は裾野も広いのでグルッと一周すると125kmになります。

※富士山一周ウルトラウォーキング公式マップより引用

スタートとゴールは同じ場所。富士宮駅から徒歩10分程度のところにある「神田川ふれあい広場」です。この広場は、富士山本宮浅間大社の一部にあるので、とても綺麗なロケーション。観光で来るのも良さそうな感じです。

神田川ふれあい広場をスタートしてから北上して、朝霧高原〜本栖湖〜河口湖〜山中湖〜須走口〜御殿場〜こどもの国〜ゴールという流れ。

スタートから朝霧高原までの30kmは延々とのぼり。終わりの見えないのぼりはメンタルがヤラれます。
そこから富士五湖の湖畔を東へ進んでいきますが、ここも基本はのぼりです。
クライマックスは山中湖の先にある籠坂峠。このコースの最高峰1104m地点です。

籠坂峠を越えると待望の下りがはじまり、一気に下界まで降りてきて須走の街中をひたすら歩きます。
第5エイドを超えてしばらくすると、ラスボスである富士サファリパークまでのキツいのぼりがやってきます。この辺りが100km地点です。

後はほとんど快適な下りになるので、ゴールまで25kmのウイニングランを堪能できます。

「富士山を一周する」とひとことで表現できるけれど、実際に歩くとかなり地獄なコースであることは、スタート直後にすぐ判明します。

2022年はスタートから6時間後に大雨が降りはじめ、翌朝まで続きました。
つまり、最初の30kmの長いのぼりが終わったところで、大雨に見舞われるというダブルパンチ。

さらに高地なので、夜間は10度前後まで気温が下がったところで雨で濡れることになり、寒さ地獄でもありました。

なので、この大会はウルトラウォーキングというよりは「登山」と考えて準備をすると良いかもしれません。

スタート〜指定コンビニ1 [0㎞〜11㎞]

9:00から10分ごとに3回に分かれてウェーブスタート。

最初はまだ周りにたくさん参加者がいて縦列行進って感じで進んでいきます。意外とペースは早く、5km/h以上は出ている感があります。

こういう大会はコスプレしている人が多いのかと思いきや、富士山のトンガリ帽子をかぶっている人以外はまっとうな格好のみなさんでした。

というか、かなりエキスパート感のある人たちで、ほぼリピーターで百戦錬磨の空気感を身にまとっていました。かの東京エクストリームウォークのお祭り感はまったくなく、全員戦闘体制という緊張感がみなぎっています。正直、最初はこの雰囲気に呑まれちゃっていました。

最初からハイペースで追い抜く人がいますが、最初から飛ばすと後から地獄を見るパターンがあるのであくまでマイペースが進むのが吉。

今回の大会では、速度ではなく心拍数ベースで歩く戦略を立て、快適に歩ける130〜140の範囲をキープすることにしました。

ところが、当日は気温が高く(26度)緩いのぼりが続くため、心拍数が140から下がらない展開になります。先月参加した東京エクストリームウォークのときも、最初の36kmは心拍数155で歩いていたけど問題なかったので、このまま進むことに。気温が下がれば心拍数も落ち着きます。

天気はどんより曇りで、まだ雨は降っていません。
最初の指定コンビニ内は参加者でごった返しているため敬遠して、駐車場で足の裏のメンテナンス。
左足の小指が痛み出したので、テーピングで補強。二重巻きにしたところ快適になりました。

指定コンビニ1〜田貫湖〜第1エイド(朝霧高原)[11㎞〜29km]

田貫湖では、ミネラルウォーターを補給してくれます。
しかし、ここはエイドだと思いきや、トイレがないので要注意!
水を入れてもらったらそのまま進みます。

第1エイドの朝霧高原の3km手前にコンビニがあったので立ち寄りました。

今度は左足の薬指が小指と接触して痛くなり、テーピングで補強。

コーラが飲みたくなったので500mlを買ってガッツリ飲む。ウマい!
あわせてプロテインバーを4本購入して行動食としました。
(そのうち1本は即喰い)

