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英語学習のために知っておきたい記憶の仕組み!

英語学習者をいつも悩ませるのがなんといっても”記憶力”

「単語が覚えられない!」
「昨日先生から習ったことが思い出せない!」


そして、せっかく覚えたことも忘れてしまっては、また1から勉強をやり直さなければならない...


これは誰もが経験あるのでは?


今日はそんな、英語学習にとっても大切な記憶力のお話です!



1、2種類の記憶

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普段、あまり考えずに口にしている"記憶"という言葉、


実は記憶には2種類の記憶があります。


1つは"単語を覚えるときのような記憶"

勉強している時の記憶ですね。

英単語の暗記以外にも、数学の公式、漢字、大学の試験前日に行う丸暗記がこれに当たります。


もう1つの記憶は、”自転車に乗る時のような記憶”


皆様自転車は乗れますか?

僕はしばらく自転車に乗っていません。もう何年も乗っていないんですが、たぶん乗ろうと思えばすぐ乗れます。

これは少年時代に一度覚えた自転車の乗り方を、今もずっと記憶しているからですね。


この2つの記憶ですが大きい違いがあります。


お気づきかもしれませんが、1つ目の記憶は忘れやすいということ。

そして、2つ目の記憶は忘れにくいということです。


では、なぜ同じ記憶なのに忘れやすいものと忘れにくいものがあるのでしょうか?


これ 、脳の使ってる部分が違うからなんです。


単語を覚えるときのような記憶の場合、脳の”海馬”という場所を使って物を覚えています。

これは大量のデータをパソコンに保存していくイメージです。

人間の脳もすごい性能を持っているので、たくさんのことを覚えることができます。

でも、海馬というのはとてもデリケートにできているので、少しのことで忘れてしまったりします。


これに対して、自転車に乗る時の記憶というのは”大脳基底核”という部分と"小脳"という2つの部分が記憶に関与しています。

大脳基底核と小脳の働きはこんな感じです。

学生の時に部活に打ち込んでいた時代を思い出してみてください。


例えば、あなたが野球部だったとして、毎日素振りの練習をしていたとします。

最初のうちは下手でも、何度も素振りを練習しているうちに、段々とフォームが良くなってきたような経験がありませんか?

バスケ部だったら、最初はシュートが入らなかったけど、だんだんフォームが良くなってきてシュートの成功率も上がってきたというような経験はありませんか?

楽器の練習をしていて、最初の頃よりなめらかに指が動いたり、安定して良い音が出せるようになったことはありませんか?


もちろん部活だけじゃなくてアルバイトや仕事家事子育て中にも似たような経験があると思います。

これは全て大脳基底核と小脳の働きなんですね。

”素振り”を例にとって言えば、まず大脳基底核が大きな動きを記憶します!

この場合、大きい動きというのは「バットを掴んで大きく振る」という行為を大脳基底核が覚えます。

ただ、この段階ではまだ下手くそです。


ですが、ここで小脳が細かい動きの調節をします。

つまりどうやったらかっこよく打てるか、どうやったらボールに当たるような振り方ができるのか、力がバットに伝わるのか、といったような細かい調整ができてくるんですね。


そしてこの2つがリンクして働き出すと、記憶を忘れなくなるんです。


2、絶対に忘れない単語学習法はないのか!?

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「単語の暗記は海馬を使っており、どうしても忘れやすい」

と言いましたが、それは仕方がないことなのでしょうか?


確かに単語は忘れやすい。

でも忘れず覚え続けている単語もありますよね?


ということはその違いを考えれば、忘れない単語学習法が見つかるはずですよね。

では、一緒に"忘れない単語学習方法"を探していきましょう。


まず、大脳基底核と小脳を使った脳の共通点を見てみましょう。

「自転車に乗る」ということも、「バットの素振りをする」ということも、どちらも体を使っているということと、繰り返し練習しているという点で共通です。


つまり、単語を覚えるときも体を使ったり、繰り返し練習すれば、忘れない英単語力を得ることができるということになります。


とはいえ、単語覚えている時に常に体を動かし続けるわけにもいかないので、 具体的には以下のように学習してみてください。


3、脳のシステムを利用した単語学習方法

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体を使う代わりに、シチュエーション(映像)やエピソードと組み合わせて覚えると体を使うときと同じ効果があります。


体を使っているということは、言い換えれば、様々な風景や体験をしている状況ですよね?


