9言語ラジオ学習日記 (第3週): 「シ」と「ジ」と「ツ」と「ヅ」と「ソ」と「ゾ」と「ノ」と「ン」
外国語をやってて、「これとこれ、どう違うんだよ〜!」と頭を抱えてしまった経験はないだろうか。
英語の [l] と [r] の発音の区別に苦労した、という人は少なくないはずだ。日本語では両方とも「ら」行の発音として認識されるから、どうしても最初は戸惑うものだ。
母語を使っているときには意識を向けないような違いや、たった一音の違いで、まったく意味が変わってしまうことがある。
そういうのを体験できるのも、ある意味で語学の愉しみというやつかもしれない。
たとえば第1週でやった韓国語の「さようなら」もそうだった。 안녕히 가세요. (アンニョンイ ガセヨ) と 안녕히 계세요. (アンニョンイ ゲセヨ) を使い分けるんだった。「ガ」(가) と 「ゲ」(계) の違いが細かいし、こんがらがる。
今週のスペイン語講座では mañana (マニャーナ) という単語を習った (Lección 9)。こいつがまた曲者で、単に mañana というと「明日」という意味なのに、冠詞をつけて la mañana というと「朝、午前」という意味になる。
ひえー、誰かと話してるときにうっかり la をつけ忘れたり聞き逃したりしてトラブルになる予感しかしないやつじゃん!
あと、ポルトガル語 (Lição 3) では、avô 「おじいさん」と avó 「おばあさん」という単語が出てきた。
……とテキストには解説されていたが、ムズい。ラジオでも発音がリピートされていたが、区別が非常に難しい。というか、もし発音が区別できたとしても、どっちがどっちだったか思い出すのに10秒ぐらいかかる気がする。
とはいえ、こういう区別が難しいものばっかりでもなく、中にはネイティブも厳密な区別をしてなくて割とテキトーだったりするものもある。
中国語の鼻母音 [ -n] と [-ng] の発音は両方とも「ん」に聞こえて判別がつきづらい……という日本人学習者にとっては悩みの種なわけだけど、当の中国人もごっちゃにしてる人はそれなりにいるようだ。
母語話者も北京でははっきり区別するが、南部ではできなかったり意識しなかったりする人が多い、とのこと(第14課)。
まぁ、"区別をしない" というのもそれはそれで厄介で「え、これとこれが一緒でいいの……?」と不安にかられることもある。
イタリア語講座で毎回聴く Ciao (「やあ」「じゃあね」) なんかはこの例だ。どこでも使える挨拶っていう万能っぷりにビビる。
ハングルのおなじみのフレーズ 주세요 (チュセヨ; 「ください」) でも登場する 주 の文字の発音は「ジュ」でもあり「チュ」でもある (音の区別はない)。どっちでもいいと言われても、なんとなくおっかなびっくりな扱いになる。
あと、第3週の講座でびっくりしたのはこれ。
まじかよ! (笑)
まるで "How are you?" の答え方を "I'm fine, thank you. And you?" しか知らない人みたいになっちゃいそうだけど、ホントに大丈夫なの……?
第3週のポイント!
表現あれこれ
ハングル講座に出てきた、고고씽 (コゴ ッシン) という表現の由来が謎すぎて楽しい。語学をやってると「なんでこの単語の組み合わせでこの意味になるんだ……」っての、よくあるよな。
このフレーズは「レッツゴー」と訳され、고고 (コゴ) の部分は英語の "Go go" に由来するらしいんだけど (ここまではわかる)、最後の씽 (ッシン) 部分は「びゅー」と言う擬音語なんだそうだ (わからない)。
つまり 고고씽 を直訳すると「Go Go びゅー!」になる (わからない)。
単語あれこれ
イタリア語講座で regalo (プレゼント、土産) という単語が出てきてひとりでテンションが上がってしまった。ニップンのラジオ CM で聞いたことあるやつだ!(笑)
ラジオといえば、スペイン語の動詞 venir 「来る」の 1人称複数形 venimos で紅イモを連想してしまった。紅イモだけに、ベニーグッドだ!(by 毒蝮三太夫) (元ネタがわからない人は TBSラジオを聴きましょう)
文字あれこれ
アラビア語は点の数でぜんぜん別の文字になってしまう。ややこい!
日本語を学ぶ外国の方が「シ」「ジ」「ツ」「ヅ」「ソ」「ゾ」「ン」「ノ」を最初に習ったときの気持ちってこんな感じなのかもな……。
第3週の聞きどころ!
ドイツ語: みんなで飲みたいのね
別にひとりで飲んでもいいだろうに、みんな一緒がいいんだろうなぁ、野村先生 (笑)。
フランス語: 自分に合った方法
第3週ではいろんな言語の講座で数字が登場してきた。いよいよ、という感じだ。
ここで挫折しないよう、各講座の講師がいろいろと励ましや助言をくれる。
スペイン語の土屋先生は、こんなコメント:
他方、フランス語の中條先生はこんなアドバイスをくれた:
もしスラスラと数えられていたとしてものぼせてしまいそうだ (笑)。
スペイン語: 例文から漏れ聞こえてくる気持ち
言ってほしいんですね (笑)。
だいぶ遅れもあるけど、放送 1週間後まで聴けるのは本当にありがたい。
本当に、学習環境としては昔と比べて格段に恵まれているよなあ。
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