右手に牧場が見えてきます。牧草の緑が映えて開放感があり、牛が放牧されていてなかなかに楽しい空間にほっこり。

朝霧高原で長かったのぼり坂は終了(だと思った)
地図上では朝霧高原でのぼりは終わることになっていたけれど、実は本栖湖まで続きます。

エイドに到着した瞬間に雨が降り出し、一気に豪雨になりました。天気予報通り午後2時から雨になったわけです。

雨になることは天気予報でわかっていたので、防水を万全にしてきたこともあり、この段階では雨よりも30kmのダラダラ坂から解放されたことの方が嬉しかったんです。

・・・ところが、その後大きな落とし穴があったことに気付かされます。

第1エイド〜第2エイド(本栖湖駐車場)[29km〜35㎞]

天気予報で雨ということだったので、雨具とハット型の帽子(もち防水)を新調し、防水くつ下をはいて臨みました。これで雨の中でも快適にウォーキングを楽しめるはずでした。

ところが衝撃の事実が発覚します。

最初のうちは雨が降っても「楽勝、楽勝〜フフフ〜ン♪」と鼻歌混じりで歩いていましたが、なんとなく足が冷たくなってきた。

「あれ、どうしたんだろう? 防水くつ下だから水が入ってくるわけないのに」

ところが、違和感はとどまることを知らない。水がジワジワと水が侵入してきていました。

くつ下に穴が開いていた!

歩けば歩くほど水が入り、指たちがふやけてくるのがわかります。次第にかかとの方まで肌がフニャフニャに柔らかくなり、大きなマメができる前兆が。しばらくするとかかとがヒリヒリと痛み出します。

第2エイド〜第3エイド(ファミマ河口湖フォレストモール前店) [35㎞〜53km]

楽しみにしていた青木ヶ原樹海を通過します。先を急いでいたため、残念ながら本当に通過っていう感じであまり雰囲気を堪能することはありませんでした。

ここまでくると多少のアップダウンはあるけれど、ほぼ平坦になってきました。朝霧高原までの終わりのないのぼり坂から解放されたことをようやく実感できました。

土曜日の富士五湖は有名な観光地のせいか、雨が降っているにもかかわらず交通量がすごく多いです。トラックもたくさん走っているので、道路上の水たまりの水をブッかけられそうになることしばしば。

雨水の浸水で足の裏が濡れてマメの痛みが増幅してきました。途中にあった道の駅「なるさわ」で、たまらずかかとを補強。この道の駅がクセモノで、敷地が巨大でベンチのあるところまでひたすら歩かされて大きくコースアウトします。

かかとの補強もテーピングを3重にして馬油をドロドロに塗りたくってガッチリと対処。

おかげで30分以上ロスしてしまいました。出発してから足の治療ばっかりしているので、この時点で1時間以上休んでいることになります。

このかかとの痛みには最後まで悩まされることになります。

雨の予報で防水くつ下をはくときは、必ず事前に穴が空いていないかチェックしましょう!

コースに戻った頃には暗くなりはじめ、ヘッドライトを灯火。
ところが、買ったばかりなのにあまり明るくならない。おかしい。電池は付属していたものを使ったので問題ないと思うけれど・・・。

完全に日が沈んだところで第3エイドのコンビニに到着。気温の低さと雨で濡れた寒さと汗が冷えた寒さのトリプルパンチで意気消沈。

ところが、ここのエイドで冷やしうどんを出していただきました。最初は「あったかい方がいいなぁ。。」と思っていたが、食べたところピリリと激辛だったため、体がすごく温まって元気回復。
うどんの汁も全部すすって塩分補給もできて超満足!

かかとの痛みを軽減させるためティッシュペーパーを敷いて歩くと柔らかくていいんじゃないか?というナイスアイディアを思いつきました。エイドの方にティッシュをいただいて試したところ最高に快適になりました。

そそくさと準備をして出発。

第3エイド〜第4エイド(セブンイレブン山中湖畔店)[53km〜66㎞]

河口湖周辺は驚くほどデカい街。スタート地の富士宮のような雰囲気。街中なので夜でも明るいので、心強く歩けます。車もたくさん走り、道幅も4車線になり、歩行者も多いので安心感があります。

本栖湖・精進湖・西湖はほとんど森で街の気配は皆無だったが、河口湖は駅があるせいか開けている。ブラックバス釣りでも有名だし。ライトアップされた富士急ハイランドが遠くに見えて、軽くお祭り気分になります。

