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やってみなければわからない

「何事もやってみなければわからない」

と言う言葉を聞いたことがあるだろう。
そして、ほとんどの人がこれに賛成をするだろう。

では、実際に「やってみているのか」と言われると、ガクンとその割合は減る気がしている。

その理由は、個人個人違うだろうが、想像はできる。

「意味がないと言われた」「時間の無駄だと思った」「今まで誰もやったことがないとわかった」などの理由が多いような気がする。

私もその1人だったと思うからだ。

作家デビューするのは、大半が若い人たち。
だから、いまさら私がやっても可能性がない、と40代の時も思っていた。

今思えば、大馬鹿だ。

でも、書きたいという情熱だけは、燻り続けていて、その情熱に負けた。
やっぱりやってみたいから、やってみることにした。

仕事を辞め、
人間関係を整理し、
物を減らして仕事部屋を作った。

時間のほぼ全てを、書くことと読むことに費やし始めた。
「読者」としてではなく、「作者」として読み始めた。

本が売れない、とよく聞く。
実際には「本を読みたい人」「読みたくなるほど面白い本」を
求めている人は、世の中たくさんいるんだ、と知った。
私が、かつて長期休みの前に、本を大量に買い込んで、ニヤニヤしながら徹夜して読んだように、読みたい人はたくさんいることも知った。

一方で、本に全く興味がない人もいる。
それは、きっと昔から変わらない。

では、「私たち」本が好きな人間は、何を求めているのか?

思わず読んでしまう、引き込まれる物語と文章を求めているのだ。
渇望していると言ってもいいかもしれない。
そして、決して飽きることもない。

そんな物語とは、文章とはどんなものなのか、を探りながら本を読み始めたのだ。

「読者のまま」だったら、絶対に気づかなかったことだ。

もちろん、「本の読み方」について書いてある本も出版されている。
しかし、どれもピンとこず、結局自分で感じた感覚から、答えを見つけるのが一番いいと知った。

これだけでも「やってみなければわからない」ことだった。

作家になると決めてから、(決めるだけなら、誰でもできるが)覚悟をした。
3ヶ月経つ今、私の生活も脳みそも、全て書くことだけを考え続けている。

散歩しても、本屋にたどり着き、本を買って帰る。

懐かしい街にプチ旅に行けば、古本屋を見つけ、本を買って帰る。

寝る前にiPadを開いて、電子書籍の本を読む。

移動中は、スマホで電子書籍の本を読む。


毎日書き、毎日読む。

1日1冊、2日に1冊程のペースで、あらゆる作家の小説を読み続けて、ようやく少しわかってきた。

私たちがのめり込んで読んでしまう文章と小説とはどんなものなのかが。
まだ感覚の段階だから、これを再現するように書く。
自分の体に落とし込んで、自然とそれができるようになるまで書く。
結局、不器用な私には、これの繰り返ししかないのだ。

この私なりにたどり着いた答えこそ、「やらないとわからなかったこと」だ。
誰のアドバイスも、解説もいらない。

「やってみてわかったこと」だ。

意識して量をこなして、初めてつかんだ感覚を信じて、さらに書き続けていくと決めている。

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