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浮世絵の紙

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江戸時代のオリジナルの浮世絵に使用された紙の説明及び解明・復元の記録
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#浮世絵の紙

浮世絵の絵の具ーはじめにー

浮世絵の江戸時代の絵の具と紙についての動画を作りました
今回公開するのは、その前口上になります

SpecialThanks 菅原広司、末光陽介

浮世絵の素材ー和紙③特注復元紙について(第二期目)

浮世絵の素材ー和紙③特注復元紙について(第二期目)

高知県立紙産業技術センターと和紙職人の田村亮二さんの協力のもと、2018年より紙の復元に取り組んでいます。第一期目の復元紙は2018年秋に完成し、第二期目は2019年秋に出来ました。最新作の歌川国芳「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」において、初めて第二期目の紙を使用したので、ここに紹介します。

(第一期目の紙についてはこちらをご覧下さい。https://note.com/ukiyoe_shimo

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浮世絵の素材ー和紙①

江戸時代、多色摺りの浮世絵には一部上物には越前奉書という紙が、その他多くには政(まさ)(伊予政・伊予奉書)という紙が用いられました。さらに幕末には「地政」と称して、古紙を原料の大半に用いた漉返しの紙が江戸近郊で漉かれ、安価な芝居絵等に用いられていたと言われています。

現代の復刻には一般的に越前奉書が使われています。越前奉書、伊予奉書共に現在も生産されていますが、当然の如く時代の変化、及び製法の変

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