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新1年生の親御さんへ

お子さんが入学してもう1ヵ月。早いものですね。

自力での登下校、初めての学童。すべてが初めてだらけは子どもも親も一緒。そこで、私が新1年生を持つ親御さんへお伝えしたいことがあります。

それは「こどもの報告を鵜呑みにしないで」ということです。

新1年生って、友だちとのトラブルを自力で解決できません。

保育園、幼稚園の時は、常に先生が間に入ったり見守っていて、喧嘩が起こると仲裁に入りおさめてくれます。未熟な年齢だからそれは良かったのだけれど、それはつまり、「自力で対人関係の問題解決する経験が、圧倒的に足りてない」ということ。

小学校に入ると1人の先生対30-40人の子ども。先生の目が届くわけがありません。そして、1人で登下校。

そして、この登下校や放課後の公園遊びといった親も先生も見ていないところで、子ども達って揉めるもの。

うちの長男(現在小4)も、1年生の時、口より手が先に出てしまいがちで、下校時、公園遊び中に何度も喧嘩や小さなトラブルがありました。

学校では先生、公園では近くにいた大人に何度も助けてもらいました。

でも、はじめは自分の子が「○○くん/ちゃんに~された!」と報告してくるのを聞き、どうしていいかわかりませんでした。

被害者のように子どもが報告してきて、目くじらたてて学校へ怒りの被害報告をするお子さんも多いですが、実際事実確認をすると、その子も何か酷いことを言ったり手を出したりしているケースがほとんど。完全に一方的ということは、皆無といっていいです。

正直、新1年生の言語化能力なんてたかが知れていて、あてにならないです。だから、自分の子の話を信じたいというのが親の気持ちだけれど、鵜呑みにしないことが大事だと私は思います。

子どもはそうしたトラブルや喧嘩を経験しないと、仲直りする方法も、ふるまいもわからないんです。親がいちいち出て行って「誰?!うちの子叩いたの?!」と犯人捜しを始めて、「二度とやるなよ!」と大人の迫力で怒鳴ったところで、子どもは何にも成長しませんし互いの子が傷つくだけ。

※実際、そういう例を沢山見てきました。親は「子どもを守ってやれた」とすっきりしてますが、子どもは何も学べてない・・・。

「どっちが悪いの?!」の犯人捜しをするんじゃなく、親は冷静になり、事実の全体像を把握すること。可能な限り、目撃者の情報(子どもと一緒にいた友達、近くを通った友達等)を集め、客観的事実の全体像を把握することが大切。

すると、たいていの場合、どちらも酷いことを言ったり、手をあげたりしている。一方的にどっちがやった、というのはめったにありません。喧嘩売って、見事に買ってます。笑

そうした事実を確認することが、親も子も冷静でいるためには大事です。

そして、トラブルになってる子達の自尊心を傷つけないよう、そこから子ども達に何を気づかせ、学ばせ、次へ活かさせるかが大事だと思います。

相手を悪者扱いするのは簡単だけど、そういう扱いを受け続けた子は、不器用な子が多いです。言語化が下手なせいで、周りから誤解されやすかったり。それで責められ、悲しくなって、自尊心が保っていられず、思わず手が出てしまうんです。

うちの長男がそうだったので、よく手が出てしまう子の苦しさ、すごくよくわかります。生まれた時から乱暴な子なんて、この世にいません。生まれたばかりの子は、とても穏やかですから。

そうした不器用な子、周りから「あの子乱暴ね」とトラブルを起こしたり、運悪く巻き込まれたりしがちな子は、周りの大人たちにも責められたら、将来どんな大人になっていくかと考えてみてほしいんです。

世の中で犯罪を犯したり、人の痛みがわからず他人の命を奪ってしまったり。そうした子は、周りの大人の誰からも関心を寄せてもらえず、攻撃され続け、孤独だった人が多いんじゃないでしょうか。周りの大人、その集団である社会が、そうした悲しい犯罪者たちを育ててしまってるんだと、私は思います。

だから、新1年生のお子さんを持つ親御さんをはじめ、お子さんをお持ちの方、お持ちでない方も含め、大人全員へのお願いです。

どうか、自分の子どもだけが可愛いと思わず、他人の子も愛してあげてください。気にかけてあげてください。どんなにいじわるを言う子だって、手をあげてしまう子だって、その子にはこれから先の未来が何十年も待っています。将来を地球をつくっていく人財になるんです。

もしかしたら、宇宙飛行士として宇宙レベルでのプロジェクトに参加するかもしれないし、研究者としてどんな病気でも治せる治療法を開発するのかもしれない。世界一の料理人として、人々を幸せにできる人になるのかもしれない。

そんな輝かしさがなくても、誰かにとっても世界一のお母さん、お父さんとして、その子のココロの支えになるかもしれない。生きているだけで、誰かの支えにはなれるんです。勉強も運動もできなくなって、学歴も職歴も周りと比べて大したことなくたって、誰かの支えにはなれるはず。

これを読んでくださる方々も、自分では自覚がなくても、誰かを幸せにできているはずです。通りすがりのおばあさんの荷物を持ってあげたり、切符を落として気づかず行ってしまった人に切符を拾って渡してあげたり。公園で知らない子にお砂場セット貸してあげたり。

そういう小さいことで、誰かの1日をハッピーにできる人にはきっとなります。そんなことを考えたら、どの子も愛しくなりませんか?

こども同士の単なるトラブルかもしれませんが、自分の子だけ味方せずに、相手の子も含めて暖かく見守ってあげてもらえないでしょうか。

子どもの気持ちに寄り添いつつも、客観性を忘れずに。

日本では「おい!お前、保護者だろ!!」と、子どもとその親がセットで責任背負わせ過ぎなところがありますが、”社会みんなで”「地球の宝である子ども達を育てる」という気持ちでいれば、トラブルも何のそのだと思います。

どうか、相手の子を負かそうなんて思わずに、みんなで子育てしていきましょう。


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