はじめに

初めまして。私は多摩美術大学情報デザイン学科の学生です。卒業制作にて『看護』『疾患/症状』『思いやり』をテーマとしたコンテンツを制作中です。

この卒業制作を成功させるには、日常に潜む「個々が感じる体の不調に対する感覚の違い」を深く知り、皆様からの意見や実際にあったお話などを集め、そこから解決に向かえるような「今の世に合ったコンテンツ」にしなければなりません。

私1人だけでは完成させることのできない卒業制作ですが、どうか皆様の力を貸していただければ幸いです。

以下、きっかけやコンセプトなど作品に対する軸のお話です。

🥚きっかけ
私はPMSと生理痛が重い(機能性月経困難症)です。生理前は何をしていても不安になったりイライラしたり突然涙が止まらなくなったり、とにかく情緒の不安定さが凄まじいです。生理になったらなったで痛み止めが欠かせません。少しでも飲み遅れると、冷や汗が止まらなくなったり、戻してしまったり、救急車で運ばれたこともあります。笑
この症状は普通に過ごしていて突然襲ってくるものなので、場所は選べません。授業中、バイト中、移動中…。
でも、私がこうした症状を抱えていることは家族などとても近い間柄の人以外、ほとんどの人が知りません。そんな細かいことを話す場もありません。心配されたくないし、公にするのも気まずいし、耐えるしかありません。「死ぬかも!!!!」と思うほどの痛みをこらえながら電車に乗ったり接客したりします。経血量も多く、毎回モレが無いか気にしながら痛みと共に生活する1週間。
どれだけ辛くても学校やバイト先には行かなきゃいけないと思ってしまうし、休みたいと言っても「腹痛ごときで?」と捉えられることが殆どです。
私は周期が定まっているから、前もって心や薬の準備が出来ますが、そうじゃない人もいるはず。そして、それが普通だと思い込んで生活していたら、実は病気が隠れていたなんてこともあるのです。
また、腹痛・頭痛・関節痛など痛みが伴うものだけでなく、発達障害・喘息・色弱など辛さの共有がしにくいもの、PMS・骨盤腹膜炎・前立腺結石など異性とは共有出来ないもの]も沢山あります。症状の度合いも人それぞれで、自分の経験だけで相手の症状を知ることは出来ません。
こういった他の人に伝えにくい個人的な問題を、細かいことを言わずに知ってもらう方法・わかってもらう方法は無いだろうか?と考えたのが一番最初のきっかけです。

🐣コンセプト
今回は5つの軸をコンセプトとします。症状/疾患を持つ人と持たない人がそれぞれ違った視点で同じ症状/疾患について見つめるきっかけになるように製作していきます。

「見えない・共有できないを可視化する]
痛みとしてのみ現れる疾患・精神的な苦痛を感じる疾患・異性には共有することができない疾患など目に見えない疾患は、体験したことが無い人には共感してもらえなかったり、軽く見られることが多いように感じます。
🙋‍♀️卒制では「他人に見えない・伝えにくい・分かりにくいこと」に焦点を当てることにしました。
目に見えない疾患を抱える人も、徴候のある疾患を抱える人と同じように、どうにもならない痛みを堪え戦っていると多くの人に知ってもらいたいのです。

「私だけじゃなかったんだ」と思ってもらう
疾患とまではいかない症状や、馴染みのない症状などを抱えていると「こんなことで苦しんでいるのは自分が弱いだけ」「こんなことで悩むのは自分だけ」とネガティブに捉え、落ち込んでしまう人も多いと思います。そんなことはないということを伝えたい。自分の痛みは自分にしかわからないけれど、他にも同じように悩む人がいると知るきっかけが出来れば、少しは気が楽になるはずだと考えます。
🙋‍♀️卒制では「全国にどれだけいるか」「どのぐらいの痛みになることが多いか」などを疾患ごとに示そうと考えています。

「こんな症状/疾患があったんだ」と知ってもらう
ネットで症状を調べるだけでヒットしたり病気事典のようなサイトがあったり、病院にかからずとも「もしかするとこれかも」と自分の症状から疾患を探すことも容易くなっています。しかし、これは症状があるからこそ利用するもので、自分の患っている疾患以外に利用することは殆ど無いかと思います。さらに、症状について簡潔に(あっさり?)書かれていることが多いため痛みの度合いや生活への影響を想像することは難しいです。こういった症状/疾患を持つ人と持たない人の感覚の違いが「症状/疾患を軽く見ることに繋がっている」と考えています。
この差を埋めるには、発症→検索→疾患を知る→理解(治療)ではなく疾患を知る→理解と出来れば良いのではないでしょうか。
🙋‍♀️卒制では「疾患を知る」をコンセプトとする図鑑やサイトのようなものを製作したいと考えています。

「自分もそうかもしれない」と考えてもらう
お腹が痛くなるときはたまにあるけど、めまいがするときはたまにあるけど、「大したことないだろうからほっといてる」という人はとても多いはずです。それはもしかしたら腎臓がんかもしれないし、脳卒中かもしれません。放っておいたら治らなくなってしまうかもしれないのに、症状の軽さや日々の忙しさから後回しにするのはいいことではないと考えています。
🙋‍♀️卒制では病院が苦手だったり定期検診なんて億劫だと思っている人が少しでも「ちょっと不安だから確かめてもらおうかな」「もう少しこの症状について調べてみよう」と自分の身体について改めてもらうような、また、 定期検診の受診を促せるようなコンテンツにしたいです。

「身近なあの人もそうかもしれない」と考えてもらう
学校で欠席が多かった子や毎月同じような日に休みがちな人を見て、精神が弱い、ズル休みだ、気合いが足りないと思う人は少なからずいるんじゃないかと思います。それがもし疾患が原因だったら、きっと考えも変わるのではないでしょうか。自分のいつもの考えとは違う視点から考えてもらうような手助けが出来ればいいなと思っています。
🙋‍♀️卒制では「どんなことが原因で症状が出るのか」など、より相手の立場になれるように症状や疾患についてできるだけ詳細に示したいと考えています。


進捗を毎週更新予定です。身体の不調や自分自身との付き合い方で、困っているコトやあったら嬉しいモノなど、ご意見があればnoteやTwitterからぜひ教えてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?