熊で殴る【創作大賞2024エッセイ部門応募作】
私はこの世の情報を全て頭に入れた、と確信していた時期があった。まだ10歳にもならない頃から、三年間ぐらいだろうか。
本が好きで、読み漁った結果、この結論に至った。私はこの世の情報を全て頭に入れた。だって同い年の誰よりも物知りだし、クイズが好きだし、大人も私を指して賢いと言う。教養があるんだ。勉強もできる。ほらみろ、受験に成功だ。ワンランク上の学校だ。しかしなお勉学に余裕がある。なぜか? 私はこの世の情報を全て頭に入れたからだ。
余裕の生まれた私はゲームセンター通いを覚え、