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○○○○○すると、小さな欲は消えるらしい


某月某日ルポ

久しぶりに福岡市を訪れた。
社会人の時に住んでいたし、福岡市でスクールをやっていたこともあるので、ある程度地理には詳しい。
当然「行きつけの店」がある。
ただし私の「行きつけの店」は、アパレルショップとカフェだ。
お酒を見かけによらず(そう言われる)得意としないので、シャンパン一杯で食べられるイタリアンくらいしか知らない。
むしろランチの方が詳しい。

そんな私の行きつけのアパレルショップに、次々に入ってみた。

元々ファッションが好きで、ファッション業界の広報担当の採用試験を受けて内定をもらったこともあるくらいだ。
結局は客室乗務員に合格して、ファッション業界に行くのをやめたが、あの時ファッション業界を選んでいたらどんな人生だったのだろうか、と時々思う。

まあそんな理由で、アパレルショップに行くのも好きだし、そこの販売のお姉さんと親しくなることも得意なようだし、(その代わり彼女たちは突然退職していなくなるが)ファッション雑誌もKindle Unlimitedで不定期だが良く見ている。
ファッションコーディネートが参考になるのだ。

外出時にアパレル店を覗いてみるというのは、一種の趣味になっている。
ましてや久しぶりの福岡市だ。
今や人口160万人を突破して尚増え続けている、日本でも有数の政令指定都市だ。

そんな中、「鬼門」と心の中で呼んでいるショップがある。

「あの店に行くと、つい買ってしまう」
と言う意味の鬼門だ。

その鬼門その1に入った。
元々値段が安いので尚更簡単に手に取ってしまう。
さらにセール時期であり、ありえないほどの価格になっている。
かなり「危険な」状況だ。
白のカーディガンがラスト一枚だった!

私のすぐ後から来た若い女子が、私が一瞬早くこの白のカーディガンを手に取ったので「ああ」と言う声が聞こえた気がした。
そうなると、この一枚がすごく貴重な気がして、余計に手放せない。

世界一周帰国後、服を一着も買ってないのに、まさかその「掟」は破られるのか?(掟でもなんでもないけど、服は買わなーい、と家族に言った手前)

何度かこのカーディガンを持って鏡で確認するが、どうもピンとこない。
せめて今流行りの「白✖️白コーデ」でもできたら、と白のスカートを探すが、ない。
そのうち「このカーディガンが増えたらクローゼットが狭くなる」と思い、結局手放す。ごめんね、さっきのお姉さん。

その後もアパレルショップ巡りは続く。
とうとう90%の確率で買っているショップに足を踏み入れた。

なんとこの店が「本気」を出してる!
とすぐにわかった。

セールは終盤のようで、値段別に陳列してある。
それも下は、990円から。
やばい。かなりやばい。
(それなら行くな、と言う声が聞こえてきそう)

赤のワンピースと赤のパンツを手に取る。
さらに白のニットジャケットを手に取る。
やっぱり白が気になっているらしい。

何度か鏡で合わせ、パンツを買おうかと思った時、実はかなりスリットが入っていて、歩けば足がかなり見えることが判明した。
無理だ、そう思ってラックに戻す。

白のニットジャケットは買う寸前まで行った。
でも似たようなグレーのニットジャケットを持っているのを思い出した。
「別にいらないか」
そう言ってラックに戻した。

赤のワンピースに再度戻る。
鏡に映る姿を見て「そう言えば赤のワンピースも持ってる」ことに気づき、結局三度、三着ともにラックに戻した。

これで、鬼門のショップにも、本気のセールにも負けなかった。
途中家族に報告すると「お財布、負けるな~」と意味不明なメッセージが来た。

それでも久しぶりに来た福岡市を堪能するかのように、アパレルショップ巡りは続く。
でも所詮、鬼門ではない。
もうどんなセール価格にもびくともしない。

こうして久しぶりの福岡市でのアパレルショップ巡りは、私と私の財布の完全勝利に終わった。

途中軽食を取りながらの、二時間ほどのショップ巡りだったが、終わってみれば清々しい気分だった。
もう鬼門はなくなったのかも知れない。

なぜ、私は勝利できたのか?
それは多分「満たされてるから」

好きなように生きて、
好きなことをしているし、
既に服を断捨離し、一つのクローゼットにオールシーズンの服が色別に収納されている。

全てお気に入りのものたちで、きちんとした場での服からカジュアルまで、さらには喪服まで整っていることに、満足しているらしい。
これ以上物を増やしたくないし、既に定番のコーディネートが決まっているので新しいコーディネートを考えたくないし、増やしたくない。
そんな色々な理由もあって、鬼門に負けなくなったようだ。

「心から満足」すると小さな欲は消えるんだと気づいた一日だった。

女性の方にはわかる話だと思いますが、
男性にはわからない話だったかも知れません。

今日、185センチくらいの身長に、ロングヘアのモデルのような男性を見かけました。
有名ブランドの黒のボストンバッグが、体型にもご本人にもすごく似合ってて、極めつけは、その高身長にピッタリの茶色のツイードの高級ロングコート!
かなりのオシャレな30代だと思いました。

自分を知ってるなーと思いました。
男性もオシャレな人がいると、嬉しいです。

これからも数は少なくていいので、本当にお気に入りの、できれば自分に似合う服だけで生きていこうと思います。

ファッションは生き様、という言葉もあります。
これからも好きなファッションにこだわっていこうと思いました!
長文を最後までご覧いただきありがとうございました!


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