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相手がどんな表情をしているかを想像する

松山工業株式会社の鵜久森洋生です。私は毎週土曜日は、DMM.make AKIBAさん(以下、アキバ)の公式マガジン「MAKERS」向けの投稿を続けています。

今回は、アキバに入居している会員、特にスタートアップ企業でこれからビジネスを興していきたいと考えている方々向けに、少し話題を提供したいと思います。

社会課題起点のビジネスについて

SDGsの考え方が浸透しつつある中、アキバに限らず、多くのスタートアップ企業が社会課題にしっかりと目を向け、事業化に向けて取り組んでいる・・・そんなケースが増えたように感じます。私は個人的にとても良いことだと思っています。以前にも書きましたが、欧米を中心にこの部分が支援対象になるかどうかの判断基準にもなっているため、留意しておきたい点だと考えています。

ここまでは一般的に語られる部分なので、もっと詳しいことを知りたいという方は、ネット上で調べていただければと思います。私が伝えたいのは、社会課題起点のビジネスを立ち上げる際に、自分が利他的になって受け手側のベネフィットをしっかりと捉えるための感受性があるかどうかも大切だということです。当然ながら、最終的には収益につなげていかないといけません。ただし、長期的なスパンで考えると、収益以上にエンドユーザーがしっかりと評価してくれるかが、さらに大切であることに気付きます。

社会課題を軸にした企業が注目されている背景には、提供するサービスやプロダクトに社会的な価値があればあるほど、より長期的なスパンで活躍できる可能性が高い・・・そう判断する人が多いからだと考えています。なので、自社のやろうとしていることが社会課題起点になっているかどうか、一度足元を可視化してみる価値はあるんじゃないかと思います。

大切なのはまずは利他だということ

世間では「ソーシャルグッド」いう言葉も注目されています。意味合い的には地球環境や地域コミュニティーなどで社会に対して良いインパクトを与えるサービスや活動のことを指します。

とても良い言葉だと思うのですが、私はこういった言葉が日本語に適切に訳されていない場合は、単なる流行言葉なような気がして、個人的にあまり好きではありません。以前もオープンイノベーションという言葉に注目が集まった時期がありましたが、私は日本にはもっと古くから「共存共栄」という素晴らしい言葉があることに気付き、あまり使わなくなりました。

実はソーシャルグッドという言葉にも、近江商人が大切にしてきた「三方芳し」というもっと分かりやすい類似語があります。

売り手良し、買い手良し、世間良し

この言葉を知ると、近江商人がいかに世間(社会)に目を向けてビジネスを展開していたかが分かります。そして同時に、日本では世界で声が高まるずっと前から、自然なカタチで社会課題を起点としたビジネスが形成されていたことにもなります。こういったマインドがあるにもかかわらず、なぜ世界と差が付き始めているかを紐解くと、利他的な考え方をしずらい環境になってしまったからだと私は感じるようになってきました。
(逆に世界は、利他的な考え方をビジネスに上手く取り入れる事が出来るようになったとも言えます)

相手がどんな表情をしているかを想像する

最近でこそ、利他という言葉は少しずつ注目されるようになってきましたが、まだまだ社会を変えるほどの注目度にはなっていません。なので、このnoteを読んでいる方の中には、「そうは言われてもなぁ」とピンとこない方もいるんじゃないかと思います。

そういった方は、自分たちの提供したものによって、受け取った相手がどんな表情をしているのかを想像してみると良いと思います。その顔が笑顔であればあるほど、ビジネスが成功する確率は高くなります。ただし、確実に成功するためには、ユーザーだけでなくビジネスに協力してくれるパートナー(利害関係者)も笑顔にならないと、永続的な発展にはつながらない・・・近江商人の三方芳しという言葉を分かりやすく説明すると、笑顔というキーワードを使えば理解しやすくなることに気付きました。

三方芳しが大切だと考えるためには、逆のケース・・・つまり、価格競争に巻き込まれているケースなどを考えれば良く分かると思います。私の会社はお客様の要望に真剣に向き合うようになったため、最近は価格競合に巻き込まれるケースがかなり減りました。原材料の高騰などが起因した昨今の状況は除くという条件付きながらも、パートナー企業に対して値下げ交渉などはせずに済んでいるのは、価格だけではない価値が提供出来ている証拠でもあります。

冒頭の話題に戻ると、社会課題に取り組むスタートアップ企業が増えることは喜ばしいことですが、今回述べた側面をどう捉えているかは経営者にとっては今後を左右する重要な課題なのではないかと感じています。

どうせであれば、周りの皆が笑顔になるようなビジネスモデルを作ってみてはいかがでしょうか?

ちなみに今日のトップ画像は、上野動物園で撮影したシンシンさん。笹を食べてちょっと笑顔になっているかのようです(笑)

こんなことを語りつつ、今日のnoteを終えたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。感謝!


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