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「やっと求めていた人に出会えた」〜僕がHSP外来を担当している理由〜

こんにちは。宇賀神です。この記事では僕が普段どんな風に仕事しているのかについて綴っていきます。(長くなってしまったので... 目次を作りました!気になる項目リンクからご覧ください。)

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HSPさん向けセッションを始めたきっかけ

理由は3つあります。

① 僕自身がHSP・HSSの特徴を持っているから

物心ついた時から「自分だけなのではないか?」そんな孤独感や違和感を感じていました。それが何故なのかが分からなくてずっとモヤモヤしていたのです。HSPという言葉とその研究の経緯を深く学んだことで、「僕はこれだ!」という納得と安堵感が芽生えたのです。身体の内側にある、神経や脳の動きの特徴である。言い換えれば、感情論ではなく身体論であるということがわかったこと。それが僕の納得ポイントでした。

「HSP=生きづらい」ではなく、神経生物学的研究+発達性トラウマ・愛着形成の2重構造によって、敏感性や繊細性の出方が変わるということ。HSPという言葉の捉え方を深く伝え続ける。そう思っています。

僕の考え方詳細については下記に譲ります🔽

② 深い気づきと共感の場所になるから

僕は、言葉だけではなく、相手の表情や視線・姿勢・雰囲気等から、何を考え何を感じていそうかをすぐに察知します(1つの物事に対して10も20も考えが浮かんでくる)。それは「神経的情報処理の深さから来る」からと分かったのですが。それがみんながみんなそうじゃないということに衝撃受けました。

生物学的には、HSP特性を持つ人は全人類の15〜20%と言われています。(最近の研究では、差異感受性や環境感受性について取り上げており、その比率は変わってきているという印象です)。僕が当たり前のように深く気づき、察知してしまう特徴は、HSP特性を持つ方のものであると分かりました。今まで感じていた「孤独感」や「周りと違う」感覚はこれだったと分かったんです。(HSPのことを40年以上研究してくださった先人の皆様へ改めて感謝!)

僕は、同じ特徴を持った方々へ心を込めていくことで、自然と深い気づきと共感が得られることが分かりました。実際、今まで誰にも理解されなかったことが、HSPコミュニティ内で言うと、首がもぎれるくらい頷き、共感が生まれるのです。その共感空間が心地よいので、HSPさんに絞って対応しています。

特別外来に入っているクリニックや経緯については下記参照🔽

③ 「変わる瞬間」を見ることが喜びだから

僕自身がワクワクほっこりする瞬間があります。例えば、今までずっと自分の内側に溜めていたことに気づいた瞬間。「だから今までしんどかったんだぁ〜」と深いため息の瞬間。ふっと表情がゆるんだ瞬間。満面の笑顔になった瞬間。などなど。

身体の内側にあるものは目に見えないから、なかなか感じにくいと思うんです。心を観ること、身体と向き合うことは難しいです。心理セラピーを通して、そんな相手の変化した瞬間を見た時、「深い気づきと変化の瞬間に立ち会えた。力になれたんだ。」と感じて嬉しくなります。

僕自身が心理セラピーを何回も受ける中で、たくさん気づいてきました。たくさんなかったことにしてきた気持ちを出してきました。その度に深く気づき、変化していきました。僕が体感しているからこそ、嬉しいんです。だから、心理セラピー・セッションを提供しています。

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HSP外来セッションで行っていること・流れ

実際にどんな流れで進めているのか?それがイメージしにくいと思いますので説明します。(僕が提供している初回セッションと同じ流れです)

■前提条件:個室もしくはオンラインにて実施しています。(クリニック内は45分。オンラインは60分)心置きなく気持ちを出せる安心安全な空間を心がけています。背景色と身につける僕の衣装は基本白です。多色となると視覚疲労が起きるので、極力シンプルに。一番リラックスできる姿勢で望んでいただきます。途中で飲み物飲んでも、トイレ行っても構いません。しんどくなったや途中でやめてもいいです。個室の場合は、テーブルを挟み、真っ向にならない配置で目線を常に合わせられる角度を心がけています。セッション中はメモとりをしません。目を見ながら対話したいからです。

