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マニュアルの限界

(写真と本文は関係ありません)

先日あるカフェで、軽い食事をした。
セルフ方式のため、自分で注文したものを取っていくのだが、調理に時間がかかるものは、スタッフの人がテーブルまで持ってきてくれる。

その際に気づいたのだ。
「マニュアルには限界がある」と。

テーブルまで持ってきてくれるスタッフは、男性。
しかし男性としては、声が高めで、とてもハキハキと話し、言葉遣いは完璧で、マニュアル通り、何度でも一字一句間違えずに言えている。

この時店内には5人ほどしかお客がおらず、BGMは流れているが、静かだった。

その中、このスタッフの声は大変よく響き、通る。
「ハキハキした人だな」
と言う印象を持った。

だが2回目、3回目になると、声が大きく感じ、思わずそちらを見てしまう。

やがて違和感に変わっていき、その理由を考えた。

彼は忠実に仕事をこなしている。
だけど「一切の応用がない」のだ。

つまり「マニュアル通りにはやっているが、
マニュアルに書いてないことは、判断できないし、
していない」のだ。

混雑している店内ではある程度大きな声も必要だろう。
しかし、少ないお客しかいない店内で、あれほど大きな声は必要ない。
仕事をしているお客にとってはむしろ邪魔であり、
その決まりきった言葉を聞かされている、
注文の品を持ってきてもらったお客も、その決まりきった言葉をずっと聞かされることになる。

これはサービスではなく、
むしろ、彼のデモンストレーション、
アピールの場ではないかと思ったほどだ。

マニュアルの限界とは、

・マニュアルに書いていないことができない。
・マニュアルに書かれているものは、なんのために必要かを、教えないし、考えないことだ。

マニュアルがないと仕事ができないのは、最初だけのはず。
その後は、自分で考え、何よりこの仕事は本当に
お客様のためになっているのかを振り返ってほしいと
心から思った。

マニュアル通りにやることは、仕事の始まり。
そこから先に、本当の仕事があるのだ。


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