しばらく歩くとのぼり坂に差し掛かり、歩くペースが落ちてきました。ひたすらのぼり続けると、だんだん街灯が減っていき最後には真っ暗になります。歩道も細くなり、自然と縦列で歩くことになって前の人を追い抜けず、ペースが落ちていきました。

ヘッドライトをつけているが、相変わらずまったく明るくない。買ったばかりなのに使い物にならないのが無念。

「不良品をつかまされたのか?」と不安と怒りで歩みが速くなりそうだが、暗くて前が見えないので、ソロリソロリとゆっくり歩く。煌々とライトを点灯していて、歩きのペースが同じような人の後ろにピッタリ着いて引っ張ってもらいました。

しばらく歩いていると、集団で歩いている人たちに追いついて一大集団になりました。最後尾の人が自分の存在に気づいてくれて、丁寧に「先に行きますか?」と聞いてくれたので、その人だけを越していけばいいかなと思って「はい」と言ったところ、「どうぞどうぞ」と集団全員が道を上げてくれる展開に。

「あ、そういうわけでは・・・」と思いましたが、わざわざ道を開けて譲ってくれたので追い抜くとにしました。遅く歩いているとまた追いつかれたときに気まずい気がしたので、思いっきりフルスピードで歩きました。後から確認したところ、この区間だけ7km/h近くの速度で歩いていました。

前に誰もいない真っ暗なところをハイスピードで歩くハメになり、何度も滑って転びそうになりました。
しばらくすると山中湖が近づいてきたようで、街灯が増えてきて街っぽくなってきました。

22:29 エイドのコンビニ着。22時に到着しようと思っていたので予定より30分遅れ。さっきまで1時間以上遅れていたので、だいぶ回復した感はあります。最後飛ばしましたからね。

エイドではおいなりをいただき、かかとがまた痛み出したので足の裏の様子をチェック。
特にテーピングやティッシュはずれていなくてホッとしました。水ぶくれになってしまったところが痛むようになったので施しようもないのでこのままで歩き続けることにしました。

ヘッドライトは、電池を新品に交換したところビカーッとびっくりするほど眩しい光を放ちました。さっきまでの薄暗い灯りはなんだんだろうと思うほど元気いっぱいです。いやぁよかったよ、ホントに。

エイドのスタッフさんから「次のエイドまでは25km」というフレーズを聞かされて一瞬気が遠くなりながらフラフラと出発。

第4エイド〜指定コンビニ2(ローソン小山町須走口店)[66㎞〜77km]

この区間には今大会で一番標高の高い籠坂峠(1104m)があります。個人的にはここがクライマックスだと考えていました。

キツいのぼりっぽいのでイヤだなぁと思いながら雨の中を歩きます。しばらくは山中湖畔を歩きますが、真っ暗でせっかくの山中湖は見れませんでした。

右に折れるとのぼり坂がはじまり、延々と籠坂峠に続きます。
ここで雨は最高潮に激しくなり、川の中を歩いている気分です。スマホで現在地確認をする余裕もなくひたすら歩きました。

「早く雨はやんでくれ!」と祈りながら歩いていたところ、下り坂が始まりました。籠坂峠はずっと先だと持っていたので、「一時的な下りかな?」と思って歩いていました。
ところが、進めば進むほど降りていき、気づいたら次の指定コンビニに着いていました。

雨が激しすぎて籠坂峠を通過したことに気づかずに峠を下りきっていたわけです。

「やった!もう籠坂峠を越えたんだ!」

わかったときはとても嬉しかったです。この大会で一番嬉しい瞬間でした。

1:00に指定コンビニ着。

コンビニではアクエリアスの500mlを2本購入後、マッハで出発。

指定コンビニ2〜第5エイド(セブンイレブン御殿場坂妻西店) [77km〜91㎞]

2、3分コンビニで買い物をして出発したところ、ものすごく寒く感じるようになりました。歯がガタガタして震えがとまらない。気温は12度。ちょっとでも休むと一気に体が冷えてしまうのです。

着ていた雨具は買ったばかりだったのですが、Amazonで上下が揃って3,000円程度のもの。重量感はあるけれど防湿効果はゼロ。むしろこの方が暖かいんじゃないかと思っていました。

