本を読む効能と活かし方②
本を読んでどう活かすか
本を読む効能を書いていたら、かなり長くなってしまったので、
今日は活かし方について書こうと思う。
人に薦められた本
仕事柄生徒さんや卒業生たちに、自分が読んでよかった本の紹介をすることがあるのだが、私自身は人から勧められた本で良かったものは実はほとんどない。
自分の愛読書になっている本は、実は全て自分で見つけたものだ。
ただ、最近全く個人的に知らない教育系YouTuberの方が薦めていた本を買って、
それはすごくよかった。
ここからわかるのは、個人的に知っている人でも趣味や考え方が違う人の薦める本はまず自分に合わず、考え方などに賛同している人のお薦めはたとえ個人的に知らなくても「当たる」と言うことだと思う。
そこで生徒さんや卒業生に薦めるのだが、実際にすごくよかったと言われたこともあるし、反応がなかったケースもある。(実際には読んでないかもしれない 笑)
本好きな人にしか、本は薦めてはいけないのだと思って、少し反省している。
何がいいたいのか?というと、本を読む習慣がある人は、大抵の場合
「何かを知りたい」
「何かを解決したい」
と思って本を読む、または自分の完全な楽しみ、と言う人以外には本は薦めてはいけない、と言うこと。
私なりの3つの活かし方
まず必要に迫られて本を読む場合の活かし方について、書こう。
私は次の活かし方をしていると思う。
まず全てを読んで、「すぐ実行したい」と言う気持ちになったら、すぐにやる。
でも「はずれ」の本の場合、この「すぐ実行したい」と言う気持ちが起きない。
どんなに自分に引き寄せて読んでみても、自分と対話して読んでみてもすぐに実行したい、と言う気持ちが起きない場合がある。
そんな時は、途中で読むのをやめる場合もある。
なんて勿体無い、と思うかもしれないが、そもそも必要に迫られて読んでいるのに、その内容に賛同できない、この人の言うことをやりたいとは思わない、と言う場合は最初の10ページくらいでもわかると思うから、読み続けるのは時間の無駄だと思っている。
もちろんこれはかなり多くの本を、長期間にわたって読み、読みながら自分と対話ができるからこそ、
「自分との相性」がわかるのだと思う。
つまり「相性がいい作家の本は、すぐに行動したくなるし、全てを取り入れたいと思う」ものだ。
20代にハマったジャンル
20代、学生の頃ハマっていたのは「エッセイ」だった。
自分の生き方を模索していて、母親や身近な女性以外の生き方をしている女性を知りたかったのだと思う。
そして、たどり着いたのが「桐島洋子さん」「落合惠子さん」だった。
ご存知の方はすぐにわかると思うが、このお二人の共通点は、「強い女性」。
男女雇用機会均等法もない時代に、男性に頼らず、自力で生きていくことを選択または余儀なくされ、それでもしっかりと自立して生きている女性たちだ。
そこでこのお二人のエッセイを読み漁った。
ありがたいことに母からは、「本代をケチるな」「本を書いたかったらいいなさい。お金は出してあげる」と言う環境で育っていたので、本を思う存分読むことができた。
これは母に感謝だ。
お二人のエッセイを読んでは、すぐに実行できることは実行したいと思えた。
何よりその強い自立した生き方は、今でも私の中に深く根付いているのが「影響を受けた」何よりの証だ。
このように、自分がすぐにできることや生き方に取り込むのが、本の一つの活かし方だ。
そして「すぐに実行したい」という気持ちがわかない本は、自分には合っていないのだから、途中で読むのをやめていい、と私は思っている。
しかし、案外多くの人が「本を最後まで読みきったこと」に価値を置いている気がする。
「積読している本」は絶対に読まないといけないと思っているようだ。
私はちなみに積読をするのは、長期休みの前2、3日だけだ。
長期休みで時間を気にせず、の夜中まででも読むぞーと思って買い貯めているから、一時的に積読になっているだけで、1ヶ月も、2ヶ月も積読になっているなんて、私は信じられない。