🟡カウンセリング(現状把握と方向性の決定:10分)

セッションを受けたいということは、何か悩んだり困ったり解決したいことがある、ということです。今感じていること、考えていることを言葉にしていただきます。具体的エピソードや場面があるとより進めやすくなります。(うまく言葉にできなくても、僕から見た相手の表情・視線・雰囲気・姿勢から、大枠の感情を伝えることもできます。この場合はYesNoで回答できるので、うまく話せなくても大丈夫です)

方向性がお互いに一致していないと、得られる効果がなくなってしまいますので、すり合わせは特に意識しています。

🟡HSP特性の説明(定義・DOES・場面の紐解きとすり合わせ:15分)

HSPさんでよくある悩みが「周りが気にしないことをひどく気にしてしまう」「深く考えすぎて行動するのに時間がかかる」「敏感性を誰にも分かってくれない」「敏感に反応してしまって体調を崩してしまう。仕事や人間関係が良くない」というものです。

よくある悩みでも、どんな出来事で?誰から?どの時間帯で?など、状況はさまざまです。そんなお話の奥に秘めた想いを引き出した上で、HSPチェックリストを行っていただきます。(リストは、アーロン博士の研究チームが出している項目で行います。)

・HSPセルフチェックリスト©️HSP Mirai Lab
https://kanseikids.com/wp/wp/wp-content/uploads/2018/11/HSPcheck-2.pdf

・HSS度チェックリスト©️HSP Mirai Lab
https://kanseikids.com/wp/wp/wp-content/uploads/2019/01/HSStest-1901.pdf

※項目数自体はあくまでも目安です。事前にお話を伺っている状態なので、HSP特性を持つかどうかはその時点で判断がしやいです。「あっ、自分はこの特徴があるんだなぁ」と気づいていくだけでも、身体が緩んでいきます。

テレビやネットニュース等で、HSPのことを聞いたことがある方もいらっしゃいます。相手の理解度に合わせて、HSPの概要や定義についても説明する場合があります。

🟡アプローチの流れを決定(心・身体・呼吸どの方向から観ていくか:5分)

HSP特性を持つ方であれば、この時点で深い気づきと安堵感を抱いています。今まで合点いかなかったことが腑に落ちる、ということが多いからです。そして、現在抱いている悩みや問題を解決する近道はどこなのかも、この段階で明確になります。

①心理セラピーを通して、心のブレーキ(リミッティイング・ビリーフ:自分を制限する思い込み)を特定し、そこで感じられなかった感情を感じ消化していきます。

②神経の昂り(交感神経系が常に動く、背側迷走神経複合体の一部によりシャットダウンが起こる等)によって、身体が凝り固まっている状態もよくあります。神経エクササイズを行うことによって、まずは神経を落ち着かせるワークを行います。身体に触れる・労る・いつくしむを意識することがメインとなります。簡単な動作でできる、日常でもできる方法をお伝えします。

③目先の作業に追われている時、自然と呼吸が浅くなっています。または呼吸が止まっています。最初は呼吸を整えるワークを行うことが多いです。「呼吸」の字の順番の通り、「呼=息をはく」「吸=息をすう」の流れでおこないます。息を吐くことで副交感神経系(腹側迷走神経複合体)が優位になりますので、自律神経系のスイッチングを円滑にする働きもあります。

上記3点の視点から、どのアプローチから入ったら効果が出やすいかの仮説を立てます。そのことを話しながら、お互いにすり合わせを行い、今後のセッションのコア部分を決めていきます。

🟡各ワークの実施・所感の共有・今後の方向性(10分)

