デザイン力の基本_2000

『デザイン力の基本 簡単だけど、すごく良くなる77のルール』


ノンデザイナーのための、読んで理解するデザイン書

本書は、

・悪い例のここを直せば、すごく良くなるよ、というBefore→After
・デザインをはじめる、つくる、できたデザインを判断するための基準

・あるあるデザインティップス
・時を超えて、錆びる事のないデザインの原理原則
・デザインにまつわるコラム

によって構成されています。

取材を重ねた限りでは、エクセルやパワーポイントを駆使して、営業や広報の現場の方がデザインの基礎知識なく、タイトなスケジュールでチラシやPOPのデザインをされることも多いと聞きます。たぶん、そのような方にとって、本書は、痒い所に手が届く内容になっているはずです。

また、デザイナーの方であれば、ぜひ、クライアントさま、ビジネスパートナーさまなどにお薦めなどしていただく、どうぞ、よろしくお願いいたします。デザイナーへの発注スキルの向上には確実につながるはずです。

デザイン力の基本 簡単だけどすごく良くなる77のルール(日本実業出版社)


本書の特徴「AISUS」アイコン

本書では、77のルールにさらに細かいトピックや解説が加えられる形となっており、それぞれの項目に「AISUSアイコン」が入っています。

「AISUS」とは、ノンデザイナーであっても、比較的判断しやすいデザインのポイント

・Accessibility(見やすさ、よみやすさ)
・Impression(印象・映え)
・Sincerity(信頼性・誠実さ)
・Uniqueness(ユニークである、独自性)
・Share(共感・共生・共創力)

の頭文字をとったもの(本書オリジナル)で、たとえば、6章の「色数戦略と王道の3色ルールをつかいこなす」では、


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という大タイトル(33は、77個中33個目という意味です)の中に

・キーカラーは「ビジョン」から選べ
・世界観をつくりたいなら「物語」をカラーパレットに
・戦略は「色見本帳」を眺めると、イメージが湧く

という3つのトピックが入っているのですが、そのそれぞれに

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と、こんな風にAISUS(ここでは「Sincerity」アイコン)が入っています。全体のページで見ると、こんな感じですね。

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今、ここに書いてあるトピックが、見やすさ・読みやすさ(Accessibility)の話なのか、ブランドの印象を作るイメージ(Impression)の話なのか混同させないためです。


広告における、消費者行動モデルの本家「AIDMA」

ご存知の方も多いと思いますが、、広告やマーケティングの世界には、人の行動を分析し、わかりやすいキーワードでくくられた優れたモデルやフレームワークがあります(というか、こちらがいわゆる「本家」です)。

広告における消費者モデルで最も有名なものには、1920 年代にアメリカのサミュエル・ローランド・ホールが提唱して広まった「AIDMA」(下の図)があります。

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広告の制作はグラフィックデザイナーにとって「花形」の舞台で、多くのデザイナーは自身のデザインスキルを「AIDMA」をもとに表現しました。つまり、当時は「Attention 」=一瞬で目を奪う感性や技術が、デザインについても注力されていました(1980~2000 年ごろのデザインの特徴です)。


インターネット時代の特徴的消費行動モデル「AISAS」

その後もさまざまな消費者モデルやフレームワークが登場し、主要メディアと言われた、いわゆる4マス(テレビ、新聞、雑誌、交通広告)媒体から、人々の関心がインターネットへと移り変わっていく際に注目されたのが、日本の大手広告代理店「電通」によって提唱された「AISAS」(下の図)です。

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このモデルでは、共有された情報がさらに検索されるという循環型が追加され、インターネット型消費の特徴でもあるロングテールと結びついていきます(「AISAS」後も電通からは「SIPS」など、新しい消費者モデルが発表されています)。


リアルな消費行動も包括するマーケティング4.0モデル「5A」

この「AISAS」と比較的近く、かつネット上だけでなく、リアルな消費モデルについて言及されたのが「現代マーケティングの父」と呼ばれるフィリップ・コトラーによる「5A」(下の図)です。

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特徴的なものは、「Adovocade(推薦する)」ですが、ただシェアするだけではなく、その行動に倫理感や信頼感を伴っています。

つまり、なんでもかんでも、シェアするというわけではなく、購買も含めた行動そのものが、何かしらの意思表明につながるという現代社会の特徴的な購買活動が付加されています。


消費者行動モデル(AIDMA→AISUS→5A→? )に、「空気感」を取り入れる?


本書で登場する「AISUS」は、今までに紹介した消費者行動ととらえることも可能ですが、私がブランドデザインの実務で携わっている戦略モデルでもあります。

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企業やブランドの「デザイン・ガイドライン」などを作成する専門家であれば誰もが知るところなのですが、その中心にあるのは信頼(哲学や行動指針)であり、これが「デザインの空気感」の基準をつくります。

「AISUS」は、読みやすく、わかりやすく、伝わりやすく、オリジナリティの高いデザインをつくる指標となります。

(『デザイン力の基本 簡単だけどすごく良くなる77のルール』より抜粋)


本書では、もう少し細かく書いていますので、ぜひ、コラムのコーナーも飛ばさずに読んでいただけたら嬉しいです。



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今後、こちらのnoteでは、本書に関連するイベントやセミナーのご案内などもお知らせして参ります。

まもなく、告知を開始しますが、9/13に福岡のデジタルハリウッドさんにお招き頂き、本書の刊行を記念したセミナーを開催します(無料)。

また、「街で見かけたダメデザインやっつけ隊(仮)」という企画を版元さんと企んでおりまして、「デザイン世直し」を通じて、景気回復・世界平和・コスト削減・売り上げ向上・ブランド力UP……などなど、みんなが幸せになれる、素敵な世の中を目指しております。

どうぞ、『デザイン力の基本』noteをよろしくお願い申し上げます。


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