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タワマンに住んでもいいし、住まなくてもいい

大阪市内の3番目くらいの規模のターミナル駅から少し離れた公園で、次の予定までの時間を潰していた。

満開の時期は過ぎた桜の木から花びらが風に乗って舞っていた。

公園には夕方の時間帯ということもあり、小学生くらいの子が多く遊んでいた。

ほとんどの子供が自転車で公園まで来ており、風で倒れたり、雑に倒すように停めている子供も見かけた。


それらの自転車をよく見てみると、海外の自動車メーカーの自転車や、自転車好きの人なら知っているブランドの子供用の自転車ばかりであった。

私も高校生の頃に、親にお金を借りて、ちょっと高い自転車を買ったことがあるので、相場的に考えると、子供用だとしても高いんだろうなと思った。

私の子はまだ、ペダルのない自転車を、家の中だけで足で漕いでいるが、外で雑に扱われたら嫌だと感じるだろうし、いつかサイズアウトする自転車にそこまでお金を使ってあげられないと思った。


太陽が沈み始め、空が徐々に暗くなってきた頃、あ、絶対金持ちや、という女性が公園に入ってきた。

「〇〇ー、そろそろ帰るでー」

公園で遊んでいる子どものお母さんが迎えにきたようだった。

浜崎あゆみのようなサングラスに、高いと噂のダウンコートを羽織って、theブランド!って感じのバッグを手に持っていた。

「えー、まだ遊んでたいー」

すべり台をしていた子どもは、母親にそう返していた。

私も、そろそろ公園を離れないといけない時間だったが、時間が許すのであれば、この桜の木下で、もう少しだらだらしたかったので気持ちはわかる。

「6時にご飯とおかずできるようにセットしてあるから、帰ろー」

と母が言っていた。

子どもは最後に滑り台を1回滑り、倒れていた、フランスの高級自転車メーカーのピンク色の自転車にまたがって、母親と帰って行った。


私も、それから少しして、公園をあとにしたのだが、


ご飯はわかるけど、おかずができるって何?


自動調理的な家電なんかな?


と混乱した。



初めて一人暮らしをした時、冷蔵庫や洗濯機などは引っ越す前に購入したのだが、その他の家電は住んでみてその都度必要に感じた時に購入していた。

住み始めて3週間くらい経った時に、掃除機がないことに気づいて、買いに行った。

最安は3980円のハンディタイプの掃除機だったが、


私は39800円のお掃除ロボットがほしくなった。

狭い部屋であったが、綺麗にしてくれるに越したことはないし、そこまで高いとも感じなかった。


しかし私は、3980円のハンディタイプの掃除機を購入した。

掃除くらい自分でしようっていうのと、掃除をしてくれる家電に10倍の違いを感じなかった。

おそらく、この時にお掃除ロボを購入していたら、次はドラム式洗濯機を購入していたと思う。


その次に食器洗い機が欲しくなり、自動調理の家電も買っていたかもしれない。

大阪市内の3番目くらいの街とはいえ、住もうと思えばそれなりにコストがかかるはずだが、お金がある人であれば、高級な服やカバン、自転車、家電を購入することは造作もないことかもしれない。

周りの人たちの生活水準に合わせてしまうっていう心理もあるかもしれない。

SNSできらきらした生活をしている人から影響を受けることもあるだろう。

不労所得があって、お金が腐るほどあって、一生かけても使い果たせない人は、どんどんお金を使って発信したらいいと思う。

でも、ちょっと無理していい場所に住みたい、お金ないけど高級ブランドで全身コーデしたい、みんな使ってるから便利家電ほしい、みたいな人はこっそりしといてほしい。

どうしても発信したいのであれば、残業してる姿や、満員電車に乗っている姿、上司にヘコヘコしてる姿、お客さんに怒られてる姿、も同時にアップしてほしい。

んで動画とか画像の下に小さい文字でいいので、

※こんな日常と引き換えできらきら風生活を送ってます。


って書いてほしい。

お金があるから、いい場所に住む、高級ブランドで買い物する、時短家電を買う、じゃなくって、

いい場所に住みたいから、高級ブランドの物が欲しいから、高いけど便利家電欲しいからって理由で、お金稼がなあかんから仕事するってのは、資本主義に囚われ過ぎているような気がする。

全然掃除機で大丈夫やし、最近暖か口なってきたから、洗濯すぐ乾くし、速乾の食器洗剤も出てるから食器洗いもそこまで手間じゃない。

だから、無理して働いて、資本主義の奴隷になって、いい土地に住んでる自慢、タワマン買った自慢、レクサス乗ってる自慢、モンクレーのダウン自慢、ルイガノのチャリ自慢、ヴィトンのバック自慢、子どもの進学先自慢、時短家電持ってる自慢、はやめていただきたい。


奥さんが影響受けちゃうんで。


私はこれ以上働きたくない!

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