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ブロックチェーンの新バズワード「インテント」

みなさんこんにちは、ウエマツです。

今回はコチラの記事の紹介をしていきます。


「インテント」その仕組みとリスク


静かな革命が進行しており、ブロックチェーンの使い方に変革をもたらしている。

その代表が暗号資産(仮想通貨)における最新のバズワードのひとつ「インテント(intents)」だ。

インテントは簡単に定義すると、ブロックチェーンユーザーが達成したい具体的な目標のことだ。

「インテント中心」のシステムには2つとして同じものはないが、どれも似たような動きをする。

つまり、トレーダーであれプロトコルであれ、ユーザーは自分のインテントをサービスに提供し、それを「ソルバー」(人であったり、AIボットであったり、別のプロトコルであったりする)に委託し、ソルバーは目標を成し遂げるために必要なことは何でも行う。

現在ブロックチェーンが急速に拡大しているため、インテント中心のシステムは重要になってきている。

ビットコイン、イーサリアム、レイヤー1、レイヤー2、そして今やレイヤー3ネットワークまでもが急速に普及しており、それらすべてをつなぐ無数の「ブリッジ」や「相互運用性」ソリューションも生まれているため、そのすべてを使いこなすことはより困難になっている。

インテント中心のサービスは、ユーザーが物事を成し遂げるためのベストな方法を見つけることを約束する。

取引利益を最大化し、ガス代を節約できるなどのメリットをもたらす。

しかし、こうしたプラットフォームの利点にはリスクが付きものであり、すでに警鐘を鳴らしている人もいる。

私たちは、ブロックチェーンで忙しい仕事を引き受けてくれるサードパーティ・ソルバーのサポートを歓迎するかもしれないが、新しいサービスは新しい種類の独占者を生み出す可能性がある。


インテントを理解する


ブロックチェーンは、巨大でグローバルなコンピューターと考えることができる。従来、ユーザーは詳細な指示(例えば、ユニスワップを使ってトークンAとトークンBを特定の価格で交換する)を出し、ブロックチェーンはそれをステップ・バイ・ステップで実行する。


しかしインテントの新しい世界では、このモデルが覆される。ユーザーは、自分が何をしたいのか
(例えば、AトークンをBトークンに最良の価格で交換する)を具体的に記載することなく、プロトコルに詳細を任せる。


例えば、タクシーを考えてみよう。

従来のブロックチェーンサービスは、運転手にどこで曲がるかを毎回教えるようなものだった。ルートが曲がりくねっていたり、近道が見つけにくかったりすると、面倒でコストがかかる。

一方、インテントを使うことは、運転手に目的地を伝え、あとは座って運転手を信頼することだ。

Anoma、Flashbots、CoW Swapなどのブロックチェーンやプロトコルが、すでに暗号資産ユーザーにインテント中心のサービスを提供している。

ユーザーはこれらのサービスに「これらのトークンを最良の価格でスワップする」といった目標を提示し、サードパーティ・ソルバーにそれを有料で処理してもらうことができる。

仕組み


プラットフォームによって、「インテント」のアイデアを表現するために使う言葉は異なるが、一般的な前提は変わらない。

現在、ほとんどのインテントベースのプロトコルは、ある種の「インテント発見」システム、
つまり「ユーザーが欲しいものを伝える」場所から始まるとブプタニ氏は説明。

ブロックチェーン用語で言えば、こうした発見の場は「mempool(メモリプール)」、つまりまだ処理されていないトランザクションの待機場所と捉えられる。

インテントは『USDコインを持っていて、それを別の資産に変える方法を考えたい。別のチェーンや特定の方法で行いたい』というようなものでも良い。

「表現できるインテントの複雑さに制限はない」、そしてソルバーの市場ができる。

ソルバーはインテントを「聞き」、適切な価格であればそれを実現する。

これらのインテント・ソルバーは、自動化されたアクターであり、「ユーザーが◯◯を望んでいる? OK、彼らの代わりにそれをやって、手数料を稼がせて欲しい」と語っているような存在だ。

このような仕組みには、聞き覚えがあるかもしれない。

コインベース(Coinbase)にイーサリアムとビットコインの交換を依頼したり、1inchのような取引所アグリゲーターにソラナを最も高い価格で販売するよう指示したりするとき、私たちはインテントを表明している。

