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先人の思いをかみしめつつ

昨日の更新で地元のことばを記述していくプロジェクトに着手したという話を書いたところですが、

更新の後、地元のとある方がお持ちの、辞書の手書き原稿をお借りしに行ってきました。書いた方は、残念ながら今は故人となっています。

原稿の一部

いずれ成果を公開する時が来たら、もちろんこの尊敬すべき先人のお名前をクレジットで記載するつもりです。なんとこの方は、原稿用紙にして334ページもの大作を遺されています。

この原稿の存在は以前から私自身知っておりまして、一度直接お借りしたこともありました。しかしその時はこの原稿を使って自分が主体的に何かをしようという意識はかなり薄かったのです。その意識が変わったのは、昨年末の福岡での研究会に参加したのがかなり大きいといえます。

自分になじみの深い言語の記述・記録の方法論について、勉強の機会を得られたことを生かす必要があると考えていたところ、長崎方言の記録の一環として、語彙を目に見える形で公開することを最初の目標にしてみました。

上記の先人の原稿は、それに向けての資料として使わせてもらおうというわけです。この原稿を作成された方も、きっと自分たちの言葉を後世に残したいというご意志があっただろうと推察しています。

一方で、この原稿は見出し語が「あ」から始まって、「と」の途中で終わっています。したがって残りの部分は、後の世代たる我々が補完する必要があるわけです。これをどうするかは大きな課題ですが、まさに先輩方、つまり上の世代の方々のお助けが借りられるように、エリシテーションの準備をしていこうと思っています。

文法研究的に面白いトピックがあるかどうかは、ある程度作業を進めてみないとわからない部分もあるのかなと思っています。その意味では、単に地元に今在住しているという自分の境遇は都合がよいとも言えるかもしれません。

いずれにしても、機材等の準備も含めて自分の今後のトルコ語やアゼルバイジャン語の調査にも応用が利くと思うので、実践経験を積むという意味もかねて、不肖の身ながら先人の後を継がせてもらおうかと思っています。

トライアンドエラーの精神で、まずは語彙リストの作成から。
どんどん手を動かしていこうと思っています。

謝辞
昨日の記事で、投げ銭を投じてくださった方々に心よりの感謝の意を申し上げます。
がんばって作業を進めていきますので、気長にお待ちいただければ…

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