事前にたっぷりと防水スプレーをふりかけてきたので雨は防いでくれるのですが、汗や蒸気を外に出してくれない。そのため水を頭からぶっかけた状態で12度の山道を歩くことになります。そりゃぁ休んだら一瞬で体は冷えることになるわけです。

雨具はある程度上質なもの(つまりGORE-TEX製)を購入した方が良いなと実感しました。安い商品に目がくらむ気持ちはめちゃめちゃわかるけれど、背に腹は代えられないのがウルトラウォーキング。
装備には多少お金をかけてもいいと思いますYO!

ちなみに、この区間は須走の市街地を歩くので激しいアップダウンはありません。けれども夜中の1時から3時の時間帯にもかかわらず意外と交流量が多いのが難点。歩道よりも車道の方が平らで歩きやすいのですが、車には注意が必要です。

3:40に第5エイドのコンビニ着。うっすらと明るくなってきました。

エイドでは温かいスープパスタを提供してくれました。
「クリームスープ味にしますか?それともトマト味にしますか?」
というイソップ物語『金の斧銀の斧』に出てきそうな魅惑的な選択肢をスタッフさんから投げかけられます。しかし、道中アクエリアスをがぶ飲みして食欲がなかったので、丁寧に辞退させていただきました。

この時点で91km地点です。残すところ34km。かなり歩いてきたことになります。

最後ぐらいは足の痛みから解放されて快適に歩きたい!
という内なるワガママを叶えるために、禁断のロキソニンに手を出すことにしました。

第5エイド〜第6エイド(こどもの国 C駐車場)[91km〜104.5㎞]

第5エイドを出発すると、ロキソニンはすぐに効き始めました。
足の裏の痛みがスーッと消えていく快感がたまらない。これまで針の山を裸足で歩いていたことに気付かされました。

周りはどんどん明るくなって視界がひらけていきます。ものすごく綺麗な風景に驚かされました。雨も完全にやみ、「あの豪雨は一時の悪夢だったのでは?」と思えるほど。地獄から解放された感がハンパなかったです。

ところが別の地獄がやってきました。

その名は「睡魔」

ロキソニンを飲んで痛みから解放され、明るくなり雨もやんで安心したせいか眠くなってきました。しかも強烈な眠さ。逆に言えば、これまで足の裏が痛かったから眠らずに歩き続けられたのかもしれません。

もう歩くたびにうつらうつらして立ち止まってしまう。前を歩く人に追いつこうとしてもどんどん引き離されてしまいます。前方をのんびり歩いていた女性はすでに先に進んで見えなくなっていました。

歩いては止まって目を閉じる。
歩いては止まって目を閉じる。
歩いては止まって目を閉じる。
これを繰り返す。
ぜんぜん前に進まない。

そんな最悪のタイミングで、最後の難関である富士サファリパークまでの激しいのぼり坂を迎えることになります。

しばらくするとシャキシャキ歩く男性が追い抜いていきました。

夢うつつの状態で「がんばるなぁ」と思いつつ、後をついていくことにしました。もちろん、どんどん引き離されていきますが、見えない糸で引っ張ってもらっている感じがして、ゆっくりながらも眠らずに歩けるようになってきました。

激しい坂は続くが止まらずに進めば大丈夫だと思って歩き続けました。

道路の分岐があり、サファリパークまであと900mという看板が見えてきました。
「後少しだ!」と思ったら元気が出て歩けるようになりました。さっきまでずっと先をのんびり歩いていた女性にも追いついてそのまま追い越せました。

ピークのサファリパークを通過し、下り坂になってホッとひと安心。ラスボスをクリアしました。
時刻は6:00。

ところがふたたび睡魔に襲われます。安心すると睡魔が登場するのがパターンです。

下り坂なのでウトウトしながらも前に進みました。のぼりで眠くなったときと比べて格段に楽でとてもありがたい。半分眠った状態でフラフラしながらしばらく歩き続けました。知らない間にさっきののんびり女性がはるか先を歩いているのが見えました。

