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また私が読み返したいと思える記事をまとめています。
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#詩

【詩】指をさせ

やり直しの効かない人生 笑いながら指をさせ 大人なんだからなんて うるさいほど耳の奥で こびりついて 離れないほど 聞いてる もう諦めなよ 笑いながら指をさせ 掴めない可能性を 決めつけるのは 一体誰だ 耳を貸さないのは こっちだ いい加減にしな 笑いながら指をさせ 口を出さないでただ見てろ バカにされてる人生を いま生きてんだ 夢なんて消えたと言われても 大人なんだからなんて いい訳言いながら 煮え切らない 人生に夢があるなら そんなの見たくない こっち

noteという季節のなかで書いていた。

noteを始めてから、はじめてのほぼ8日間 お休みしていた。 なんどか、この真っ白い海原に来ては やっぱり書けそうかなって思っていた。 浅瀬の海底に足がつくところまでを 信じて、溺れないから大丈夫って 言い聞かせながら。 泳ごうと思いながら、クロールをして みるのだけれど。 少し泳いだふりをしては、海底の砂に 足をつけてみたりして。 noteのこの真っ白い大海原は離れて みると、遠い場所になっていて。 すこし水に触れるのがこわいように 感じていた。

何をしていなくても 小石は

 心に小石を投じて 波紋が広がる  ぽわん ゆらん  ゆれる 心に 怒りが伴う  心に小石を投じて 波紋が広がる  ほわん ほわん  ゆれる 心に 悲しみが伴う  心に小石を投じて 波紋が広がる  ゆらん ゆらん  ゆれる 心に 不安が伴う  心に小石を投じて 波紋が広がる  ゆらん ぽわん  ゆれる 心に 疑問が伴う  心の水面を 眺め続けて  ゆれる波紋 広がる感情  何とは言い難い 何とは言い表せない  嫌な気持ちを 受けながら  小石を

【詩】救済

心の深いところにある 誰にも話さない痛みに 苦しむことがある 誰も傷つけたくないし 誰にも傷つけられたくない 忘れていない痛みが 置き去りのまま たまに疼くけど そっと蓋をする 天使でもなければ 悪魔でもない 太陽があれば 月もある 見るのは奥じゃなくて 表面でいて 傷が私を呼び起こすから 心の奥を見ないで 本当は君がそっと 傷に触って優しい気持ちで 雲一つない空に向かって 癒し給えと言って欲しい 邪悪な色をした言葉が 取り囲んで 仕方なく言うことを聞いた時 自分

【詩】残された手紙

あの頃は自分の言うことが正義で 当たり前のように人を断罪して 胸を張って間違いを犯していた そんなことも思っていなかった きっとそんなことだ 振りかざす頑固で硬すぎる正しさは 人を傷つけるには十分 謝るなんてこと頭になかった きっと間違っていない あなたはなぜ一人 全身から溢れる振りかざされた 正しさはメッキのようだ その正義には根拠が見えない ねえ父さん 自分に自分の正義が正しいか 聞いてみてよ 振り回されて聞きかじったことを信じて 誰よりも饒舌に分かっ

【詩】つくる手

ろくろを回して作る器 何回やっても上手くいかなくて 途中でぐちゃぐちゃになってしまう そっとあなたが手を添えると 美しい曲線の器が 目の前にあらわれる わたしが何かをすると あなたは静かに眺めて 見守ってくれる 転げるように 繕っていたものが 剥がれ落ちてゆく もがけども 望んでいた方向とは 逆の方向に流されてゆく 座り込んで空を見ている ただのわたし そんなわたしをあなたは 名を呼び 引き寄せ 抱きしめ 温め 赦して 涙をぬぐってくれる あなたが行

【詩】Scene

震える心の独り バス帰りの中から見る朝日 後ろから聞こえる溜息 空気が凍る家族のリビング 後ろ指をさされる片足の少年 飲みたくないのに飲むアルコール 暗闇に光るスマホの画面 画面に映る自分の顔 冷え切った弁当 シンクにあるのはコップだけ いつまでも来ない返事 眠れない時間を文字で埋める指 部屋に転がるペットボトル 履きつぶした靴 すがるのも無駄な偽者 見覚えのある横顔 違う世界が交叉する瞬間 冷え切った空気の月 忘れていた温もりのある手

現代俳句 作品集 〜700句〜

現代語を基本にした俳句集です。 現代語・現代仮名づかい・現代的切れ字を基本にして詠んだ句を集めました。 お時間があるときにご覧になってみてください。 下記の古典語や歴史的仮名づかい・古典的切れ字を使っていないこともご確認ください。 や・かな・けり・たる・たり・なる・なり・あり・をり・ぬ・べし・にて・らむ・けむ・とや・てふ・ゐて・ゐし・し・き・等々 また現代語(口語体)で俳句を詠むと俗・稚拙になるのかについても検証など行ってみてください。 ※作品はすべて既発表句です

【詩】無色透明

精一杯言えないものを抱えて生きてきた モノクロの世界で十分に生きて来た 必死に笑顔を作って君の答えにいつも答えたんだ 皆にだって本当のことなんて言わないで 聞き逃さないように言葉尻に注意を払って 僕の答えが消えそうになったとしても 君が笑えるために僕が消えても 僕がたとえ無色になっても ただ認めて欲しかったから それだけのために 自分の色を皆に見せる前に消すんだ 自分を殺しながら 影を抱えながら 僕がここにいるって 叫ぼうとするたびに 僕はどんど