読みたくて読みたくて仕方がなくなるから、積んでいる暇がない。
その場合、その本は自分にとって必要なのではなく、「義務」で読もうとしているだけに思える。
「義務」で本を読んでも、「読み終えた」と言う達成感は残るかも知れないが、その後自分に生かすことはできないのではないか、と思っている。
そして必要に迫られて読んでいるのに、何も活かせないのであれば、その本を読んだ時間がもったいない。
必要に迫られて本を読むと言うことは、即実行したいと思え、実行することがセットになった方が良い、と言うかそれをもとめているはずだから。
もう一つの活かし方は、自分が好きで読んでいる小説の活かし方だ。
それは名作家と言われる方々の文章を繰り返し読み続けたことによる、語彙力と表現力が身についたことだと思う。
職業柄生徒さんたちのエントリーシートを今まで延べ10,000回は添削している。
その時にまず文章を読むのが早く、(これも読書経験のおかげ)添削するポイントがすぐにわかり、おそらく適切な文章や表現に変えることができている。
そして書類通過率は90%くらいだ。
あまりにも私が早く読み、早く添削をするので、生徒さんから「先生、もう読んだんですか」とか「本当に読んでるんですか」と言われたこともあるが、もちろん読んでいるし、普段立派な作家の方々の名文に触れているからこそ、突っかかる部分はすぐにわかるのだ。
語彙力も面接指導でも発揮出てきている。
生徒さんがいいたいことはあるんだけど、明確な言葉にできていない場合の「言語化」は私の一番得意なことだと思っている。
本はこのような活かし方もできるんだと思って感謝している。
そういえば、エントリーシートをあまり添削しなくていい人がいる。
つまり最初から分かりやすく、筋の通った文章を書ける人だが、この人たちの共通点は
「読書好き」だ。
これはおそらく100%間違いない。
最後に、本を理由に関わらず読むことで自分に活かせているのは、好奇心をいつまでもも持ち続けられていることだと思っている。
ネットで得た情報をさらに深めたい、もっと知りたいと思ったときは、本を読む。
この習慣が根付いてるので、好奇心がいつまでもなくらないのではないか、と思っている。
私には90歳近い伯母がいるが、伯父を亡くした今も、頭も体も元気で、腰も曲がっていない。その伯母の楽しみの一つが、読書だ。
どんな本を読んでいるのか、あまり聞いたことがないが、「本がないと落ち着かないの」と言うくらいだ。
そして伯母は見た目にも若い。
好奇心がある人はいつまで経っても若く見える「アンチエイジングの特効薬」ではないか、と密かに思っている。
最後に
取り入れることはすぐに取り入れ、語彙力、表現力アップにつながり、いつまでも好奇心旺盛でいられる。
これらが私にとっての「本を読むことの活かし方」だ。
本を読み、活かし方を知ると、読書は本当に楽しいし、何と贅沢な時間だと思えるようになる。
自分の頭の中で映画監督になれ、生き方を学び、スキルが身につき、いつまでも若くいられる。
こんなに良い事だらけのものが、他にあるんだろうか、と思う。
くれぐれも読書は「義務」ではなく「楽しみ」であること、楽しいからこそ活かせるのだと言うことを最後に伝えたい。
本を読むことは、勉強ではなく、趣味つまり楽しいことなんだ、と。
本を読むことが勉強だとか、義務に思える人は、無理に本を読む必要はないと思う。
ただ、読み方を変えてみたらもしかすると読書の楽しさがわかるかもしれない。
そして、「楽しい」と思って読むからこそ、活かせるのだと思う。
そのためにもまずは本屋で本を手に取り、数ページをスラスラと読める一冊を見つけてほしい。
それがその時のあなたにとって合っている、そしてその時のあなたにとって必要な本だから。
あなたのお友達に必要でも、あなたに必要な本かどうかはわからない。
その自分にとって合う本を見つけるところから、すでにワクワクする読書の楽しみは始まっているのだから。
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