その状態でしばらく歩くと、自販機が3台並んでいるのが見えてきました。

「そうだ、カフェインを摂取だ!」

と缶コーヒーでカフェインをたっぷり摂取して睡魔を追い払うことにしました。この作戦は大成功。

まずは一本目。とりあえず目に入ったコーヒーを購入。
うまい、うますぎる。。

もう一本飲みたいなと自販機を眺めると、一本目のときは気づかなかったけれどホットコーヒーが売られていることを発見!しかも100円。
これもうまい。

さらにもう一本飲む。合計3本。大量のカフェインを摂って元気100倍!
時間が経つにつれてギンギンに目が冴えてくるのを自覚できました。

足の痛みもなくなり、睡魔ともお別れしたベストな状態で第6エイドのこどもの国に到着。時間は7:00。

最高に良い気分ではるさめスープをいただきました。粉のコーヒーもあったので、さらにカフェインを摂取するために飲ませていただきました。
良い気分すぎて30分も滞在してしまいました。

・・・そして重要なことも忘れたまま出発。

第6エイド〜指定コンビニ3(ファミリーマート富士宮山宮店)[91km〜118.5㎞]

エイドでトイレに行くのを忘れてしまいました。

気づいた時はかなり進んでしまっていたので戻る気にはなれずそのまま行くことにしました。

実はこれまでトイレに行きたくなったら立ちションをしていたのですが、夜間だから他の参加者に気づかれずに済みました。

ところが、日も明けて見晴らしの良い景色が続くロケーションなので、立ちションできる場所もない。Googleマップにマーキングされている次の指定コンビニ直前にあるトイレマークまで辛抱することにした。

ほとんど下り坂を降りているので進めば進むほど標高は下がり、気温は上昇していきます。天気も良くなってほどよく夏日。途中から暑くなってきて雨具を脱ぎました。

太陽が出てきてさらに気温は高くなり、26℃まで上がることに。おかげで体内の水分が放出されて尿意はある程度落ち着き快適なウォーキングを楽しめました。

ようやくトイレの近くまで来ました。しかし、道から離れている場所にあったので、大きくコースアウトが必要でした。ここでも時間をロスしてしました。道すがらコツコツと追い抜いていった人たちが見えなくなるほど前を進んでいました。

実際には、富士サファリパークのピークを超えたらひたすら下りの快適な道になります。
そこを尿意で落ち着かないまま急いで通り過ぎるのは本当にもったいない。

これまで苦労して100km歩いてきてたのだから、せっかくのウイニングランを楽しむべきだと思います(反省を込めて)

ということで、やっぱりトイレには行けるところがあったら行きましょう。

指定コンビニ3〜神田川ふれあい広場[118.5㎞〜125km]

指定コンビニ3は中に入らず、そのまま通過しました。

残り6kmは街の中をゴールの神田川ふれあい広場までひたすらまっすぐ歩きます。

「あと6キロかぁ」とうんざりせずに「あと6キロで終わってしまうのか」と、これまでの長い道程をしみじみと思い出しながら味わうのが正解だと思います。

120km近く歩いてきたのだから6kmなんてすぐじゃないですか。じっくり堪能しましょう。

しばらく歩くと巨大な朱色の鳥居が見えてきます。

10:51ゴールイン。タイムは25時間51分でした。

おわりに

参加者として26時間近くも歩いて大変だったのですが、それ以上にサポートしていただいたスタッフのみなさんの大変さを感じました。きっと何ヶ月も前から準備をしていただき、当日も動き回ってくださったからこそ、参加者は安心して大会を楽しめたんだと思います。ありがとうございました。

また、この大会は125kmという長距離で、標高が1000mの富士山麓の低気温と豪雨という過酷な気象条件と、アップダウンが激しい地理的条件が重なる点で、他のウォーキング大会とは趣が大きく異なる気がしました。

このコースレイアウトで制限時間が32時間というのは、かなりレベルが高いレースなのではないでしょうか。実際、コスプレイヤーもいなくてお祭り感もなく、ゴリゴリのエキスパートばかりだったし。
こんなに過酷で強烈で面白い大会があまり知られていないのがとても不思議です。

ということで、富士山一周ウルトラウォーキングをひとりでも多くの方に広めて行きたいということで体験記を書かせていただきました。

次回の大会でお会いできることを楽しみにしています!


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