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【読書記録】愛とためらいの哲学

☆キーワード
愛、アドラー心理学、男女関係、人間関係、結婚、離婚

☆ドッグイヤー

第一章 

恋愛が実際に困難なので恋愛を避けようとするのではありません。恋愛を避けるために恋愛は困難だと思わなければならないのです。 p7
愛とためらいの哲学/岸見一郎
ためらうのは、自分の気持ちを受け入れてもらえなかった時、そのことで自分が傷つくことを恐れるからです。 p32
愛とためらいの哲学/岸見一郎

一章では、なぜ恋愛がうまくいかないのか、という点を心理学者の見解を用いて論じられています。
上の2つの考え方は「嫌われる勇気」でも書かれている理論と同じく、物事を原因論ではなく目的論で考えるという内容で、恋愛が上手くいかないのは上手くいっては困るから、上手くいくはずがないと言う理由を自分で作っている。まさにその通り...。

想像力を働かせるのは嫉妬する人だけがすることです。愛している人は嫉妬などしません。(中略)本当は愛されていても、自信がなければ、愛されていないのではないか、いつかライバルが現れるのではないかという不安に駆られることになります。これは劣等感であり、相手を引き止められないと恐れている人が創り出す感情なのです。 p60
愛とためらいの哲学/岸見一郎
愛とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけることである。 p 63
愛とためらいの哲学/岸見一郎
恋愛がうまくいかないことを恐れる人は自信を持とうとしません。また、関心が自分にしか向いていません。自分や恋愛しようとする人、またその人との関係のあり方について根本的に考えを変えなければ、相手が変わっても同じことを繰り返すことになるでしょう。p64
愛とためらいの哲学/岸見一郎

「自信」というワードにどれだけ悩まされてきたか…。今でも悩んでおりますが。。
そもそも、「自分を信じる」って感覚がよく分からない。でも最近よく思う事があって。私はとにかく誠実性が低くて自分との約束が苦手なんです。期限とかやりきれなかったらできなかった自分が嫌になるからガントを切ることができないんです。これって全く自分を信じれてないって事ですよね、、。もしかして自分との約束を守るって体験を増やしていったらなにか変わってくるのかな?うーん。。。

第二章

ともあれ、どんな形であれ、誰かが誰かを自分の欲求を達成するための手段として利用している限り、その人は相手を犠牲にしているのです。 p76
愛とためらいの哲学/岸見一郎 
甘やかされて育った子どものように与えられることだけを期待するのは間違いですが、「与える」ということを相手を喜ばせるという意味に考えるのも間違いです。 p81
愛とためらいの哲学/岸見一郎 

私は「与える」ことさえしていれば、それがイコール相手を大切にしていることになると思いこんでいた節があったかもしれません。
見返りなんて求めてないといいつつ、心の中では求めていたのかもしれない。「与える」ということを相手を喜ばせるという意味に考えるのも間違いーーこの一節刺さりすぎました。
もっと相手目線で人を思いやれる人間になりたい。

第三章

この人とは一緒にやっていけないと思ったから、別れる理由を見つけるために相手が違って見えてくるのです。どんなことでも、たとえ以前は長所だと思っていたことでも短所に見え、それを別れることの理由にするのです。  p89
愛とためらいの哲学/岸見一郎  
愛には狂気といってもよい、非合理な面もありますが、衝動が誰かを愛する思いを作り出しているわけではなく、この人を愛そうという決心が最初にあると見た方が、恋愛において起こっていることを適切に理解できるでしょう。 p92
愛とためらいの哲学/岸見一郎

恋愛が盛り上がる初期ってなんでも加点方式なんだけど、この人とは一緒に居れないかもしれないと感じると、途端に別れる理由を探し出す。
そしたら長所と思っていた「優しさ」が「頼りない」という短所に見えたりしてしまったり、一度そう見えちゃうと本当に止まらないですよね。
自分がそうなってしまった事も、そうなられた経験もどちらもあるなぁ。

もうどうにもならないじゃん!と心をえぐられた後に続いた
この人を愛そうという決心が最初にあると見た方が、恋愛において起こっていることを適切に理解できるという一文は、私の中では大きな気付きでした。
きっかけは好き、嫌いの感覚でいいんだと思う。でも、そこから長くこの人と居たいと思うのならば、感覚だけではなく頭でもきちんと噛み砕いておく。
恋愛においてはとにかく猪突猛進で爆死しがちな私には救いのような一文でした。

愛が経験である以上、愛には更新していく努力が不可欠になります。 p102
愛とためらいの哲学/岸見一郎
何か特別なことをしなくても、自分が生きている、存在しているということを他者から認められていると思えることは、自分に価値があると認めるための重要な出発点です。 p110
愛とためらいの哲学/岸見一郎

