見出し画像

知っとくと役に立つかもしれない、がんの仕組み

先日手術のことを書いたら、思っていた以上にたくさん周囲の反応があって、ああ、やっぱり「がん」は社会的ビックワードだなあと実感しました。

そこで、今日はみんな知ってるようで多分よく知らない、がんの仕組みについて私なりに整理した内容を紹介します。自分がこうなるまでは病気のことは極力考えたくなくって有名人の闘病ブログも絶対に読まなかった私なので、健康な人でもなるほどーって軽く読める範囲でお送りします。

がん細胞は周囲の細胞とコミュニケーションできない

人体には、肺とか腸とか様々な臓器があって、それぞれは異なる種類の細胞で構成されています。そして細胞はご存知の通り「細胞分裂」で増えます。

一つ一つの健康な細胞には定められた寿命(=”アポトーシス”といいます)があって、一定の時間が経つと死ぬようになっています。

しかしその分裂は、実は常時一定のペースで起き続けているわけではなくて「必要な時に、必要な分だけ」分裂して増えます。

細胞同士は「自分たちの持ち分」(つまり、肺とか、腸とか)がちょうどいいサイズに保たれるように信号を出し合っているので、ごく単純に言うと、成人のある臓器において古い細胞が2つ寿命を迎えるのと交代で、別の1つの細胞が2つに分裂して新しい細胞が生まれます。そうして臓器全体としての適正サイズを保ったまま代謝が進むのです。

ひとりの人体の健康は、いろんな臓器のハーモニー。そのために、細胞同士はコミュニケーションをしています。人間の言葉とは違いますが、特別な化学物質を出したり受け取ったりする相互のサインで、個々の細胞の次のアクションが駆動されるのです。

しかし、時々、何かの拍子に、そのプログラムに傷がついてしまって(遺伝子配列に異常が生じて)、正常なコミュニケーションができない細胞が生じることがあります。

がん細胞はタイマーが壊れてて死ねない

さらに悪いのはその細胞のアポトーシスのプログラムまでもが壊れてしまった場合。そんな細胞は、いつまでも死ぬことができず、周囲を無視して際限なく増殖し続ける悪性腫瘍になります。

周りの臓器が「もういっぱいだよ!」「押さないで~!」と言っても、腫瘍にはその声は届きません。健康な細胞が分裂する時にはオリジナルと同じコピーをきっちり二つ生み出すものですが、そのような異常な細胞が分裂した先の二つの細胞は、もう同じ顔をしていません。メチャクチャになりながら大暴走を始めます。

それが癌(がん)てやつです。

本来は自分も調和のとれた世界を構成する一部であったはずなのに、隣人と対話をすることが出来なくなり、自分が誰であるかもわからなくなり、無闇に増殖を続けた挙句にその宿主を苦しめ滅ぼしてしまうのが、癌細胞。

「地球における人間か」とつっこみたくなるご時世ですけどね。

コロナのようなウイルスと違って、がんは他者に感染はしません。ただし、がんを生じやすい遺伝子配列というのはいくつか特定されているので、病が発覚したらまず家族の既往歴を確認されます。

※私の場合は遺伝性ではありませんでしたが、アンジェリーナジョリーが両胸予防全摘したのはそのため。知らない時にはワケが分からなかったけど、リスクの大きさを知った今は、それも勇気ある意思決定だと思います。

ある日そのバグが閾値を超えると問題になる

そんながん細胞ですが、健康な人の体の中にも、常時ある程度は発生しているものだと言われています。人体の細胞は60兆個もあるんだから、まあ、バグがないという方が不自然だよね。

通常は、健全な免疫の仕組みの中でバグは排除されますが、ある日それが代謝の力を凌駕して、閾値を超えた大きな塊になると「がん」と視認され、種類によっては辛い自覚症状も伴うようになります。チリツモゆえに人が認知した時には時すでに、痛みを伴う三大療法で大急ぎでやっつけねばならない状態、ということも多い。だから、怖いと言われる。

できれば、そうなる前に予防したいもんだね!

でも、自分の細胞に、どう語りかけたらいいのかな。自分の身体に、どうやって傾聴してあげたらいいんでしょうね!?

後編では、わたしが考えた対策(未病の人にも役立つ)についても紹介しますが、前編はここまで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?