外来の場合は45分となります。残りの時間は直近ですぐにできるワークを実施したり、次回以降のセッションの方針と流れについて説明したりします。

僕が6年半の時を経て体感したこと、経験したことから言えること。それは、「大きな悩みや生きづらさを解消するには時間がかかる」ということです。今まで蓋をしてきたものと向き合うことになるので、最初はピンと来なかったり、逆にすごく怖かったりします。本物の感情であれば、感じるだけ小さく溶けていき、心の余白が生まれてきます。(代替感情・ニセモノの感情はいくら感じても小さくなることはありません。) だからと言って一気に出してしまうと、過去の僕のように1ヶ月瀕死状態で仕事行けなくなることが起こります笑。なので、今感じられるだけ感じていく。すぐに結果を求めがちですが、コツコツと少しずつ取り組んでいくことが、安全かつ近道となります。

僕が考えている大まかな流れはこんな感じです。

1回目:現状把握・方向性の決定・簡単ワーク紹介。2回〜5回:心理セラピー・みえるからだほぐし®︎ワーク。6〜10回:心・身体・呼吸の整い具合、緩み具合を見てフォロー。(※現在クリニック外来にて観ている傾向から記載しています)

上記は初回1回目の流れを記載しました。2回目以降は、すでにお互いに状況を把握しているので、時間たっぷりセラピー・ワークセッションを行います。

詳細(オンライン日程・料金・内容等)については、こちらでご覧いただけます🔽

※クリニックHSP外来は、人気で埋まっている状況です。だいぶお待たせしてしまう(1ヶ月以上)ことになりますので、個人で受けていただくことをお勧めします。クリニック詳細は下記をご参照ください。

クリニック外来の場合は、初めに受付後、医師の診察が最初にあります。診察の結果、どの担当が一番適しているかを判断してくれますので、自分がHSPがどうかが分からない状態でもオッケーです。

医師の診察において、HSP外来を紹介されたら、僕などのHSP外来担当にて対応する流れとなります。

自分がHSPなのかは分からないけど、しっかりと話をしたい、聞きたいという方もたくさんいらっしゃいますので、お気軽にお問い合わせくださいね☺️

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最後に。僕ができること。

ここまでご覧いただきありがとうございました。医療機関であるクリニックにてHSP外来を担当して1ヶ月半。まだまだ試行錯誤中ですし、手探りなところがあります。HSPという言葉に対する認知に差があることや、各方面からの批判や否定的見方をされることがあります。その度に僕自身が深く察知して落ち込んだり、「本当にこれでいいのだろうか?」と悩んだりする日々です。

でも、HSPさんに絞ることで「僕はこの方法でやっていく」と決意する出来事も起こっています。クリニック外来でお越しいただく方のお言葉。

「やっと求めている人に出会えた」

HSP外来にお越しの男性。複数の病院に行っても解決できなかった。「このクリニックでダメならもう一生しんどい思いをするのか。諦めるしかない」と思っていたそうです。
僕が担当して深く対話した時、「今まで合点の行かなかったことが全部合点いきました!」と満面の笑顔になられたんです。僕はその瞬間に立ち会えて、本当に良かったと思いました。僕自身も嬉しくなって満面の笑顔になりました。

どこに行っても結果が得られない。満たされない。楽にならない。それは言ってしまえば「絶望」です。だから、本来の気持ちや意見をいうことを辞めて生きる。本来の自分を隠して生きると思っています。

時間と労力とお金をかけて、大変な思いをして出会えた場所が僕で。僕と対話いただいたことで、絶望から希望に変わった瞬間とも言えると思います。(オーバーに聞こえるかもしれませんが、それくらいのインパクトということです)僕はその方の表情の変化を見て、大きな変化の瞬間に立ち会えたんだと思いました。

言葉だけではなかなか伝えられなくてもどかしいくらい、「やっと求めている人に出会えた」という言葉は感慨深いのです。

その経験から、これからもHSPさん向けのセッションを続けていこう。そう改めて決意ができました。

僕ができること。それはHSPさんにとっての「今の自分と向き合う場所づくり」「本当の気持ちや意見をさらけ出す空間づくり」「深い気づきと変化の居場所づくり」です。

最後までお読みくださりありがとうございました。また書きます。

宇賀神

■セッション詳細とお申し込み



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