森下

だいたいみじかめのものを投げたり投げなかったりします

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    500文字くらいの小説をまとめてあります

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    #毎週ショートショートnote のお題で書いたものをまとめてあります

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「負けたのに」

「負けたのに」

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記事

    大増殖天使のキス (#毎週ショートショートnote 投稿用)

    「天使がきたぞぉぉおお!!!」  その声を聞いた人々は一斉に逃げ惑う。  背に翼を生やした人型の生物が、空からふらふらと我々に向かって突っ込んでくる。 「ぐわぁぁあああ!!」 「アナターー!!」  それを避けられず、ひとり、またひとりと天使のキスの餌食になっていく。  キスされた者はそのまま倒れ、身体中を痙攣させながら悶えている。 「あ、アナ、ア」 「ダメだ!! もう助からない。黙って走れ!」  餌食にされた者の妻がその場にへたり込む前に、近くの男性が彼女を担ぎ上げ、そのまま

    大増殖天使のキス (#毎週ショートショートnote 投稿用)

    隊長職変死の椅子 (#毎週ショートショートnote 投稿用作品※裏お題)

    「本日より着任した、長谷川だ」  何度目か分からない着任報告。我々の隊も何度目か分からない歓迎会を開く。  歓迎会のさなか同僚と話していると、 「今度はどのくらい持つかね?」 「さぁ。ひと月くらい持てばいいが」  次の日の我々の目覚ましは、大きな砲撃の音だった。  急いで銃剣を持ち、規定の場へ走る。 「斥候分隊である我々の出番だ! 敵は既に我々を捉えている。こちらも一刻も早く敵を捉えなければならない。直ぐに出発だ!」  隊長の言葉だ。  我々は大きく返事をし、そのまま隊長の

    隊長職変死の椅子 (#毎週ショートショートnote 投稿用作品※裏お題)

    失恋墓地(毎週ショートショートnote投稿用作品)

     失恋墓地に来た。   受付のお姉さんに案内され、私の墓の前に立つ。  毎年この時期は失恋墓地に来て、過去の恋愛を供養するのだ。  私は墓地を軽く掃除し、持ってきた花を供える。  奥に立てかけてある卒塔婆を見る。  卒塔婆には、先輩の名前が書いてあった。  少しだけ、どきりと胸が鳴る。 「もう10年も経つのに、ね」  中の一つを拾い上げる。  先輩に恋していたのはかなり昔だけど、あの頃を思い出すと今でも面映ゆくなる。  恋が全てで、それ以外のことは全く見えてなかった昔の自

    失恋墓地(毎週ショートショートnote投稿用作品)

    ぶんき

    ぶんき

    すきにくわせろ

    すきにくわせろ

    「どれもおなじ」

    「どれもおなじ」

    「かたすかし」

    「かたすかし」

    じゆう

    じゆう

    手当り次第

    手当り次第

    「幸せになってね」

    「幸せになってね」

    失楽園ぼっち(#毎週ショートショートnote投稿用)

    「お前はパーティーから追放だ」 「ど、どうしてですか!? こんなに尽くしてきたのに!」  呼び出された俺は、その唐突な通告に驚いた。 「トップが変わってな……お前以外もパーティーの半数を追放する」 「そ、そんなこと言われても今後どうすれば」 「そもそもお前らがバーベキューだのヨガだのをSNSに上げながらサボってたからだろ!」 「そ、それは宣伝に必要で」 「それにティータイムとか言ってアイスやケーキ食ったり……週に仕事してるの何時間だよ!」 「社員の団結力を高めるために必要

    失楽園ぼっち(#毎週ショートショートnote投稿用)

    【小説】今年もメスガキの季節かぁ(4268字)

    「おにーさーーーん!!♡」 「ぎゃっっっ!!」  空からメスガキが降ってきた。  メスガキはいくらガキで軽いからと言っても2桁kgの物体が降ってきたらこういう反応になるだろう。 「毎年言ってるだろ、急に降ってくるなって!!」 「だって、早くおにーさんに会いたくて……」  季節は11月。だいたい北の方に位置する我が県では、初メスガキはだいたい11月に降ってくる。 「去年はさんざん悪態ついてたってのにもう忘れたのか?」 「去年は去年のことだもーーん!  それにぃ、お

    【小説】今年もメスガキの季節かぁ(4268字)