人生の運転技術
人生という道を歩いていくには、歩き方や運転技術が必要だ。
赤ちゃんの時には、お世話をしてくれる人の手があって初めて生きていける状態だが、その後立って、歩いて、自我が芽生え、学習し、考え、悩み、友達や周りの人の影響を受け、大人になっていく。
ただ、人生の歩き方や運転の仕方は学校で教わらない。
むしろ、人生を歩くのに必要なスキル、道具を手に入れるために学校で学んでいる。
では、人生の歩き方、運転の仕方は知らなくてもいいのか、というとやはり試行錯誤しながらも上手くなっていく方が、幸福度が上がるように思う。
私が人生の歩き方を学んだのは、本だった。
いろんな人が書いたエッセイだ。
一度も会ったことがない著名人や作家の方々の青春時代や、人生が書かれている本を読むと、自分の周りの大人とは全く違う生き方をしている人たちの人生を知ることができた。
それが面白くて、10代後半からの学生時代はエッセイを読み漁った。
最終的には自分が共感した人たちの生き方のエッセンスを取り入れたり、参考にさせていただいたと思っている。
私にとっては、エッセイが生き方の教科書だったのだ。
その後就職、結婚、出産、仕事復帰、スクール開校等人生のイベントごとはあったが、思いがけない辛いことも、おそらく人並み以上にあったように思う。
その都度、生き方を修正したり、考えてみたり、本を読み、人生の歩き方、運転の仕方を変えてきた。
そして実は今、人生で一番幸せだな、と思う日々が続いている。
なんで、こんなに幸せだと思うんだろう。
若い時より全然今の方が幸せなんだけど。
考えてみてもそれは、決して裕福になったとか、有名になったとかではない。
自分の目的地がわかり、人生を運転する車はどんな車種がよくて、どのくらいのスピードで走り、途中障害物やハプニングがあっても、それを回避したり、克服する「運転技術が上がったからだ」と気づいた。
年を重ねると、ネガテイブなことばかりが気になる。
肌の老化
体型の崩れ
記憶力
健康不安
などだ。
しかし、良いこともある。
それが「人生の運転技術が上がること」だとわかった。
運転技術を上げるためには、
運転し続けること→スローでもいいので前に進む
自分の癖を知る→自分の性格や求めているものを知る、明らかにする
ハプニングに対処する→困難なことがあった時に、時間がかかっても乗り越える
③はなかなか難しいことだが、運転技術が上がれば、年齢を重ねたときに幸福感が上がると私は思っている。
「若い時の苦労は買ってでもしろ」
と昔は言われたが、今は「買ってでもしろ」とは思わない。
ただ、「苦労」がやってきたら、避けたり、別ルートを通ったり、乗り越える工夫はしてみてもいいのではないか、と思っている。
なぜならその次同じ苦労が来ても一度乗り越えていれば、運転技術は上がっているから。
自分の好みの人生を、自分の好きなスピードで、ハプニングがあってもうまく避けたり、別ルートを通ったりしながら慣れていけば、人生後半で最高の幸福感を味わえる可能性は高いと思っている。
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