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《採用と教育》プランナーからプロデューサーにはなれない。〜必要なスキルが違う〜

コンテンツプロデューサー、うきょうです。

最近の仕事は提携したクライアントさんと
新規事業開発、プロデュース、組織化を行っており、

中〜長期で利益を生み出す基盤づくりや、
やりたいことを実現する体勢作りを行っております。

その過程でゲーム業界含めて
いろいろな人に出会っているわけですが、
いつの時代もプロデューサー採用
いわゆる右腕採用と教育が一番難しい課題です。

そして多くの勘違いもありますが、プロデューサーという職業は、たとえば、プランナーという経験を積むことでそこに辿り着けるのか?というと、実はそうではないということが知られていないことでもあります。


●プランナーを育てても
プロデューサーにはなれない


社長「え?ゲームプランナーのキャリアパスが 
   プロデューサーじゃないの?」

私「はい、そうです。」

中にはそういう人もいると思いますが、それはいろいろな偶然だと思います。もともとその人のポテンシャルがずば抜けて高いとか。


●勘違いからの失敗例


実際私も最初は勘違いしていて、プランナーを教育して、次はディレクターになるだろう。そしてその次はプロデューサーじゃないの?って思っていろいろと育成したり、組織開発をしてきたんですが、どうにもその道にたどり着かないわけです。

実際、プランナー出身者からディレクター、プロデューサーと、上のレイヤーに強制的に行った人は、ほぼ100%いなくなりました。離職、転職、ジョブチェンジ。これはゲーム業界の損失であり、私としても大失敗の経験でした。

そこで、今回はプロデューサー採用において、採用、教育、キャリアについてどうすればいいのかについて少し触れたいと思います。


●ゲームプロデューサーに
 求められるスキルを分析する

その前に若干余談ではありますが、ゲーム業界でよくあるプランナー、ディレクター、プロデューサーの職務とスキルについて触れておきます。

若干デフォルメ化して書いていることをご了承ください。


●ゲームプランナー
主に仕様書の作成や企画そのものを考える人のことを指します。よくあるのが0から1を作り出すプロフェッショナルということですが、最近は運営型ゲームでは1を10にする運営タイプの人もこのくくりに入ることが多いです。まさに考えることのプロといっても過言ではありません。

●ゲームディレクター
主に各セクションや全体チームのスケジュール管理やクオリティ責任を背負うものです。基本的にはどこかのプロフェッショナルであることが多く、プランナー出身が比較的多めでもありますが、デザイナー、プログラマもこの分野に入る人もいます。知識を満遍なく持っていることも特徴的で、現場の仕事が好きな人に多いです。プロセスと品質の大黒柱であり、縁の下の力持ちとはまさにこのポジションです。

●ゲームプロデューサー
プロジェクト全体と数値責任を背負う人。プロダクトよりもビジネス寄りのタイプの人が多い点が特徴的です。マーケティング知識、対外的なコミュニケーションやプレゼン能力、セールス能力のプロフェッショナルであることが多いです。
場合によっては法律関係の知識も求められ、資金調達、ハードな交渉もこなせるタフネスさも必要です。責任感と何かに関する自信にあふれており、現場の責任やプロダクトの最終責任も追う兄貴分のような特性もあります。

会社の事業戦略にかなり近い立場によるので、役員クラスの方になるのもこのプロデューサー職。つまりはそういう会社の右腕になることを期待されている方たちです。

FFXIの吉田プロデューサーはゲーム業界の大谷翔平選手みたいなものです。そんな中でプロデューサー兼ディレクターができる本当のプロがいるのですが、スクウェアエニックスの吉田Pはハイブリッド中のハイブリッドです。


●上記3つの職種は
それぞれ特性も異なる

プランナー、ディレクター、プロデューサーは勘違いされやすいことに「企画職」として見ている人がいますが、実は全然違います。

求められる職能もポテンシャルや考え方が根本的に違う場合が多いのです。つまりこれは一言でいうと得意分野も異なるということ。

プロデューサー気質の人はディレクションのような業務の中枢(最終的な細かいクオリティ保証や細かい詰め作業)が苦手な人も多いです。

一方でディレクターはプロデューサーのような大局を汲み上げることや抽象的な思考、決断力とドライブ力がかけていることは多いですが、調整力が高い人が多かったりします。

そしてプランナーはその道、特定分野での専門職手です。

この気質のタイプを満遍なく育てようとするのは土台無理な話であることがわかりますね。


●プロデューサーを採用、教育するには?

本題に戻りますが、基本的にはプロデューサー気質の人、スキル、ポテンシャルを持っている人を探して採用することが一番近道だということです。

そもそもプロデューサー気質のタイプでない人を無理やり育てようとするのはかなり厳しいからです。仮に教育してそのポジションにしようという場合、プロデューサータイプである人をできる限り見据えて、日々の業務を行うことや、コミュニケーションが重要だということになります。


●プロデューサー職は特殊職

話を戻します。

ゲームプランナーがゲームプロデューサーになることは稀です。それと同様に、過去除いてきた中で、ゲームプランナーがゲームディレクターになることもまた稀です。

たまたまディレクターのポジションにプランナーが進行管理をしていたので入り込んだケースということはありますが、その場合のディレクターは数年経つとディレクター出なくなることが多いです。もともと必要とされるスキルが違うからです。


●うまくいく事例、うまくいかない事例

プロデューサーの前歴を聞いたりすると、デザイナー、プログラマー、マーケティング、はたまた違う業界だったりもよくあります。

そういう方と話をしているとやっぱり視点がプロデューサー視点の方が多いし、自己分析がよくできています。自分は何が得意なのかと。

うまく事例としては、デザイナーだろうが、プログラマーだろうが、ディレクタースキルやプロデューサースキルがありそうな人や好きそうな人にお任せした方がうまくいきやすいということですね。それは外部の人も含まれます。

逆にうまく行かない事例としては、優秀なプランナーや、優秀なディレクターをプロデューサーに強制的にしてしまうことです。彼らの意図、意向、価値観がずれた状態でプロデューサーにしてしまうと、変なストレスや不満などが募り、最悪の事例では離職してしまいます。

これはゲームに限らずよくあることですので、気をつけておきたいですね。責任職や右腕が欲しいのはわかりますが、それはそれで素養がある方を当てはめた方が理想的です。これは年齢もあまり関係ないと思っています。

これはまさに得意と苦手のコントラスト、文脈を間違えてはいけないという結論かと思います。


▼採用、右腕採用、組織化、教育についてのまとめ記事はこちら



【執筆者:うきょう】
自立を目指す方へのビジネス全般をサポート。
経営者・事業者向けに売上コミットをサポートする社外プロデューサー&ディレクター|PlayLife代表|売上向上講座を毎週開催|ゲームプロデューサー21年。日中台韓で50作品以上リリース、Han Game売上No1実績|Softbank〜LINE出身|代表作:チョコットランド、アトリエオンライン
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