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人の命は「食べているもの」と「ものの考えかた」で決まる

先週、前編としてがん細胞のしくみの話を書きました。悪性腫瘍とは、本来は自分の一部なのに、タイマーが壊れて死ねないうえに周囲とコミュニケーションができなくなって増殖し続ける異常な細胞の塊だということ。

後編では「じゃぁ、どうすればいいの?痛みを伴う三大療法に至る前に予防するには?」について書きます。

日本人の2人に1人は生涯のうちに一度は罹患し、3人に1人はがんで死ぬと言われています。私は前者で★ついちゃったけど、できれば違う理由で死にたい!自分の再発予防のためのまとめでもあります。

スタンス1.敵を知り闘志を燃やせ!

まず、色々がん関連の書籍を読んで勉強したところから、印象的だった視点を二つ紹介します。病院図書館の本(当然、標準療法が前提のもの)を10冊以上、身近な人が送ってくれたやつや勧めてもらったやつなどの持ち込み系(こちらは主に代替療法や闘病者手記)は6冊読んで、結果としてどちらも後者からの紹介。標準療法は病院が提案してくれるからね。

癌患者の予後を病理診断でなく告知時のスタンス別に追跡したイギリスの調査。以下4グループ区分で一番生存率が高かったのはどれでしょう?

闘争心型:がんを克服するためになんでもやる!と戦う構えだった人 

②否定型:自分がそんなもので死ぬわけない、と癌自体を認めなかった人

③運命型:淡々とストイックに消極的受容をした人

④絶望型:感情が不安定になり悲嘆にくれた人

答えは・・・そのまんまだけど、①>②>③>④の順です。私は最初③だったんだけど、手術の痛みで突然「がんめ、むかつく!」と目覚めて①にシフトして、遅ればせながら正しい気がしました。

引用元:「がんは自分で直せ」by 間瀬健一

スタンス 2.住処と食事と生き方を見直せ!

文化人類学の学生がドイツで行ったフィールドワークで、末期がんから生還した約30人への聞き取り調査を行った結果、共通していた3つの行動とは?

答えは・・・①暮らす場所を変えた ②仕事などの生き方を変えた ③食べるものを変えた の、全てあるいはいずれかを実践していたという話。

「がんは生活習慣病」という観点に立つと直観的に正しい気がして、すぐにできないこともあるけど意識的に実践していこうと思いました。特に食生活はガラッと変えました。

引用元:「急に具合が悪くなる」by 宮野真生子・磯野真穂

以上、書籍からの学び2点の紹介ですが、どちらも末期がんの語りなので、そういうの読んで苦しくなるタイプの人は読まないほうがいいかも。

なお、食事については、私はがん発覚の直前に食生活を整える必要を感じてファスティングに取り組んでいました。

当時GI値を測定したら意外とに悪いスコアで驚いた。自分じゃ何が悪いのか自覚出来ていなかったんですよね。

一般的に、乳がんの一つの細胞が1センチになるまでには15年かかる(でもそこから倍の2センチになるのは1年半、あっという間なので小さな異変を放置しないことが大事です)ので、そのエラーはずっと昔から生じていたはずなのに、私は気づけなかった。

そこで前章の問い「自分の細胞に、どう語りかけたらいいのかな。自分の身体に、どうやって傾聴してあげたらいいんでしょうね!?」です。以下は私なりに考えて、今、再発予防のために実践している3つのことを紹介します。

色々調べた結果、人間には言語があるけど、細胞にとってのコミュニケーションの手段は、栄養とか化学物質とかなんだなと思いました。

となると、宿主たる私たちが自らの細胞に働きかけ得る最善の手段は「①カラダのよろこぶ食事」、「②適度な運動」、「③ストレスのない生活」に尽きるなという…色々調べた挙句、結局フツーのことに行きつきました。

細胞へのメッセージ 1.カラダのよろこぶ食事

料理研究家の土井善晴氏によると「体の喜ぶ食事と脳の喜ぶ食事は違う」。脳は騙されやすいからジャンクな匂いや甘いものに惹かれてしまうのだと。

実は、私が告知後まっさきに着手したのが食事の改善。自分の体は強いと思っていたのに自信を喪失して、真っ先にプロのアドバイスを受けて食生活を大幅に変えました。最初の3カ月(術前)は厳しく、砂糖・小麦・人工加工物抜きを徹底しました。(外食が非常に困難になります)

それで味覚と嗜好が変わり、身体の反応がある程度分かるようになりました。「体質に合った食事」というものにはかなり個体差がある気がしていますが、私の場合は豚と酒が鬼門。そして果物食べすぎだった。

今はそこまでぎちぎちにはしていませんが、ごはんは玄米・雑穀混合で炊く、精製糖を家に置かないなど、家族にとっても良い習慣を続けています。

自分にとって何が良くて何がだめかの個別要素を探るのは結構大変なので、目下健康ならそこまでガチで取り組む必要はないかもしれませんが、食習慣を疑って調べてみたら目から鱗の発見だらけでした。

食欲に駆られた時、「この一口は本当に体が喜ぶもの?」「食べた後ポカポカ感じる?」「胃腸が気持ちよく動く?」…そんなことを意識するだけでも、違ってくるような気がします。

細胞へのメッセージ 2.適度な運動

いいものだけを食べていても、慢性的な運動不足は老廃物の代謝を滞らせ、身体を濁らせます。私はもともと日常的な運動習慣がなかったけど、それがあればこうはならなかった気がしています。

アラサーの時みたいなワーカホリックにはなり得ませんが、今も何かに着手すると集中しすぎてしまう癖があるので、肩こり、目の疲れ、倦怠感…ちょこっとでもそんな症状を感じたら、すぐに休憩をとって身体を動かし、少しでも太陽の光を浴びる散歩に出るか、5分程度の深呼吸で体の中の酸素を入れ替える休憩をとるようにしています。

子供が生まれる前は運動不足は整体なんかで補ってると自分に言い訳してたんですけど、やっぱりそんな横着をしてちゃだめです。自力で動いて引き出す脳内物質「セロトニン」大事です。

細胞へのメッセージ 3.ストレスのない生活

明らかに働きすぎだった10年前はともかく、ここ数年の自分はストレスフリーな生活をしているつもりでした。

でも、盲点だったのは、アタマで「楽しい」と思うこともカラダにとってはストレッサーになり得るということです。よく働きよく遊ぶを信条として来た私は、最近はだいぶ時間の使い方を整理したけれど、それでも身体の声を聴くという視点はなく、詰められるだけ予定を詰めていた。明るく楽しそうな光を発するイカ釣り漁船にホイホイ寄っていくイカ根性は調整していかねばならない。これが一番難しいところで、今も試行錯誤中。

至極当前のことのようですが、以上3点とも、問題を自覚して習慣を変えるのって本当に・・・難しいです。

だからこそ、これを読んでくれる方に伝えたい。

万人にとってこれさえやればがんにならないという正解はありません。でも現代人は脳にひっぱられすぎてる傾向があるので、自分の身体のことも時々顧みてあげてください。それだけでも、がんにならないほうの1/2として健康人生を全うできる可能性は高くなるはずです。

人間の命は「食べているもの」と「ものの考えかた」で決まります。遺伝要素よりも、それらの方がずっと強く作用します。

上記は、私がお世話になっている鍼灸の先生の言葉ですが、本当にその通りだと思うので、結びに引用させていただきます。

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