私は、自分が思っていないところで、相手に何かしらの役割を背負わせてしまっていたかもしれません。

「こういうことをしてくれたから好き」「私のことを一番に思ってくれるから好き」今までお付き合いした相手には無意識にそういう伝え方をしてしまっていたかもしれません。

でも本当に愛していれば、ただ存在してくれるだけで嬉しい。本当にそうなるのかもしれない。私はまだその境地まで至った事はないな。そういう風に思えるのは妹だけかな。1人いるだけでも十分幸せなんだけど。

失恋の悩みは、振られても諦められない事です。しかし、相手が自分をどう思っていようと愛せる人には、本来、失恋は存在しないのです。 p112
愛とためらいの哲学/岸見一郎
自分が相手を愛するのと同じように、相手が自分を愛さないのなら、私も相手を愛さないというのであれば、それは愛ではなく一種の取引です。 p115
愛とためらいの哲学/岸見一郎
本当の意味で他者を愛する人にとっては、相手から必要とされていると感じることすらも必要ではありません。 p117
愛とためらいの哲学/岸見一郎
自立とは、消して一人で生きること、自分のことを自分だけでできるようになることではありません。むしろ「私」のためではなく、「私たち」のためを考え、私ではなく「私たち」の幸福を達成するという課題に向き合えるようになることなのです。 p119
愛とためらいの哲学/岸見一郎

この章は相手の気持ちが離れちゃう本質についても触れられていて、グザっとくる部分も多かったけど、見て見ぬフリをしていた部分と向き合う良いきっかけになったように思います。
そして、人を愛するというのがどういう事なのかという本題にどんどん近づいていきます。

第四章

相手のことを理解できないことが問題なのではなく、理解できていないことを知らない、理解できていると思い込んでいることが問題なのです。(中略)そもそも、相手を理解できないということを前提に付き合う方が、理解できると思って付き合うより安全です。 p156
愛とためらいの哲学/岸見一郎
今日は昨日の繰り返しではなく、明日は今日の延長ではありません。 p160
愛とためらいの哲学/岸見一郎
尊敬とは、「愛する人が、私のためにではなく、その人自身のために、その人なりのやり方で、成長していってほしいと願う」こと p165
愛とためらいの哲学/岸見一郎

『相手の事を100%理解することはできない』これも私がずっと躓いてきた言葉かもしれません。
それはわかってる、でも理解したい〜!!そればっかりだったかもしれません。(この辺は私の素質である収集心、原点思考も影響しているかも…)
相手を知りたい気持ちの根底には、過去を知っておいて相手の嫌な事をしないようにしたい、相手によって心地よい相手になりたい。。。そういう思考があったように思います。

でも、自分がそうであるように人の気持ちなんて簡単に変わるし、コントロールできないものですよね。
むしろ影響しあって気持ちに変化がないと一緒にいても楽しくないよな。。

「理解できない」を前提に向き合う。この姿勢は全ての人間関係で大事にしたいと思いました。

対人関係のトラブルは、他人の課題にいわば土足で踏み込んだり、踏み込まれたりすることから起こります。 p171
愛とためらいの哲学/岸見一郎

これも間違いない格言。
気を付けているけど胸に刻んでおくために書き置き。

これからどう生きていくのかという目標が一致していなければ、良い関係を築くことはできませんし、二人が直面する問題を解決することができません。 p172
愛とためらいの哲学/岸見一郎

これは真理だと思います。
目標は最初から大きくなくて良いと思います。いつか二人で◯◯に行きたいとか、◯◯できるようになりたいとか。
短期的、中期的な目標がある方が絶対に関係は長続きする。
次に誰かとお付き合いすることがあったら、内面磨きだけではなくてこういうすり合わせをする努力をしたいな。

☆まとめ

何かを変えない限り結果も変わらない。
これは仕事でも言えることだし恋愛でも同じなんだと思います。

仕事だとプロセスを洗い出しやすいし感情論が少ないので、改善点も発見しやすいのですが、
恋愛においては何を変えれば良いのかわからない。。
そもそも相手の問題なのか、自分の問題なのか?
私はそんな状態だったので、この本に書かれている内容は目から鱗なことだらけでした。

同じ著者の「嫌われる勇気」もとても素晴らしいですが、
自己肯定感の低い人間には、そんなにすぐ思考クセを変えられないよ〜〜という内容が多いです。
でも、この本の内容はテーマを愛に絞って
多方面の考え方を取り入れている事から、
無理せず日常に取り入れやすい内容が多いかなと感じております。

電子書籍で読みましたが
紙の本も購入してずっと家に置いておきたい一冊です。

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