単語学習をしている時にこれに近いことをするには、

その単語がどんな場所で、どのように使われているのかを知ることが必要です。

例えば、単語帳に一緒についている例文がどんな場面で使われているのか映像でイメージ化するんです。

そうすることで、疑似体験、疑似運動をすることができ、忘れにくい記憶となります。


おすすめなのは映画やドラマです。

なぜかと言うと、映画で単語を覚えるときは、同時に映像もストーリーもついてくるので、イメージ化もエピソードも一気に得られるんですね。

実際、私も海外ドラマを見て、pictureの動詞の意味(「心に焼き付ける」)を覚えました。


この動詞が使われたシーンは今でも思い出せます。



もう1つの方法は、”繰り返す”ということですね。

でもここでも注意が必要です。

ただしがむしゃらに暗記を繰り返しても効率がとても悪いです。

覚えた単語を忘れないようにするには正しい方法があります。


それを守れば、1週間でたった17分間勉強することで、忘れない単語力を身につけることができます。


この驚きの方法については違う記事で記載していますのでそちらをご覧ください。


4、忘れない単語力を作るもう1つのエッセンス!

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そして暗記力を高めるにはもう1つ絶対に覚えておいていただきたいことがあります!


脳の海馬という場所を使った記憶は忘れやすいと言いました。

実はこの海馬に、記憶を忘れるよう指示を出している場所があるんです。

それは”扁桃体”と言われる脳の部分です。

扁桃体というのは、海馬に対して、「この記憶は忘れてもいいよ」とか、「この記憶は覚えとかないとだめだよ」と伝える場所なんです。

いわば司令塔や黒幕みたいな感じですね。


扁桃体というのは僕たちの生命活動に必要ないものを削除する傾向にあります!

そして、その生命活動に必要ない=重要でないもの

それが『英単語』になります。


それもそうですよね。

僕たちが「大切だ!」と思っている英単語というのは、僕たちの生死に関わる重要なものではありません。

英単語を100個ぐらい忘れても、おそらく死ぬことはありません。

なので、扁桃体は「これはそんなに重要じゃないな」と判断することが多いんですね。


じゃあどうすればいいのか?


扁桃体に英単語=重要!と思わせればいいんです。


扁桃体にもこの情報は重要と判断するときがあります!


それはどんな時かと言うと、脳からドーパミンが出ている時です。

つまり、”感情”が激しく動いているときです。


感情している状態というのは人間にとってフル活動している時なので、得られる情報すべてが必要!優先!と考えている時が多いんです。


ということは、この感情した状態を作ればいいんです。


どうするか?と言うと、友達や恋人や家族と、覚えたい単語について会話をするだけです!

友達や恋人や家族と会話している時って楽しいですよね?

この楽しいという感情が出ているときにもドーパミンは出ています。

つまり、単純に友達と遊びに言ってご飯食べながら話すだけで単語が覚えられます。

ここで会話といっても、英語で話さないといけないというわけではないですし、その単語について詳しく説明しなさいというわけでもありません。

ただ単純にその単語を会話に出せばいいんです。


僕も浪人中、abandonという単語が覚えられませんでした。

この単語は「見捨てる」という意味があるんですが、「見捨てる」って日常なかなか使う言葉じゃないですし、abandonっていう響きも馴染みがなかったので、浪人中の友達に「こんな単語覚えられるわけないだろ!」とずっと話していました。

その結果、abandonを覚えたんですね。


ということで、今回の話をまとめると、

忘れない単語力をつけるには、

①エピソードやイメージ化とともに単語を覚える。

②繰り返し練習(1週間17分間だけ)

③感情付きで話をする 。

というふうに勉強すれば良さそうです!


「なるほど!」と思った方試してみてくださいね。


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