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隊長職変死の椅子 (#毎週ショートショートnote 投稿用作品※裏お題)

「本日より着任した、長谷川だ」
 何度目か分からない着任報告。我々の隊も何度目か分からない歓迎会を開く。
 歓迎会のさなか同僚と話していると、
「今度はどのくらい持つかね?」
「さぁ。ひと月くらい持てばいいが」

 次の日の我々の目覚ましは、大きな砲撃の音だった。
 急いで銃剣を持ち、規定の場へ走る。
斥候せっこう分隊である我々の出番だ! 敵は既に我々を捉えている。こちらも一刻も早く敵を捉えなければならない。直ぐに出発だ!」
 隊長の言葉だ。
 我々は大きく返事をし、そのまま隊長の後ろへ続く。

 何時間匍匐ほふく前進したか分からなくなってきた頃、我々はついに敵を補足した。
 それを確認した隊長は、
「よし、お前。1人で偵察に行ってこい」
「は。ですが隊長、1人で行って見つかればただでは……」
「軍ではそのような規定になっている。いいから着替えて早く行ってこい」

 この隊で、隊長の椅子に座った者は、決まって同じ死に方をする。
 頭部を後ろから一発だ。


(407字)

たらはかに(田原にか)さんの企画のお題をお借りしました!



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