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医療も心理学もこれからは統合の時代

心理カウンセラーとして、臨床経験を積むだけの時代を終え、指導カウンセラーとして学術団体の役務などを持つようになると、医師の友人などもできるようになった。
彼らとの話は本当に面白い。
それは特に昼間の時間よりも、夜の飲み会などの時間。
普段社会的な立場は、間違いなく医師の方が上なわけだが、心理カウンセリング技能の話となれば、逆にこちらが先生になる。

心理カウンセラーが医師よりも強いもの

先進的な医療では既に両者は同権でチームとして関わるらしいけれども、やはり未だその格差は酷いと言えるのが実際。
ただし、彼ら(心理カウンセラーを下に見ない稀有な友人医師たち)と話すと明確にこちらがアドバイザーになるシーンがある。
それは日常生活と心の持ち方、人間関係などの分野。
この分野はやはり、医師たちが重視する症状よりも、日常とそこに込められた心持ちを傾聴しているカウンセラーの方が強いのである。

“ある症状”が医療とカウンセラーをチームにした

ただ、医師達も手をこまねく共通の症状がある。
それはせん妄という症状。
軽い表現で言えばちょっと悪質な“寝ぼけ”で、もう少しネガティブに表現するなら“気が違った”とも言える状態。
感覚は幻覚的で、言うことも甚だまともではない。精神科医師なら誰もが知る代表的な症状の一つ。
これについての対応策は、主に三つだと言う。
それは生物的・心理的・社会的というアプローチ。
生物的には、やはり投薬で治療をする。
心理的には対話が可能であれば、ストレス源を探り対処したり、“思い込み”による勘違いを解除したりする。
社会的には、家族や職場での人間関係などを探り、最近孤立化していなかったかなどを調べたり、周囲からの関わり方を変えてもらったりする。その場合に家族などの協力が必要なのは言うまでもない。
せん妄は、この三分野のどれが楽になっても症状が落ち着く可能性があり、総合的なストレスを対処する。だからこそのチーム医療なのだろう。
ちなみに筆者は、最後の社会的なアプローチが得意な心理カウンセラーで、このタイプのカウンセラーはまだ日本に少ない。

心理学も同様に三分野であるべき

筆者は、心理カウンセリングも、こういう総合的で統合的なアプローチができる方が良いと考える。
家庭でDVを受けていながら、「なんで殴られても出ていかないのでしょうね」などと悠長に聴いていくよりも、殴られない対話法をアドバイスしたり、酷すぎる状態なら施設を紹介したりする方が良いだろう。
心理カウンセラーは心の専門家だから、そういった家庭的な問題や社会的な問題の早急な対策は苦手。
「とにかく気持ちを聴くことに徹するのだ」
よく昔からそう言われる。
筆者としては、「そんなこと言ってるから、心理カウンセリングがいつまでも日本に根付かないんだ」と言いたい。
今回の表題の通り「医療も心理学もこれからは統合の時代」。
やはり時代はその方向に向かっているのだと思っている。

#心理カウンセリング #心理学 #医療 #チーム医療 #つぶやき #せん妄 #メンタルヘルス

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