「インテント」は、暗号資産の世界における他の多くのものと同様に、すでに存在する現象を説明するための手の込んだ方法だ。

2023年のインテントの巧妙さ、そしてこの言葉がこの1年で盛り上がってきた理由は、新旧を問わず多くのサービスが、ユーザーフレンドリーなインテントを暗号資産の分散型の精神に適合させようとしているためだ。

事実上インテントは、あらゆるユースケースにドラッグ&ドロップできるようになっている。

ほとんどの新しいインテントベースのプロトコルは、可能な限りベストな価格でユーザーの要求を満たすために競争するソルバーのネットワークにアウトソーシングすることで、システムを「分散化」している。


独占リスク


インテント中心のサービスはUX(ユーザーエクスペリエンス)にさまざまなメリットをもたらすが、システムがどこでうまくいかなくなるかは、タクシーの例えを考えるとわかる。

ブロックチェーントランザクションのすべてのステップを指定する従来のモデルのように、タクシーに乗るたびに毎回詳細なルートを提示することは、負担が大きく、ミスが起こりやすい。

しかし、インテント中心のシステムに近い「運転手を信頼する」アプローチにも問題がある。

不慣れな街でタクシーに乗り込み、すぐに着くと思ったのに、運転手が怪しいほど長いルートを走り、メーターが上がり、不安な思いをした経験は誰にでもあるだろう。

タクシー運転手は、インテント中心システムにおけるソルバーのようなものだ。ソルバーにタスクを任せることは、彼らが正直に運転することを信頼することだ。


インテント中心のプログラムでは通常、ソルバーを正直に保つためのシステムが用意されている。

より適切な例えは、ウーバー(Uber)かもしれない。

ウーバーは、前払いの価格設定とアプリ内のルーティングによってドライバーをコントロールしている。

しかし、ウーバーはインテントに基づくシステムのリスクを強調している。

近年のウーバーの価格高騰を経験した人なら誰でも、利便性がいかにユーザーを犠牲にして、大企業の地位を確固たるものにするかを身をもって体験しているだろう。

インテント中心システムの真のリスクは、不正行為だけでなく、新たな独占の可能性だ。

投資企業のパラダイム(Paradigm)は、ブログでこうしたリスクを強調している。

「インテントは取引のためのエキサイティングな新しいパラダイムだが、その普及は、ユーザーの活動が代替のメモリプールにシフトするという大きなトレンドの加速を意味するかもしれない。管理が不適切な場合、このシフトは中央集権化と、レントシーキング(新たな価値を創造せずに利益を得るために環境やルールを操作しようとする行為)を目的とする仲介業者を固定化するリスクがある」

ユーザーのインテントを満たすために、こうしたサードパーティに頼ることがより一般的になるにつれて、企業は自己利益のために行動し始める可能性がある。

高い料金を請求したり、ユーザーではなく、自分たちの利益になる方法で注文に応えたりすることによって。

インテント中心のサービスのほとんどは、ソルバーの競争市場にアウトソーシングしており、これは表向きは一極集中を避けるためだが、一部の企業がこの分野を独占する可能性もある。

例えば、暗号資産取引所がソルバーを開発し、「買い」と「売り」のユースケースを独占することで、事実上すべての市場活動を自社のオーダーブックに誘導することが想像できる。

この取引所は、競合他社を打ち負かす方法として、最初は手数料を補助し、市場を掌握した後は価格を吊り上げることができる。

最良のケースでは、インテントベースのモデルは、ユーザーの時間とコストを節約するブロックチェーンベースのシステムの新しい動きの先駆けとなり、より多くのユーザーがブロックチェーンテクノロジーにより簡単にアクセスできるようになる。

しかし、このような未来を実現するには、慎重に進める必要がある。


おわり


以上が今回の記事の紹介になります。

私自身「インテント」という言葉をこの記事で初めて知りました。

まとめると、


「インテント」とは、
ブロックチェーンユーザーが達成したい具体的な目標のことであり、ユーザーは自分の目標をサービスに提供し、それを達成するために必要な行動をサードパーティの「ソルバー」に委託するシステム。

という感じかと思います。

今これをしっかりと理解する必要は特になさそうですが、こういう言葉があるくらいで大枠だけ覚えておけばいいように思います。

新しい言葉がドンドン生まれる業界なので、引き続き勉強していきたいと思います。

以上、ウエマツでした〜


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