<フクシマからの報告>2020年春 福島第一原発に近づくと JR常磐線車両内で 線量計の警告音が鳴った その車両が東京に毎日6本やってくる
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2020年3月14日、JR常磐線が全線復旧し、東京・上野駅と宮城県・仙台の間が直通で行き来できるようになった。そのニュースをご覧になった方は多いと思う。2011年3月の東日本大震災以来、9年ぶりに電車が全線を往復できるようになった。これが「復興」の象徴だとして、新聞テレビは大きく取り上げた。
福島第一原発事故を発生初日から取材している私にとって、これは大きな動きだった。
かつて現地で目撃した、田んぼの真ん中で立ち往生したまま放置されている電車の姿が脳裏に焼き付いていた(下2枚:2011年4月26日、福島県南相馬市で撮影)。
現地を取材しようと思った。「復興」の現実がどのようなものか、自分の目で確かめたかった。
そうした取材の結果のうち、福島県・富岡町にある夜ノ森駅へのアクセス道路が開放された時の様子は、本欄でも報告した。9年間立入禁止の朽ち果てた街で、道路だけが「点と線」のように行き来自由という異様な光景だった。地震・津波と原発事故の三重苦で、街がひとつ消えてしまったJR富岡駅前の現在も書いた。富岡町は、住民の95%がいなくなってしまった。
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