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「を」と「ふ」が苦手な貴方へ

おっさんは、「を」と「ふ」がうまく書けないことはわかっていたが、たったの二文字なのに小学生からずっと放置してきた。小学一年生の時に先生から伝授したフォントデータを自分の頭にテキトウに保存してしまっていたということか、それとも先生がテキトウにデータを与えてくれたのか?
先生ゴメン、どっちでもいいや。
そのまま、おっさんになっちまったよ。

パソコンで文書を作る時代ではあるが、人前でホワイトボードに字を書くこともあり、十二月になれば年賀状の隅っこに一筆したためる。
その「を」と「ふ」が醜い。
「を」はバランスが悪いゴシックフォントのようだ。
「ふ」はハエタタキで叩かれたハエのようにみすぼらしい。
自慢ではないが、すべてが醜い字ではないと自負しているので、
松竹梅に三分類してみた。

【松】
あ、い、う、え、お、か、き、く、け、こ、さ、し、す、せ、そ、た、ち、つ、て、と、に、ぬ、ね、は、へ、ほ、ま、む、め、や、ゆ、よ、ら、り、る、れ、ろ、わ、ん、

【竹】
な、の、ひ、み、も

【梅】
を、ふ

ある時、ふとしたことで、”書き方を調べて矯正すればいいのでは”と気がついたのだ。
たったの二文字だから、
何故、そんなことに今まで気がつかなかったのか不思議だ。
私の周りの人間はほとんど似たり寄ったりの字であるので、文字の矯正の必要性に気がつかなかったと思われる。意図して放置してきたのではない。
それとも、自分の名前に「を」と「ふ」が含まれてないからか。
あるいは、ある程度年を取ると、
若い時に、”もう少し勉強していればよかった”と思うおっさん的思考回路が突然起動したのか。

ネットで書き方は簡単に調べられるだろうが、珍しく書店に足を運んでペン字の練習帳を買ってみた。
ひょっとしたら長期間の練習をしなければ矯正はできないのかと頭を過ったが、とにかく「を」と「ふ」を小学生のように練習し始めた。
そしたら、すぐに気がついた。
一筆書きで書けることを・・・
「を」も「ふ」も一筆書きであったのだ。

をふ

SからEへ。
それも、すべてのひらがなが・・・

脳ミソに入っている二文字のフォントデーターの入れ替え作業は数日で完了した、というか、させた。
SSDやHDのような記憶装置のように一瞬で入れ替え作業はできずに、何度も何度も上書きを繰り返した。
そろそろもう十分だろうと思い、その文字を書こうとすると、無意識に今までの癖が出てしまう。「を」と「ふ」だけは意識して書くように努めたところ、日を追って醜い字とオサラバした。

今回は「を」と「ふ」に着目したが、統計によると、ひらがなの発生頻度で上位4文字が「い」「う」「し」「ん」という情報もある。
ひょっとしたら、この4文字も矯正することで文書全体がレベルアップするかもしれない。

これにて「をふ」問題は無事解決し、今後の自身の人生において何かプラスに働くような気がしてきたので、小さくガッツポーズをした。
大げさに言えば、少しだけ人生が変わる?んなわけないよな。

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